|
テーマ:洋楽(3283)
カテゴリ:ビートルズ
演奏時間はわずか1分45秒。 インド滞在中に書かれた曲らしく、'64年の「I'll Follow The Sun」を発展させたような作風となっている。 ホワイト・アルバムは"小粒な名曲"の宝庫であり、ポールの作品で有名なものといったら「Blackbird」になるのだろうが、本作も決してヒケをとらないチャーミングな一曲だ。 ジョンとリンゴが録音に参加しているものの(ジョージは不参加)、プロデュース的な部分も含めてほとんどはポールひとりで仕上げており、そうした意味では彼のソロに近い。 のちの愛妻リンダに捧げた最初のラヴ・ソング、という内容がよけいそんな印象を強くしている。 非常にシンプルな演奏ながら完成までに67テイクを経ているという、なかなかの労作でもある。 あざとさのない美メロ、マイルドで淡々とした歌唱がとても味わい深い。 アコースティック・ギターの演奏もポール本人によるもの。 やわらかな響きを持ったコード・カッティング、オブリガートのフレーズひとつとっても彼の素晴らしいセンスが堪能できる。 ポール、ギターうまいです(ビートルズの中でのハナシね笑)。 ちなみに、The Carsのヒット曲「My Best Friend Girl」('78年)には、「I Will」のギター・フレーズによく似たリフが出てくるのが面白い(偶然だろうけど)。 そして、なんといっても最高なのはそのベース音だ。 これは彼の"口"から発せられている音(つまりマウス・ベース)で、洒落っ気と人間最古の楽器である「声」の魅力を感じさせてくれるアイデアである。 かといって、それが特別な効果をあげているとも思えない(笑)のだが、まあこういう発想がポールらしいというコトで ジョンによる軽めのパーカッションも個人的にはツボ。ポンポコした音色がお気楽さを強調していてナゴみますね。 後半から出てくるハーモニーは、ポールの多重録音ヴォーカルによるもの。 エンディングでの、ちょっぴりもの悲しいスキャットにホロリ。 「もうワン・フレーズ聴きたい」と思わせる所であっさり終わるという作りもウマいなぁ。 「Yesterday」や「Hey Jude」などは確かに名曲だが、むしろこういう"ひと筆書き"風な作品にこそ彼の天才性が表れていると思う。 何度聴いても飽きない味わいを持ったこの曲は、まさにポールの裏名曲と呼ぶにふさわしい。 近年のライヴでも歌ってくれているのは嬉しいかぎりだ。 なおホワイト・アルバムには、ジョンのアコースティックな名曲『Julia』も入っているのだが、ディスク一枚目の最後にその二曲が肩を寄せ合うように並べられているという構成がなんとも泣かせてくれる。 また、『Beatles Anthology』のTVドキュメンタリーでは、ポール、ジョージ、リンゴの三人が一緒にインタビューを受けるパートがあり、その中でジョージが「I Will」をウクレレで演奏し、ポールと一緒に歌うという忘れがたい場面もあった。 「I Will」を聴くにはここをクリック! Who knows how long I've loved you... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ビートルズ] カテゴリの最新記事
これも実にポール節の名曲ですね。もうホントに大好き。
たまたま中学校の時に後輩の女子から借りた雑誌『りぼん』の陸奥A子のマンガを読みながら聴いてしまったので、今でもこの曲を聴くとあの絵柄が思い出されるパブロフの犬ですワン!(笑) (2008.07.14 06:10:42)
たしかにそんな感じですね。ポールお得意の美メロはツボです^^
一筆書きといえば、ト音記号だなあ。。。 朝食のトーストが焼ける前に、曲が終わってしまうわけですね(笑) つぶやきジョンの「Julia」まで聴くと、こんがりするかな? 「I will」って、教会の結婚式で、牧師さんに続いて「誓います」っていう時の英語版じゃなかったっけ?リンダとヨーコへのラブソングがメドレーのように並んで可愛いですね。ビーオタの友人が、この曲と「Martha my dear」を仲間の結婚式で演奏したそうです。 「ところでホワイトアルバム、見えていますね」と、 「『りぼん』の陸奥A子さんのマンガ、私も読んでました」に1票! (2008.07.14 12:57:08)
jboyひろさんどうもです。
>「I Will」もポイント高いです。初期の頃を彷彿させますよね。 ----シンプルな演奏に美メロ。 ポイント高い小品ですね。 >ところでホワイトアルバム、見えていますね。 -----微妙な見えぐあいがエロくてイイでしょ(笑 ではでは。 (2008.07.15 01:30:16)
PeTeRさんどうもです。
> これも実にポール節の名曲ですね。もうホントに大好き。 ---ポール節の小粒具合がタマりませんよね。 > たまたま中学校の時に後輩の女子から借りた雑誌『りぼん』の陸奥A子のマンガを読みながら聴いてしまったので、今でもこの曲を聴くとあの絵柄が思い出されるパブロフの犬ですワン!(笑) -----むむ…陸奥A子…… そうキましたか(爆 昔、いとこのオネーチャンに漫画を見せてもらった事があるような。。。 たそがれ時に思い出してみます(笑 ではでは。 (2008.07.15 01:34:59)
lavender80さんどうもです。
>たしかにそんな感じですね。ポールお得意の美メロはツボです^^ ---さりげなくて美しいポール節がイイですね。 >一筆書きといえば、ト音記号だなあ。。。 ----ポールにしてみれば、ト音記号レベルの曲ですかね^^ >朝食のトーストが焼ける前に、曲が終わってしまうわけですね(笑) -----カップラーメンすらも出来上がらない時間ですね(笑 >つぶやきジョンの「Julia」まで聴くと、こんがりするかな? ----カップラーメンだと、微妙に麺がフニャる(笑 >「I will」って、教会の結婚式で、牧師さんに続いて「誓います」っていう時の英語版じゃなかったっけ? ----そういえば、そんなコトを聞いたような。。。 >リンダとヨーコへのラブソングがメドレーのように並んで可愛いですね。 ----そこが泣けるのです。。。 >ビーオタの友人が、この曲と「Martha my dear」を仲間の結婚式で演奏したそうです。 ----微妙にシブい、いい趣味の選曲ですね^^ >「『りぼん』の陸奥A子さんのマンガ、私も読んでました」に1票! -----陸奥A子が出てくるとは思いませんでした(笑 イエローサブマリンで宝物を探したいです。 ではでは。 (2008.07.15 01:49:33)
私もこの曲大好きです。
Paulの曲で5指に入るくらい。 ところで。 Georgeは実はこの曲やりたかったのではないでしょうか。 この曲のように作り込んだソロ(というかオブリガード)って、 実はGeorgeの得意技な気がします。 ちなみに、この曲を聴くと同じPaulの歌うTill There Was Youをいつも思い出してしまうのですが、こちらの曲のGeorgeのギターソロはその後の本人のソロを含めても白眉と思います。 (御存知と思いますが、この曲についてよく言われる「オリジナルを忠実にコピー」というのは大嘘ですよね。聴き比べれは明らかですが、全然違うアレンジです。ではこのギターソロをアレンジしたのは誰? デビュー前からやっている曲ですし、George本人?) 何か違う曲のコメントになってしまってすみません。 (2019.11.14 07:58:14) |