2007/11/07(水)07:37
Love 「Alone Again Or」
"Love"という、そのものズバリな名前を持ったこのバンドは、鬼才アーサー・リーを中心として60年代半ばに、アメリカはロサンゼルスで結成された、白人黒人の混合バンドだった。
バンドの3rdアルバムである「Forever Changes」(写真)がリリースされたのは、サイケの花が咲き誇る1967年。
商業的な成功には至らなかったものの、サイケ、ガレージ、フォークなどの要素をゴッタ煮にしたサウンドにポップなメロディを乗せたその内容は、評論家筋から高い評価を受け、米ローリング・ストーン誌による「オールタイム・ベストアルバム」でも上位に選ばれている。
アルバムの冒頭を飾る「Alone Again Or」は、サイド・ギターにしてサブ・リーダーであるブライアン・マクリーンの作。
ソフトで親しみやすい感触を持ったフォーク・ロックだ。
なめらかにフェイド・インしてくる、アルペジオによるギターの音色が美しい。
流麗なメロディ、耳障りのいいボーカル、ストリングスや管楽器を大胆に使ったアレンジは、サイケとビートルズとバート・バカラックの美味しいトコ取りのようでもある。
それはアズテック・カメラやペイル・ファウンテンズといったネオアコ系アーティストにも大きな影響を与えた。
間奏におけるスパニッシュ風のギターやトランペットもツボ。
曲全体を包む雰囲気もデリケートかつお洒落。
発表から40年経った今でも瑞々しさを失わないこの曲は、「世紀の名曲!」…ってほどでもないかもしれないけど、聴くたびに心が洗われる気分になるのは確かだ。
この曲は後にダムド(!)がカバー。
ロバート・プラント(ex:Led Zeppelin)も、ラヴのファンである事を公言している。
「Forever Changes」は21世紀に入ってから、大量のボーナス・トラック入りでリイシューされた。
ポップスとしての美しさとほのかな狂気を兼ね備えたこのアルバムは、良質なポップ/ロックを求める人なら一度は聴いておいてもいいかもしれない。
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