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人生朝露

人生朝露

ネイティヴ・アメリカンと老荘思想。

よっと。

Google バンクーバー五輪仕様。
バンクーバー五輪開幕!いつもと同じようではいけない!というわけで趣向を変えまして、

悪かったわね!
荘子です☆

Inuksuit。
今回のバンクーバー五輪も、イヌクシュク(Inuksuit)がPRされたり、開会式にも先住民が出てきたりとシドニー五輪の時のような演出が多く見られました。シドニーの開会式では白人が黒塗りしてアボリジニの真似事をしても大してニュースにならなかったのに、北京の開会式で漢民族の子供が少数民族の衣装を着ているだけでガーガーピーピーうるさかったのは、今でも忘れられません。

ちなみに、2007年に採択された「先住民族の権利に関する国際連合宣言」は、中国すら賛成しましたが、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカの4カ国は、反対の立場でした。よその人権とか鯨の権利にはうるさい連中ですが、自国の差別について、お世辞にも真摯な対応をしてきたとは言えません。カナダの場合にも経済だけでなくて文化的側面、特にキリスト教へ改宗を間接的に強制したことに関しては、わざわざローマ法王が謝罪したくらいです。

Wikipedia:先住民族の権利に関する国際連合宣言
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%88%E4%BD%8F%E6%B0%91%E6%97%8F%E3%81%AE%E6%A8%A9%E5%88%A9%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%80%A3%E5%90%88%E5%AE%A3%E8%A8%80

Bits lounge ニュース ローマ法王、公式謝罪
http://www.bitslounge.com/a08_news/canada/c_090515_08.html

・・・別にチベットやウイグルのような民族問題を抱えている中国の肩を持つつもりはないですが、たとえば、海南島にいる「黎(リー)族」とかは、いわゆる「魏志倭人伝」にある「倭人」の「刺青」「鬼神」等の生活様式に類似点があって、日本人のルーツを探る上でも興味深い人々なんですが、日本人がほとんど興味を示さないのはどういうわけなんでしょうかね?

参照:Wikipedia リー族
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E6%97%8F

http://blog.livedoor.jp/beijingkosai/archives/50241915.html

・・・ま、オーストラリアに比べればカナダはマシな方なので温かく見守りましょう。

Zhuangzi
『故至徳之世、其行填填、其視顛顛。当是時也、山無蹊隧、澤無舟梁。萬物群生、連属其郷。禽獣成群、草木遂長。是故禽獣可係羈而遊、烏鵲之巣可攀援而閲。夫至徳之世、同與禽獣居、族與萬物並、悪乎知君子小人哉。同乎無知、其徳不離。同乎無欲、是謂素樸。素樸而民性得矣。』(『荘子』馬蹄篇 第九)
→「ゆえに、至徳の世というのは、束縛もなく人の行いは穏やかで、人々の瞳は明るかった。かつての至徳の世では、山には道も拓かれず、川にも船は無かった。万物は群生して、棲み分けをする必要もなかった。動物たちは群れを成し、草木は伸びやかに成長した。ゆえに、動物を紐に繋いで共に遊ぶことが出来たし、木によじ登って、カササギの巣をのぞいてみることができた。その至徳の世においては、動物たちと同じ場所に住み、万物と並んで暮らしていた。そこに君子や小人なんているはずがない。人々はさもしい知識も持たず、徳が心から離れず、無欲でいた。これを「素樸(そぼく)」という。素樸だからこそこそ民はあるがままでられる。」


アバター。
映画『アバター(AVATAR)』でも、環境問題だけでなく、白人の先住民族支配を強くイメージさせるシーンが多く見られました。環境思想について、白人よりも先住民族の方が遥かに高い意識を持っていたことは歴然としていますよね。例えばアメリカのシアトルの地名の由来になったシアトル酋長(Chief Seattle)の手紙は有名です。

シアトル酋長。
参照:Wikipedia Chief Seattle
http://en.wikipedia.org/wiki/Chief_Seattle

我々が愛したように、白人たちよ、我々の土地を愛して欲しいという素朴な主張を、フランクリン・ピアス大統領に訴えた名文として知られています。環境思想という分野においては、未開の人々こそ、より実践的な思想家であることは明白です。

“The sight of your cities pains the eyes of the red man. There is no quiet place in the white man's cities. No place to hear the unfurling of leaves in spring or the rustle of the insect's wings. The clatter only seems to insult the ears.”
→あなたがたの街は我々の耳には痛い。あなたがたの街には静けさがない。春の日の木々の囁きや、虫たちの羽音を聴ける場所がない。カタカタした音は、私たちの耳を蝕むようだ。

Zhuangzi
『且夫失性有五:一曰五色乱目、使目不明。二曰五聲乱耳、使耳不聴。三曰五臭薫鼻、困唆中桑。四曰五味濁口、使口萬爽、五曰趣舍滑心、使性飛揚。此五者、皆生之害也。』(「荘子」天地 第十二)
→本性を失うには五つの事柄がある。一つは五色が目を乱し視力を害うこと。一つは五声が耳をかき回し、聴力を害うこと。一つは五臭が鼻を困らせ、嗅覚を害うこと。一つは五味が口を濁らせ、味覚を害うこと。五つは取捨選択の多さが、人の性の落ち着きを奪うこと。この五つは、生きることへの害である。

“All things are connected like the blood that unites us all. Man did not weave the web of life, he is merely a strand in it.”
→全てのものは血のつながりのように関係しあっている。人が生命の網を編みこんだのではない、人はその網目の一部に属しているだけだ。

・・・これとか、露骨に老子の「天網恢恢疎にして漏らさず」に似てますよね。本来的な意味に近いです。どうも日本人の使う老子の言葉は「大器晩成」にせよ日本流のアレンジが強いんですが・・・

ま、何が言いたいのかと言いますと、老荘思想って「アメリカ・インディアン」の思想と親和性が非常に高いんです。まず、人間が自然の一部であることとか、インディアンの話にも蝶と蛙が良く出るし、鳳凰とインディアンのサンダーバードも似ているし・・。

“Sometimes dreams are wiser than waking.”
→夢は、起きているときよりも雄弁に語る。(スー族のメディスンマン、ブラックエルクの言葉)
“Any one could pray to the spirits, receiving answer usually in a dream.”
→誰でも大いなる魂に祈ることができた。答えは決まって夢の中で告げられた。(ヒダッツァ族のエドワードグッドバードの言葉)

・・・この辺とかは荘子のお得意の夢のお話に酷似しています。実際夢のお告げのような話はインディアンにはよくありまして、夢占いも高度です。

でも、一番驚いたのはこれです。

“We should be as water, which is lower than all things yet stronger even than the rocks.”(オガララ・スー族の格言)
→水のようになれ。他のものより低く流れ、岩よりも強い水のように。

参照:当ブログ 『茶の本』と功夫。
http://plaza.rakuten.co.jp/poetarin/5024

「上善若水。水善利万物、而不争。処衆人之所悪。故幾於道。」(『老子』第八章)
→上善は水のごとし。水は万物を育みながら、それ自体は争わず、しかも人が嫌う低地へ低地へと遷ろう。それ故に道に近い。

李小龍。
“Empty your mind. Be formless, shapeless, like water. You put water into a bottle, it becomes the bottle, you put into a teapot, it becomes the teapot. Water can flow or it can crash. Be water, my friend”

参照:YouTube Bruce Lee_Be Water My Friend
http://www.youtube.com/watch?v=USlnfTGlhXc&feature=related

Bruce Lee - Water Philosophy
http://www.youtube.com/watch?v=d9MRP1dvPa0&feature=related

・・・ネイティヴ・アメリカンがブルース・リーと同じことを言っている。こんなに一致するもんですかね・・・いや、なんか「竹内文書」みたいな話になりますけど、老荘思想って、モンゴロイドがベーリング海峡を渡る以前の・・一万年以上のスパンで考えなきゃならない太古の思想のように思えるんです。文字が発達する前の思想なんだから口伝か、寓話で残すしかなかった・・・そんなことを言い出したら人類普遍の思想になってしまいます。

ローマ帝国滅亡以降、ヨーロッパでほとんど根絶されてしまった思想。奇跡的に残っていた中国とアメリカの先住民の思想が奇妙な一致を見せている・・・そんなバカななどと思いながら、しかし、頭から離れないんです。これって、もしや、プロトカルチャーなのでは・・

参照:YouTube マクロス 愛覚えていますか?
http://www.youtube.com/watch?v=SknedFYCZZA

暇ができたら加筆します。それと、私はマクロスがあんまり好きではありません(笑)。リン・ミンメイの動きのリアルさが怖い(笑)。

今日はこの辺で。


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