2009/03/09(月)12:05
【1】映画『神の子たち』と四ノ宮監督について
神の子たち
2002年 シネマアンビエンテ国際環境映画祭グランプリ受賞作品
2002年 ベルリン国際映画祭正式招待作品
2002年 モントリオール国際映画祭正式招待作品
『神の子たち』は私が今一番注目している四ノ宮浩監督の作品です。
この映画は、私が最近時々紹介させていただいている、
『シンギングエンジェルプロジェクト』(通称SAP)にも
関係するところがあります。
★『神の子たち』HP
http://kaminoko.office4-pro.com/
★『Singing Angel Project』HP
http://www.sa-p.jp/friends/
今月22日に発売される今年のテーマ曲『ライトハウス・オブ・ラブ』
を中西圭三さんが主に作詞作曲されていますが、
その曲を作るベースがこの映画にありました。
SAP会報での中西圭三さんのコラムによると、
2001年に中西さんが映画『神の子たち』の上映を見たそうです。
それ以後、ずっと中西さんの心の中でくすぶっていたものが、
2005年夏のSAPへの参加につながり、
曲作りのためのマニラ行きを決意させたとあります。
http://plaza.rakuten.co.jp/pmdecorp/diary/200609230002/
この映画の舞台はフィリピンのケソン市というところにある
パタヤスゴミ捨て場。
そこで、ゴミを拾って生計を立てている数家族にスポットを当てています。
『神の子』とはフィリピンでは障がい児の事を指すそうです。
この映画のタイトルどおり、
この映画には障がい児が何人か出演しています。
このゴミ捨て場は劣悪な環境で、
そのために障がい児が多く産まれていると聞きます。
5歳までに育つ子どもは約30%、
50m置きに1人障がい児が産まれているとも
四ノ宮監督の手記には書かれています。
この映画のあらすじは、偶然にも撮影の直後に起こった
ある悲惨な事故から始まっています。
一つタイミングを間違えば監督スタッフ一同の命も危なかったという
2000年のゴミ山の崩落事故。
2000年7月にこのゴミ捨て場で大規模なゴミ山の崩落があり、
1000名以上の犠牲者が出ました。
政府が危険だとしてゴミが約半年間搬入されない時期がありました。
この映画はその間、そこでしか生きられない人々の非常に苦しい
生活を約半年に渡って撮影されたドキュメンタリー映画です。
ここパタヤスでは赤ちゃん、子どもが様々な状況で死ぬのは日常茶飯事。
殺されることも不思議ではない世界です。
現に、監督が映画撮影後にこの地を訪れた時には、
映画出演者の約半分が消息不明や、死んだり殺されたりしていたそうです。
この映画には、何人かの赤ちゃんの遺体も撮影されています。
皮肉にも、どの赤ちゃんもとてもきれいな顔をしていました。
それとは対称に、悲しみにくれるお母さんをはじめとする
ご家族の映像がとても痛々しいです。
なんのために、このような悲惨な状況を監督は撮影されるのか。
それについては、今後の映画『忘れられた子供たち』の紹介や、
四ノ宮監督の手記の連載等で詳しくお話させていただきます。
神の子たち
【2】へ続きます。