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テーマ:猫のいる生活(136001)
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2016年に中国が作った500m 球面電波望遠鏡によって、世界一の座を明け渡したアレシボ天文台。
プエルトリコのアレシボ(世界第三位の大きさを誇る洞窟群で有名な)に位置する、ジャングルに囲まれた電波天文台です。 電波天文台で使われる電波望遠鏡と云うのは、目で見える光を集光して天体を観測する普通の望遠鏡に対して、星から来る電波を収束させて天体を観測する装置なんです。 電波は光に比べて微弱なのでアンテナの口径は普通の望遠鏡に比べて何十倍も巨大になるんですな。 しかしこの装置を使うと、可視光を放射しない星間ガスなんかも観測できるのです。 ブラックホールの周りを回る高温のガスを観測したり、宇宙の激しい現象のいくつかは電波でこそ観測できるのです。 で、アレシボ天文台ですが、この姿は映画によく登場します。 ジョディー・フォスターが主演した19970年のSF映画「コンタクト」の舞台になったり、ピアス・ブロスナンがジェームズ・ボンドをやった「007ゴールデンアイ」では犯罪組織「ヤヌス」の秘密基地として登場。 クライマックスで悪人と対決する舞台に使われていました。 対するアレシボ天文台は受信装置が3本のマストで高さ150m に吊るされており、この受信装置を動かして観測位置の変更が可能です。 そして何より中国の球面電波望遠鏡は中国科学院国家天文台と云う政府組織が単独でおこなっている事業ですが、アレシボ天文台の方は米国科学財団(NSF)の協力協定のもと、国立天文学電離層センターの一部として、SRIインターナショナル、宇宙研究大学連合、プエルトリコ・メトロポリタン大学により運営されている国際的な天文台なのです。 この受信装置は約900t もの重量があり、18本のケーブルで吊るされています。 1974年には「アレシボ・メッセージ」と呼ばれる電波によるメッセージを宇宙に送信しました。 このメッセージは地球から約25,000光年の距離にあるヘルクレス座の球状星団 M13に向けて送信されたのです。 電波によるMETI(Messaging to Extra-Terrestrial Intelligence)=Active SETI(能動的な地球外知的生命体探査)の最初の例として有名です。 メッセージは1,679個のビットから成り、解読者が信号の2進数列を2次元の四角形に並べ替えることを意図して作られています。 この1679という数は23と73という二つの素数の積であり、1,679ビットを余りなく四角形に並べ替えようとすると、23×73または73×23の2通りにしかできないことから選ばれました。 23行73列に並べ替えても意味のある図形にはならないのですが、73行23列に並べ替えると下図のように意味を持った図形となります。 「仮に地球外に解読者がいて、宇宙からの電磁波を受信して解析しようとする技術と知能があれば容易に解読方法に気づくはず」という前提なんですな。 このメッセージを左から右へ、また上から下へ読むと、以下のような情報が記述されています。 ・1から10までの数字 ・水素・炭素・窒素・酸素・リンの原子番号 ・デオキシリボ核酸 (DNA) のヌクレオチドに含まれる糖と塩基の化学式 ・DNAに含まれるヌクレオチドの数 ・DNAの二重螺旋構造の絵 ・人間の絵と人間の平均的な身長 ・地球の人口 ・太陽系の絵 ・アレシボ電波望遠鏡の絵とパラボラアンテナの口径 アレシボ・メッセージが目標であるM13の星に到着するまでには約25,000年かかります(返事が地球に返ってくるまではさらに25,000年かかる)。 こりゃまた、ずいぶん気の長いことで(笑) このメッセージは当時コーネル大学にいて有名なドレイクの方程式を考案したフランク・ドレイクによって作られ、他には最も有名なSF作家カール・セーガンなどが作成に関わっているのです。 その他にもアレシボ天文台では極めて大切な発見に大きく貢献しています。 ・1964年、水星の自転周期が59日であることを発見。 ・1968年、ラブラスたちによる「かにパルサーの天体周期(33ms)の発見は、宇宙に中性子星が存在する確固たる証拠を提供しました。 ・1974年、ラッセル・ハルスとジョゼフ・テイラーが最初の連星パルサーPSR B1913+16を発見。 ・1989年、直径1.8km の小惑星(4769)カスタリアを直接観測に成功。 ・1992年、ポーランドの天文学者アレクサンデル・ヴォルシュチャンがパルサーPSR B1257+12を公転している初の太陽系外惑星を発見しました。 ところが、これだけ宇宙観測に貢献したアレシボ天文台に暗雲が立ち込めます。 アレシボ天文台は当初、NASAが資金援助を行うことで維持されてきたのですが、観測設備の拠点が地上から宇宙(きのうご紹介したハッブル宇宙望遠鏡)に移ったことで、2007年になって全米科学財団は、アレシボ天文台の年間予算を1,050万$(約11億6,000万円)から 800万$(約8億8,000万円)に削減することを決定したのです。 それどころか2011年にはアレシボ天文台を閉鎖すると決定したのです。 アレシボ天文台が「地球外知的生命体探査」をやり続けるには年間1,000万$(約11億4,000万円)の維持費が必要です。 まさに映画「コンタクト」の世界が現実になったのです。 映画では主人公のエリー(ジョディ・フォスター)はアレシボ天文台で「地球外知的生命体探査」の研究をしていましたが、先の見えないSETIプロジェクトに懐疑的な天文学の権威ドラムリンによって、研究費とアレシボの利用権を打ち切られてしまうのです。 しかし捨てる神あれば拾う神あり、2012年になって世界で最も大きな研究機関のひとつであるスタンフォード研究所(SRIインターナショナル)が中心となりアレシボ天文台を継続運営していくことになったのです。 ところがまたしても災難! 2014年1月にプエルトリコで発生したM6.4の地震で受信機を吊り下げる18本のケーブルのうちの1本が破損し、観測できない状態になったのです。 しかし天文台の所長、ボブ・カー氏などの尽力もあり、地震より2ヶ月後には修復が完了し、再び観測が可能な状態に戻ったのです。 整備工事で閉鎖になった大阪の中之島公園。そこに暮らしてた約70匹の子供たち。 心あるボランティアのご尽力で「猫の部屋」と呼ばれる仮住まいを得ることができました。 すこしずつ里親さまも決まってきてますが、まだまだ多くの子供たちが良いご縁を心待ちにしています。 なを「中之島公園の猫たち」では恐縮ですが現金によるご支援は一切お断りしております。 「公園ねこ適正管理推進サポーター制度」が実施されています。 そちらのリンクもありますので、大阪市在住の方はぜひ見てください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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