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旦那と休みが重なるようになった。
旦那は三交代で休みが５日勤務の２日休みで夜勤で３週ごとに
休みの曜日が一日づつ、ずれていくようになっている。
これから、３週間は日・月曜日が休みだ。
だが、月曜日は例によって私は実家に行くようになっている。
旦那の昼ご飯をどうするか思案していると実家の父から電話で
『お母さんと友達の歯医者に来ているから、
午後ゆっくりでいいぞ』と言われた。
良かった。
急いで用意しなくていいから、助かった。
すると、それを聞いた旦那が
『それなら、どこかに食べに行こうか』と言ってくれた。
ボーナスの一割をお小遣いとしてゲットしている旦那の懐は
今や、絶好調に暖かい。
誘いに乗らない手はない！
即、ＯＫし、急いで家事を済ませ、お昼ご飯に思いをはせる。
１１時半過ぎに家を出て、車で国道を走る。
『って、どこに行く訳？』と聞くと、『どこでもいい』と言う。
“言うだけはただ”だと思い、
『お寿司やさん､それも回らない寿司屋』と、大きく出てみた。
すると、『いいよ』と言うではないか…
回らないおすし屋なんて、一年ぶりくらいかな？
しかも、その時も子ども達には内緒でやはり、昼間に２人で行った。
食べ盛りの子供を連れて行くと回る寿司屋でも
福沢さん１枚ははすぐに飛んでしまうのだ。
皿の色なんて気にしないから…
車をＵターンさせ、お気に入りのおすし屋に行く。
ここはよく、慶事の時に出前を頼むおすし屋だ。
ここで座って、食べたことはない。
２､３年前の私の誕生日に一度、意を決して
親子４人で出かけたことがあった。
が、たまたま、大人数の集まり事がその寿司屋で開かれていて、
ご夫婦とその息子さん３人で、やっている小さなおすし屋は
その時点で新しい客の受け入れが出来なかった。
仕方なく、別のおすし屋で食べるに至った。
だから、今日が座って食べるデビュー日になった。
５，６席しかないカウンターは常連さんが座り、満員だった。
ご主人、出前をたまに取るので『あぁ、〇〇さん、いらっしゃい』
と名前を覚えていて招き入れてくれた。
なんだか、少し、ドキドキだったけど、それで緊張が解けた。
座敷に案内され、注文する時、
旦那が、『せっかくだから、特上を食べよう』と言った。
特上？？
上の上？
並みの上の上？
値段…並みの４倍弱だった。
しかし、払うのは旦那だ。
よし、腹を据え、すこし、震える声で『特上２人前』と注文した。
『特上』…なんと言う、リッチな響き！
嬉しくて、旦那に飛びついてやりたい心境だった。
まぁ、旦那はのけぞるだろうけどね！
寿司桶に入って運ばれたお寿司は
それはもう、特上にふさわしいものでして…
ヒラメのエンガワはプリプリ
ウニはとろけて
イカは透き通っていて、歯ごたえ十分
ホタテのビッグサイズに驚き
マグロはトロだよーん
ほかに、カンパチにスズキもエントリー。
帰りに旦那が実家の両親にお土産代わりにと
お寿司を注文までしてくれ、
しめて、１万８００円の支払い。
お礼を言うと
『昨日、送ってくれたから』と旦那が言った。
ルンルン気分で実家に行き、得意げにお寿司のお土産を披露すると
両親は２人、口をそろえて
『たった今、お昼にお寿司屋で食事した』と小憎らしいことを言う。
ちょっと、しゃくにさわったけど、
聞くと『回る寿司屋』だったので
なんだか、勝利したような気分になった。
本当は勝ち負けのことではないんだけど…ね。
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蓮4044 |
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