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テーマ:猫のいる生活(144399)
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今年8月5日にイギリスの科学技術誌「Electronics Letters」に掲載されて世界的な話題なった実験があります。
「レーザー送電」と云う技術で、これは中国が長らく研究してきたものですが、全く成果が出ていない領域です。 レーザーは波長と位相が揃った光(レーザー光)を発生させる装置のことで、ビームの広がりが小さく長距離を伝送させやすいことや装置を小型化しやすいことが挙げられます。 そのレーザー光を使って、電線を使わず電力を伝送しようと云うのがレーザー送電技術です。 ![]() ![]() 具体的には約1KW のレーザ光を照射し、1km 先で152Wの電力を得たと云うものです。 大気の揺らぎが強い環境下でシリコン製の光電変換素子を使った無線給電としては世界最高の効率と述べてます。 ![]() 雨や霧、温度差などによる大気の揺らぎによる減衰、散乱、ビームの拡散はエネルギー伝送の最大の敵なんです。 光の進行方向がわずかにブレるだけで、受光面の照射が不均一になり、大幅な変換効率低下をきたすのです。 さらに距離が伸びれば伸びるほどレーザービームのエネルギー密度が下がり、安定した給電が難しくなります。 つまり理論上は可能でも、現実には実現不可能に近い技術なんですね。 ![]() それも変換効率が悪いので、送れる電力は限られてるでしょうに。 例えば災害が起こって電気の供給が途絶えたとき、被災地は通信インフラさえ利用できなくなりますね。 こんなときレーザー送電があれば問題解決だし、災害でなくてもケーブルの敷設が困難な離島なんかの送電にも使えます。 またバッテリー交換や充電を頻繁に行わなければならないドローンなどでは、レーザー送電によって長時間の連続運用が可能になります。 さらにJAXA(宇宙航空研究開発機構)では、宇宙空間で太陽光エネルギーをレーザー光に変換して地球へ伝送し、地上でそのレーザー光を電力に変換する宇宙太陽光発電システム(SSPS)を計画していますが、これが究極のレーザー送電の目的なんですね。 ![]() 回折光学素子を使ってビームの強度を均一化し、受光側では液体などの粒子を細かく均一に分散・乳化させるためのホモジナイザで大気の揺らぎをならし、さらに回路で電流の変動を抑制したのです。 この実験は和歌山の白浜にある南紀白浜空港の旧滑走路で行われました。 送光ブースを滑走路の端に設置し、1km 先に受光ブースを置いて、光軸を地面からおよそ1m の高さに設定し、ワザと地面の熱や風の影響を強く受ける条件で実験を行ないました。 この実験では30分間の連続給電に成功し、長時間にわたって安定した電力供給が可能であることを確認したのです。 ![]() 「シンギュラリティ(Singularity)」という言葉をご存じですか? 科学技術はある特異点を境に突然ピョンと跳ね上がるポイントがあるのです。 AI(人工知能)がその最たるものです。 私たちはそうした事例を真空管からIC、アナログからデジタルと云うように、ある地点から急加速を始め、まもなく異次元の爆発的な進歩の段階に突入するのを何度も目の当たりにしてきました。 ![]() NTTと三菱重工は、今後、出力を数キロワットに高め、送電距離も数キロメートルから数十キロメートルに伸ばす計画です。 ![]() ![]() こうした技術が将来的には、宇宙データセンタや月面ローバへの電力供給、静止衛星から地上へレーザで電力を送る「宇宙太陽光発電」への応用などタイヘンな市場が生まれる可能性が高いのですね。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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