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テーマ:猫のいる生活(135971)
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マンガ「じゃりン子チエ」でチエの父親はホルモン屋「テッちゃん」を営んでいましたが、ロクに働かず博打とケンカに明け暮れるため、チエに店を奪われ、店名も「チエちゃん」に変わってしまいました。
このオヤジ、体力とケンカの強さだけは人一倍なのに、なぜかにゃんことのケンカだけは苦手なんですね(笑) 西成の萩之茶屋のことでしょうか? 日本最大の日雇い労働者の街です。 と、云っても近年は低料金の簡易宿所が多いので、外国人旅行者が増えてきていってますが。 ホルモン焼きってのは、豚の臓物をゆであげ、小さく切って串にさし、焼いたモンですね。 大阪で成立した料理とされています。 しかしホルモン料理って日本全国にありますよね。 北海道旭川市の「塩ホルモン」とか、宮城県気仙沼市の「気仙沼ホルモン」とか、神奈川県厚木市の「厚木シロコロ・ホルモン」とか。 また小腸を「丸腸」と呼び、ホルモン焼きの材料とする店は全国各地にあります。 この「ホルモン」って名前、大阪人は関西弁の「放る物(ほうるもん)」と解釈している人が多い。 昔は、豚の臓物なんてちゃんとした料理で使うことはありませんでした。 それらは、不要物として捨てられていた。つまり「放(ほう)」られていた。 その「放る物」を捨てずに、集めてきて調理する。 だから「ホルモン」焼きだとする説です。 大阪の焼肉チェーン「食道園」などはこの説をとっています。 戦前では、内臓料理に限らず、スッポン料理などスタミナ料理一般を指していたので、「放る物」説は矛盾が生じます。 「クイール」の崔洋一が監督して北野武が主演した衝撃的な映画「血と骨」では、北野武演ずる金俊平は、一旗揚げようと済州島から大阪にやってきて、カマボコ工場を興し、高利貸しとなってたくましく生き抜いていきますが、彼の住んでた猪飼野(いかいの)ってのは有名なコリアタウンの街です。 この映画の中で、金俊平が毎日食べるのが一斗缶の中に入った、丸ごと豚一頭をさばいて何日も放置し、ウジ虫が湧いているお肉です。 ウジ虫をフッフ~と息で飛ばしてお肉を食べてる。 それを見た息子は飛んで逃げていきます。 ウジ虫は別として、食べてたのはまぎれもなくホルモンなんですね。 金俊平はスタミナをつけるためにこれを食べてたワケです。 ホルモン焼きは小腸、大腸を始め、正肉以外のかつて廃棄していた部位、つまり皮、胃、肝臓、心臓、腎臓、子宮、肺、腸などを指します。 しかし、これらの部位は消化が悪く、カロリーも高い上に、プリン体を多く含み、これは痛風の原因となる事から、健康にとって良くないともされてます。 韓国のもつ鍋「コプチャンチョンゴル」は、豚だけでなく、牛の小腸も使ってますね。 東大門エリアの黄鶴洞(ファンハットン)は「ホルモン横丁」として有名です。 20世紀に入ってからの大阪は、工業都市に変貌しました。 煙の都、東洋のマンチェスターと云われる街になったのです。 それに加えて、アジア最大規模の軍事工場である大阪砲兵工廠ができました。 工業化によって、特に西日本いったいから労働者がかき集められました。 そして映画「血と骨」に登場するように、朝鮮半島などからも。 当時のことです、彼ら労働者は劣悪な環境のところに住まわされ、その日暮らしのギリギリの生活をよぎなくされてました。 ぜいたくは、できない。 食事も、安いものでガマンする。 それこそ「放る物(ほうるもん)」を寄せ集めてつくった料理で耐え忍んでいたのです。 昭和の始めにはホルモン料理を出していたようです。 さいきんは大阪名物として、牛の脂の乗った小腸(ホルモン)を脂が抜けるまでじっくり素揚げした「油かす」をトッピングした「かすうどん」も有名ですが、もともと大阪市内ではなく、大阪の南河内地域で食べられていたもので、すごくローカルな食べ物です。 大阪でこのうどんを出す店が増えたのは2000年代に入ってからでしょう。 まぁ、私は積極的にホルモンを食べようとは思いませんけどね。 やはりロースなんかの普通のお肉がいいです。 しかし、ホルモンにどっぷりはまってるご仁も多いですね。 私は食べるなら関東風の「もつ煮」の方がいいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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