耳(ミミ)とチャッピの布団

2023/06/06(火)04:54

ルーズベルトホテル

映画「ウォールストリート」や「マルコムX」など多くの映画やドラマの舞台になってきた由緒正しいホテルがニューヨークにありました。 マンハッタンのランドマークとして100年の歴史を持つ「ルーズベルトホテル」です。 このホテルは禁酒法時代から第2次大戦までニューヨークの歴史を生き抜いてきた歴史そのものだった。 グランド・セントラル駅近くと云う好立地あるホテルの創業は1924年。 その名は、開業の3年前に亡くなった元アメリカ大統領セオドア・ルーズベルトにちなんだものです。 壮大なロビー、大理石の床、2階建てのロビー吹き抜け天井、豪華なシャンデリア、3階~18階には1,025室の客室と、まさにクラシックホテルの象徴でもありました。 そのルーズベルトホテルが幕を下ろしたのは2020年のことです。 コロナのパンデミック真っ最中。 ニューヨークの観光業界もどん底の時期でしたが、ルーズベルトホテルにはもっと不利な条件があったのです。 このホテルは、ニューヨーク・セントラル鉄道とニューヨーク・ニューヘブン・アンド・ハートフォード鉄道によって開発されましたが、直近のオーナーはパキスタン航空なんです。 パキスタン航空はコロナの影響で経営難に陥り、ホテルを閉鎖せざるを得なかったのですね。 ルーズベルトホテルがコロナの被害者だったのと同じように、セオドア・ルーズベルトは1912年に南米旅行に行き、旅先でマラリアに感染。 その数年後、60歳で死去してます。 そんなルーズベルトホテルが、また脚光を浴びるようになったのは今年5月。 エリック・アダムスN.Y.市長は、ルーズベルトホテルに移民住宅と処理センターを開設することにしたのです。 トランプがコロナ対策と称してメキシコ国境を閉鎖した「タイトル42」の有効期限切れにより、バイデン大統領がメキシコとの行き来自由化を宣言したことによる、亡命希望者の大量流入対処のためです。 「ニューヨーク市は現在6万5,000人以上の亡命希望者をケアしています。 この国家的危機に対処するため、この施設(ルーズベルトホテル)に加え、すでに140以上の緊急避難所と8つの大規模人道救援センターを開設している」とエリック・アダムス市長は述べてます。 難民問題と人道支援は両刃の剣の面もってますね。 移民はその国が受け入れてれば、審査を通過すれば事足りますが、難民は受け入れないで自国に強制送還すると刑を受けたり、迫害や悪くすると命のキケンも。 反面、難民は生活手段をもたないので、受け入れた場合、その人たちの生活支援もおこなわねばならない。 それが税金で賄われるので、国民の納得が取りづらいのと、生活支援に慣れてしまうと難民そのものが働く意欲を無くしてしまうことも。 つまり難民がゆくゆくはホームレス予備軍になっていくリスクもあるワケです。 この辺の先々まで見越した政策を遂行するのはなかなかムツカシイですが、かと云って、今ここに助けを求める人々を目の当たりにしたら放っておけないのも事実。 悩ましい問題です。 NYC turns hotels into shelters for asylum seekers

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