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テーマ:猫のいる生活(139872)
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日本近隣で飛行機の航路として使わない空域があります。
ひとつは日本海上空。 実際には韓国やアメリカに飛行するときは、日本海上空を飛んだ方が近道になるのに、ワザワザ迂回してる。 しかし、2015年以降はロシアの航空会社しか日本海上空を飛んでません。 それもウクライナ侵攻以降、ロシアから日本への直行便は無くなってるので皆無と云えます。 日本海ルートをとるのと、太平洋ルートをとるのでは、アラスカやカナダに飛行する場合、運行ルートの違いで航空会社1社で年間数億円以上の燃費が違ってきます。 日本海ルートをとる方がだんぜん燃費が安いのです。 それでも航空各社が日本海ルートを避ける理由が有ります。 理由は2つあって、ひとつは日本海上空の気象条件の悪さです。 特に冬は、シベリア高気圧と太平洋低気圧と云う日本海特有の天候要因で、上空の気温がとてつもなく低く、かつ強風が吹き荒れます。 これによって機体に氷が付着(アイシング)したりエンジン凍結の事故がおこりやすくなるのです。 特にキャブレターの着氷、吸気口の着氷、エンジンの着氷は即事故につながりかねません。 しかも日本海に面する都市は、例えば青森が世界一積雪量が多い都市、世界第二に積雪量多いのが札幌、第三位が富山と世界有数の積雪量を誇り、カナダのケベックなんかよりよっぽど飛行が困難なんです。 もうひとつはお馴染みの北朝鮮ミサイル問題です。 2015年以降から北朝鮮のミサイル開発が激化してきたのと、発射予告をしなくなったため、それからこっち各航空会社とも日本海飛行ルートとるのを止めたのです。 日本国内で云えばアメリカ軍横田基地の空域は民間機の飛行が禁止されてます。 横田基地の上空にある「横田空域」は、第2次大戦終了後のサイフランシスコ平和条約で、日本の航空機は米軍の許可を得ずに飛ぶことができないんです。 横田空域は、東京都福生市にある横田基地の上空を中心に、世田谷区や中野区、杉並区の上空まで広がる巨大な空域です。 北は新潟県から南は静岡県、西は伊豆半島に及び、飛行禁止高度は場所によって7,000m に達します。 民間航空機はこの空域を避けるため大幅な遠回りをするか、離陸後に急激に上昇して空域の上空を通過する必要があります。 もうひとつ国内で上空飛ぶことを避けてる地域があります。 みなさんは羽田から西日本に向かう航空便で、窓から富士山を眺められた方も多いでしょう。 遠くから眺めるのぢゃなく、もっと近寄って見たいと思うかもしれませんが、先ず航空機が富士山上空を飛行することはありません。 ナゼ富士山上空を飛ばないかと云うと、富士山の高さと孤立峰と云うことが原因してます。 孤立峰と云うのは富士山のように、連峰とは違い、ただ1つだけでできてる山のことです。 風が山を越えて吹くとき、山の斜面に沿って吹き上がった空気は山頂へ向かっていくにつれ冷たく重くなり、山頂を越えると今度は温まって膨張しながら吹き下ろしてきます。 麓まで降りた空気は充分に温まり、今度は上昇気流となっていき、上昇するに従い再び冷たく重くなることを繰り返し、波打つような流れを作るのです。 このように、山の風下側に発生する波打つような気流のことを「山岳波」と呼びます。 山岳波は周囲に乱気流を発生させることもあります。 山が高いほど、そして吹く風が強いほど山岳波は強くなるので、周囲に風をさえぎる山がなくて、日本一高い富士山は非常に強力な山岳波の発生源なんです。 それが航空機の運行に非常に危険なんですね。 なので民間航空機は富士山上空飛ぶことを避けるのです。 この富士山の山岳波によって発生した航空事故があります。 1966年に発生したサイフランシスコ発「英国海外航空911便」ボーイング707墜落事故です。 この事故で機長がとった行動が事故発生につながりました。 通常よりも数千メートルも低い高度で、しかも有視界飛行で富士山近傍を飛行しようとしたのです。 機長はアメリカ人団体観光客が多く搭乗していたため、サービスで日本の象徴 富士山を近くで見学してもらいたいと思ったのかも知れません。 しかし事故当日、中国大陸からの強い季節風のために予想を大幅に上回る強い山岳波が発生していたのです。 この強い乱気流によって、垂直安定板および右水平安定板が破損、次いで右主翼端やエンジンが脱落し、主翼全体から漏れ出した燃料が白煙のように尾を曳きながらきりもみ状態で墜落してしまったのです。 まさに空中分解です。 乗員乗客あわせて124名全員死亡、生存者0と云う大事故になりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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