共に生きる、について/雑感
ぽちは、データとか数字を読み解くことは大の苦手です。ですので、今日書く記事のデータとか、数字とかそれに対するぽちの解釈は、まったくの独断と偏見です。そのつもりでお読みください。今日、ぽちが何の数字を見ているかというと、行政での不要動物殺処分数、です。行政での殺処分数は、年ごとに減っているようです。でも、よくなってきてるんだ、とは、短絡できないぽちなのです。犬猫の新しい飼い主募集を目的とした掲示板の大手、『いつでも里親募集中』さんでの、本日現在、関東、猫、の掲載件数は、1482件、でした。被災、で検索すると96件、震災、で検索すると25件、震、の一文字で検索しても44件しか出てきませんので、東日本大震災の影響による募集数は、ほとんど含まれていない数字だろうと思います。『いつ里』さんだけ、それも、関東だけ、猫だけの募集数で1000件超過。ぽちとしては、ものすごく多い、異常事態だという認識でこの数年ウォッチしてきたのですが。この数字、どう考えたらいいかと、あちこちの動物に関する数字を探し回って、、、ここにたどりつきました。行政の殺処分数の推計を年度ごとにまとめた資料です。●地球生物会議ALIVE/資料集より全国動物行政アンケート結果報告書各年度の解説文章中に前年度比の数字がありますが、平成21年度の解説によると、H21年度の猫の前年比猫が、28,928頭減少、とありました。これは全国の合計数です。いつ里さんの猫・関東のページに、1年間毎日1,500件が掲載されたとして、週ごとに掲載終了→新案件掲載の回転が10%あったと仮定すると、週ごとに150件が新掲載、つまり新たに猫が保護されたと考えます。これを1年換算すると、年間7,200件は民間保護があるということになります。7,200という数は、ALIVEさんの推計による平成21年度殺処分数で、猫の処分数が前年度比28,928頭の大幅減少という、、、この、28,928という数字の、実に、25%ほどにもなります。行政から団体譲渡を受けて譲渡協力している民間の動物愛護団体の受け入れ数や、いつ里さんを利用しない個人保護や、地域猫活動での野良猫増加抑止と野良猫の処分持込抑止を加味すると、行政での殺処分減少数とほぼイコールになるのではないかという気がします。つまり、行政の殺処分数の減少は、行き場のない命が減ったのではなくて、生かす努力が増加したから実現しているのだと思えます。そう。溢れかえる行き場のない命は、ほぼ、そのまま。民間の保護活動を押しつぶさんばかりの異常事態は変わらず、なのです。生かす努力が浸透してきた、その活動に関わる人たちが増えてきた、すでに10年経過した地域猫活動に一定の成果が見られ、新たな活動地域に受け入れられやすくなってきたなど、動物愛護の先駆者の方々が、これまでの10年とか20年という、長い長い時間をかけた本当に地道な活動でやっとつけてきた道であり、ごくわずかでも、世の中に変化が現れているのだとは思います。でも、依然として多い、行き場のない命たち。むげに命を奪わない、生かす努力の方向に世の中が動くまで10年・20年かかったこれまでの道です。この先さらに10年・20年。蛇口をしめる方向に世の中が動くまで。行き場のない命が真実減るまでは。この先の10年・20年は、どんなに大変でも、現時点で溢れかえっている命たちと、共に生きていくしかありません。ペットフード協会が、飼育率や、飼育動向を推計しています。2011年の集計を見ますと、これから猫を飼いたい、と思っている人(世帯)の数は、935,000人(世帯)とあります。この方々が、すべて保護猫を受け入れる選択をしてくださるなら、今現在、個人や民間団体や行政の愛護センターで保護されている行き場のない猫さんたちみんなにおうちができる可能性は、潜在的には充分ある、と思いました。まあ、保護動物の実際のところでは、病気やケガや、ハンディキャップのある子や、人馴れしてない野良猫や、おトイレの問題が解決できない子や、、、その他もろもろ、ご家庭に迎えるにはちょっと考えてしまうような事情を抱えた猫たちもあるので、全員に家庭で暮らす適性があるとはいえないのでしょうが。でも、どうしてこんなかわいい子が捨てられるの?と驚くような子、とっても多いはずです。飼い主が繁殖制限をしなかったために望まれずに生まれてしまった子猫も多いです。行政での殺処分数の内訳は、飼い主持ち込みの子猫、それも乳飲み子の割合が多いようです。これから猫を飼いたいと思っている、935,000人(世帯)の方々へお願いです。ご自身が飼いたいから飼う、飼いたい猫を選ぶ、という視点を、ちょっとだけボランティア精神や福祉の思想に傾けて、共に暮らしていこう、と、お考えいただけませんか?現在溢れかえっている、行き場のない命は、この先10年・20年、私たちと共に生きていくしかないのです。昨年3・11で、行き場をなくした動物は、さらにさらに増えました。特に、福島原発事故の立ち入り禁止区域内では、とりのこされた動物たちのうちあるものたちは力尽き、あるものたちは極限を必死に生き延びていますが、現地で活動されている方々が保護して長期間お世話し続けられる数には、、、限界があります。命を生かすということは、多大な労力を要し、多大なランニングコストが生じるということです。助け出された命と、共に暮らしていく決心をしてくださる方はいらっしゃいませんか?民間の保護動物、助け出された被災動物、もともとはみんな愛玩動物です。人と幸せに暮らすために生まれた彼らです。この時代に生きている私たちは、彼らと共に生きていくしかないのです。こんなことを考えながら、自分の非力さに日々悶々としている最近のぽちです。