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Oct 15, 2019
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カテゴリ:カテゴリ未分類
ウィリアム・ホールデンなんて、「サンセット大通り」とか「麗しのサブリナ」とか「ピクニック」とか「慕情」とか、ハリウッド独特のアイドルスターと思い込んでたのに、そのイメージを一新させた1969年の映画「ワイルドバンチ」。
この映画でホールデンは強盗団 "ワイルドバンチ"のリーダー、パイク・ビショップ役をやってます。
「ワイルドバンチ」は、アメリカ東部では既に自動車はおろか飛行機まで発明された時代、メキシコ革命が進行している時代に生きたならず者の物語です。
やがて遠からず消えゆく男たちが最後にとった行動。
それはマパッチ将軍のメキシコ政府軍に捕らえられてる仲間をたった4人で救出に行くこと。
しかし、仲間はパイクたちの眼前で、マパッチ将軍によって無残に殺されてしまう。
それを見た4人は200人の政府軍に銃を向け、映画史上空前の銃撃戦へと発展していくのです。

1969年の映画です。
CGはいっさい使っていません。
スローモーションによる強烈なバイオレンスが画面全体を支配してます。
この映画を撮った監督がサム・ペキンパー。
「ワイルドバンチ」の他にダスティン・ホフマン主演の「わらの犬」、マックイーンとマッグローが共演した後、結婚したきっかけとなった「ゲッタウェイ」、ワイルドバンチでウィリアム・ホールデンの仲間役をやってたウォーレン・オーツの主演した「ガルシアの首」、ジェームズ・コバーンがドイツ軍曹長を演じた「戦争のはらわた」など、どの作品もバイオレンスに満ち溢れています。
そのため、アメリカではその残酷な作風から「血まみれのサム」と呼ばれていました。






サム・ペキンパーは第2次世界大戦に従軍した後、クリント・イーストウッドの出世作「ダーティハリー」を監督したドン・シーゲルに弟子入りして、「ガンスモーク」や「ライフルマン」などの脚本と監督をやって、西部劇のTVシリーズ・ディレクターになりました。
その後、「荒野のガンマン」や「昼下りの決斗」で映画監督に転身しましたが、予算やスケジュールを度外視してまで作品の完成度を追求するあまり、しばしばプロデューサーと衝突することがあり、しばらく映画界から干されていた時期がありました。
サム・ペキンパー作品の中でも、日本で評価の高い「ガルシアの首」、実は公開当時アメリカ本国では評判が悪く、すぐに上映打ち切りになった作品です。
ペキンパーの死後、アメリカでも徐々に作品の評価が高まってきて、サム・ペキンパー自ら「俺が作りあげた映画」と豪語するほど監督の嗜好が色濃く現れた作品として、ペキンパーの代表作と云われるようになりました。
サム・ペキンパーは自分の作った作品の編集でいつも映画会社と対立していました。
ハリウッドでは伝統的に映画の最終的な編集権(ファイナル・カット)は映画の製作者であるプロデューサーがもっているためです。
まるでもう一人の監督がいるように、自身が撮影した作品が編集者によって切り刻まれて別の作品になっていく。
このため、会社側からは扱いづらい監督として冷遇され続けました。

ペキンパーが完全に編集権まで得て、自分の納得いく作品に仕立て上げれたのは「ガルシアの首」と「戦争のはらわた」だけです。
よくDVDなどで、ディレクターズ・カットと表示されているのは、プロデューサーによって不本意な編集を行われた監督が、当初劇場公開されたバージョンとは別に改めて編集した映画のバージョンのことです。
サム・ペキンパーの演出が如実に現れているシーンが「ワイルドバンチ」のラストです。
ここではワイルドバンチのリーダー、パイクを筆頭に4人のならず者が、マパッチ将軍のいる砦へと向かいます。
当初、このシーンで助監督はマパッチ将軍が会議してるとか、いろんなシーンを提案してました。
しかしペキンパーはそれらの案を一蹴し、4人がただ歩くシーンに決定したのです。

このシーン、台本にはただ「4人が馬のところにいって、ライフルを取り出す」としか書かれていません。
ライフルを手にした4人は、砦に向かって歩き始めます。
とたんにカメラがずっと下がって、望遠のズームで撮る。
マリアッチが流れる中、酔った村人や兵隊が彼らの前後を通り過ぎる。
それを延々と撮り続けたのです。
この象徴的なシーンのあと、砦にたどり着いた4人。
とらえられてた仲間を殺すマパッチ将軍。
すかさず、パイクがマパッチ将軍を撃ち殺します。
一瞬の静寂のあと、仲間のダッチ(アーネスト・ボーグナイン)が薄ら笑いを浮かべる。
彼らは、もう後戻りのできない「死」への旅立ちを確信した瞬間でした。
こうして、映画史にのこる激しい銃撃戦のはて、政府軍の大多数を殺したパイクたち4人も撃たれて死んでしまいます。
政府軍には実際のメキシコ軍の兵隊300人がエキストラで雇われました。
衣裳は2,000着です。
ひとりで何回も殺される役をやるので、銃弾で穴の開いた衣裳を補修している時間がなかったからです。

たった7分のシーンに11日間もかけて撮影されました。
このシーンは「デス・バレエ」(死のバレエ)、「ボリスティック・バレティックス」(弾道バレエ)などと呼ばれ、後続の映画製作者たちに多大な影響を及ぼしたのです。
このシーンの撮影だけで、6台のマルチカメラを駆使しています。








惨劇の後、砦にたどりついた賞金稼ぎたち。
彼らはたびたびパイクたちに襲われてた鉄道会社のまわし者です。
リーダはもともとパイクの親友だったソーントン(ロバート・ライアン)。

賞金稼ぎたちはパイクたちの死体と、メキシコ政府軍の死体から戦利品を奪い取ることに躍起。
しかし、ソーントンはひとり静かにパイクの死体に歩み寄ります。

パイクの死体は写っていない。
ただ腕だけ。

ソーントンはバイクの形見の拳銃を抜き取って、砦の城門に座り込んでしまいます。
賞金稼ぎたちが戦利品を取るだけ取って引き上げようとするのに、ただソーントンだけは身じろぎもせず立ち去ろうとしない。
もう、ハゲタカが死体をむさぼり始めていました。


サム・ペキンパーはこの作品で、スローモーション撮影と当時のカラー映画最多の3,600カットを駆使しました。
予算は当初の倍にはねあがり、撮影日数も大幅に遅れ。

しかし、スローモーションによる強烈なバイオレンスはこの作品の2年前のアーサー・ペン監督映画「俺たちに明日はない」で先を越されていました。
ラストのボニーとクライドがテキサス・レンジャーたちの機関銃一斉掃射で飛び跳ねるように銃弾を受けるシーンをスローモーションで撮っていたのです。

サム・ペキンパーはワイルドバンチの撮影現場で「俺たちで"俺たちに明日はない"を葬り去ってやる!」と何百もの弾着を仕掛けながらそう云っていたそうです。
そして、その発想はみごとに的中しました。
ちなみに「俺たちに明日はない」を撮ったアーサー・ペンもサム・ペキンパーも黒澤明の信奉者です。
ふたりとも、「七人の侍」と「椿三十郎」を手本にそれぞれの映画を撮りました。

The Wild Bunch (9/10) Movie CLIP - Battle of Bloody Porch





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Last updated  Oct 15, 2019 05:05:46 AM
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Re:サム・ペキンパーの映画作法(10/15)   パパゴリラ! さん
最近は撃ち合いなどのバイオレンス映画はまったく見なくなってしまいました。
監督による、いろいろな思いや撮り方があるんでしょうけど、何がよくて、何が悪いのかさっぱり分かりません。

最近はほのぼのとした邦画の方が、良くなってしまいました。 (Oct 15, 2019 08:24:45 AM)

Re:サム・ペキンパーの映画作法(10/15)   fwkk8446 さん
「ワイルドバンチ」・・・・
          
 あの銃撃戦は今も印象に残ってます。 (*^^)v


(Oct 15, 2019 12:50:48 PM)

Re:サム・ペキンパーの映画作法(10/15)   ララキャット さん
そうなんですか
お詳しいですね
黒澤明の信奉者が海外にもね! (Oct 15, 2019 05:26:19 PM)

Re:サム・ペキンパーの映画作法(10/15)   空夢zone さん
この頃ディレクターズカットというのをよく見ますが、そうだったのですね。
子供の頃は、よく西部劇の銃の打ち合いをよく見ていましたね。
毎週、どこかで、銃の乱射の、劇があっていたような気がします。
今じゃ、考えられないですね。 (Oct 15, 2019 10:34:53 PM)

Re:サム・ペキンパーの映画作法(10/15)   marnon1104 さん
ウィリアム・ホールデンは懐かしいですね。
ご紹介の映画はごめんなさい、知らないのですが
「麗しのサブリナ」では、オードリーヘップバーンを
そして映画は観ていませんが香港を舞台にした「慕情」の
音楽は素晴らしいなと思っています。
(Oct 16, 2019 06:28:12 AM)


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