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テーマ:猫のいる生活(139290)
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ジャン・ギシャールと云う有名な灯台撮りの写真家がいます。
そう岬の先端なんかに設置されて、船の航行目標になる灯台です。 彼が1989年に撮影した「ラ・ジュマン(La Jument)」と云う写真は傑作作品として世界的に有名なんですな。 さっそく、その画像を見ていただきましょう。 撮影は暴風雨の中で行われました。 スゴイ波でしょう。 この波なのに、灯台の外に人が立ってるのが分かります。 この人は灯台守で、ギシャールが飛ばした撮影のためのヘリコプターを救助ヘリコプターと思って外に出てきた灯台守です。 この灯台はフランスはブルターニュ地方にあるラ・ジュマン灯台です。 この地方は大西洋に突出した半島が連なる地域で、北にイギリス海峡、南にはビスケー湾に面しています。 海岸線は秋から冬にかけて暴風雨に見舞われ、この海域の巨大な波と強い流れで、ヨーロッパで最も危険な海域の1つとされているのです。 この海域では1888年~1904年の間に31隻もの船が遭難してます。 灯台の建設が計画されたのは、1896年にグラスゴーで建造された蒸気船SSドラモンド号が難破し、約250人が死亡したのがきっかけです。 しかも建設資金は裕福なフランス人資産家による個人資金だったのです。 建設は1904年に始まりましたが、激しい嵐、巨大な波、強い潮流が頻繁に発生する厳しい海域のため工事が難航し、完成したのは1911年です。 アイルランドからの低気圧の前線が強風と高さ20~30m の巨大な波をもたらし、灯台めがけて衝突を繰り返したのです。 このときの波は灯台の下の窓を打ち破り、正面玄関を破損させ、塔を浸水させた上、家具を海中へと洗い流してしまったほどです。 冒頭写真。 ギシャールの乗ったヘリコプターがラ・ジュマン灯台に到着し、撮影のためにホバリングしてたときです。 灯台の中では、灯台守テオドール・マルゴーンがヘリコプターの音を聞き、救助だと勘違いして階下に行って外に出たとき... その瞬間、灯台背後に巨大な波が覆いかぶさり、これが世界的に有名なショットの瞬間になったのです。 マルゴーンは、巨大な波が灯台を飲み込もうとしていることに気づき、寸前のところで中に戻ってます。 その後、マルゴーンは別に飛来した救助ヘリコプターによって助け出されてます。 ラ・ジュマン灯台は1991年に自動化されました。 灯台守が必要なくなったのです。 この灯台は2017年に歴史的建造物に指定されてます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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