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耳(ミミ)とチャッピの布団

なぜか「太陽の帝国」スピルバーグ

スピルバーグ作品で「太陽の帝国」をあげてくるのは稀でしょう。
普通スピルバーグと云えば「激突!」「ジョーズ」「未知との遭遇」「E.T.」「インディ・ジョーンズ」「ジュラシック・パーク」「シンドラーのリスト」「プライベートライアン」選り取りみどり。
よりによって「太陽の帝国」をチョイスするのは稀有と思います。

上映当時も評判悪かったですね。
「何を伝えたいのか判らない」というのが大方の声でした。

でも私この作品好きなんです。
太平洋戦争中、中国国内にある日本軍捕虜収容所で両親とはぐれた主人公の英国人少年がさまざまな苦労をして逞しくなっていきます。大人顔負けの生活力を蓄えた少年なのに、あるとき同じ収容所にいるオジサンに「ママの顔を思い出せない」と云って泣くシーンがあります。
涙でます。
戦争末期になって日本軍の形勢悪化で大勢の捕虜が移動させられます。居留民から略奪された高価な家具などが遺棄された荒野で少年は太陽を見ます。長崎に投下された原爆です。このコントラスト。ぶきみなほど重厚です。
戦争が終わりラストで子供を捜しにきた両親に見つけ出されますが、母親と再会しても無表情のまま立ちつくす主人公。一人で生き延びるための苦労が少年にはあまりに過酷だったのです。
涙でます。
上海に住む英国人おぼっちゃん(かなり悪ガキ)が、時代の渦に流されながら生きぬいていく物語。
確かにスピルバーグ独特の甘さが随所にでた作品かもしれません。しかし「E.T.」よりはるかに心打たれました。
戦争を舞台にしていても「シンドラーのリスト」「プライベートライアン」ほどの重さはありません。
でもそこには戦争に対する厳しい批判が少年の目を通して充分語りかけています。
スピルバーグ自身はこの映画でメッセージを送りたかったのでしょう。そして充分に伝えきれるほどこの映画は評価されませんでした。
でも何も考えずに物語りとして見ているだけで心打たれるものがあります。私はこの作品好きです。


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