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ポムブログ~ポム・スフレの名曲大百科

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プログレッシヴ・ロック

2008.09.17
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テーマ:洋楽(2568)
ピンク・フロイドのキーボーディストである"Rick"ことリチャード・ライトが亡くなりましたね(2008年9月15日)。
享年65歳。癌だったそうです。
2005年の"Live 8"で見たフロイド再結成ステージが、自分が見たRickの最後のお姿でした犬

'43年生まれのリチャード・ライトは、フロイド初期からのメンバーであり'80年の傑作『The Wall』まで参加していた。
その後、ロジャー・ウォーターズとの確執によりバンドを離れるが、デイヴ・ギルモアが中心となった'87年のアルバム『鬱(うつ)~A Momentary Lapse of Reason』(過去ログ参照)にはサポート・メンバーとして参加。'94年の『対~The Division Bell』には正式メンバーとしてクレジットされていた。
Live8でのフロイド再結成ステージの後は、デイヴのソロ作やツアーに参加したり、自身のアルバム制作も伝えられていたようだ。

ロジャー・ウォーターズやデイヴ・ギルモアに比べると地味な存在ではあったが、プレイヤーとしてもソングライターとしてもリチャードはピンク・フロイドに欠かせない音楽家だった。
フロイドの最高傑作(と自分は思っている)「Echoes」のサウンドは、彼なしでは成り立たなかったと思う。
デイヴ・ギルモアは、今回の追悼コメントの中で「彼のクワイエット・タッチなしには『Wish You Were Here』は成り立たなかった」と発言している。
また、'83年のアルバム『Final Cut』がひときわロジャーのソロ色の強い作品になっていたのは、リチャード不参加も原因のひとつだった、と言ったらどうだろうか。

ソングライターとしてのリチャードは、ポップでドラマティックな作風を得意としていたように思う。
彼が単独で書き、ヴォーカルも担当した「Summer '68」(※)はそのことがよく分かる佳曲だった。

そして、そんな彼の資質が最大限に発揮された名曲が「Us And Them」だろう。
説明不要の名盤『狂気(The Dark Side Of The Moon)』('73年)のハイライト・ナンバーにして、僕がピンク・フロイドでもっとも好きな曲のひとつである。
もともとはリチャードが'69年に作った曲で、ミケンランジェロ・アントニオーニ監督の映画『砂丘』のサウンド・トラック(フロイドが数曲を提供)用の作品として提出されたが、その時は不採用となった。
それを後にロジャー・ウォーターズが歌詞を書き直して、先述のアルバムに収録されたのが「Us And Them」だった。
なお、同盤に収録の名曲「The Great Gig In The Sky」もリチャードの作曲である。

『狂気(The Dark Side Of The Moon)』は、全曲がつながった形式のコンセプト・アルバムだ。
そんな中で、「Us And Them」はリチャードのオルガンがフェィド・インしてくる所から始まる。
7分51秒にもおよぶ大作となっており、"静と動"を見事に使い分けたドラマティック&キャッチーな仕上がりは圧巻。
ゆるやかなAメロからサビへと一気に昇りつめる瞬間は、肌が粟立つほどのインパクトだ。
その一方で、リチャードによるふわふわしたオルガンと上品なピアノの音色、ジャズ的なコード進行は耳に心地よく響いてくる。
ムーディーなサックス・ソロも何ともいえない印象を残す、フロイド印の絶品だ。
デイヴ・ギルモアの歌声が「Without...」と残響するのが、今となっては泣けるなぁ。。。涙ぽろり


ピンク・フロイドはもう一回くらい取り上げようと前から思っていたが、こういう形で実現することになってしまったのは悲しいわからん
きっと今頃は多くの人がフロイドの曲を聴いているのだろう。
「Us And Them」や「Wish You Were Here」もラジオで流れているに違いない。
僕は、隠れた名盤と言われるリチャードのソロ『Wet Dream』を聴いてみようと思う(この機会に再発されるだろう)。

40年間にわたるミュージシャン生活、お疲れさまでした。
世界一巨大なプログレ・バンドを縁の下で支えたRickに敬意と追悼をこめて。

「Us And Them」を聴くにはここをクリック!

R.I.P. Rick...星


※ '70年のアルバム『原子心母(Atom Heart Mother)』に収録。






Last updated  2008.09.18 06:59:14
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2008.08.09
『Trilogy』が好きな人、いませんか?
エマーソン、レイク&パーマー(EL&P)四枚目の作品ですがな犬
'72年に"来日記念盤"として発売された、長島茂雄も所有している(はず)という、あのアルバムですよ(※)。

EL&Pの代表作として名高い『Tarkus』、『Pictures At An Exhibition(展覧会の絵)』、『Brain Salad Surgery(恐怖の頭脳改革)』などの間にはさまれたこのアルバムは、比較的「地味」な印象を持たれることが多い。
確かに、彼らの"静"の部分が出た作品であり、スパニッシュ・ボサっぽい「From The Beginning」などは彼らのイメージからすると異色に聞こえる。
だが、個々の楽曲は充分なクオリティを持っているし、気品と円熟味をたたえた演奏は、先述の他のアルバムにはない魅力だ。
実のところ、今の自分がいちばん好きなEL&P作品がこの『Trilogy』なのである。
ヒプノシスのデザインによるジャケットが、某国のモーホー雑誌に無断転用されたというエピソードも大好きだ(笑


「Hoedown」は、このアルバムに収録されたEL&Pの名演のひとつ。
アーロン・コープランドの「Rodeo」を下敷きとした、彼らお得意の「クラシック名曲をプログレで聴こう」な一曲だ。
演奏時間は3分45秒とプログレにしては短く、そんな所もあいまって聴きやすい作品に仕上がっている。
ライヴ向きのホットな演奏で、'74年の二枚組ライヴ・アルバム『Ladies And Gentlemen』の冒頭をかざっているのもこの曲だった。

イントロからしてケレン味たっぷり。
ムーグ・シンセサイザーの音がサイレンのごとく唸りをあげる。
つづいて飛び出すは、ハモンド・オルガンのファンファーレ。
ディス・イズ・キース・エマーソン節
ELP的ハッタリはここでも健在です旗

リズム隊の登場と共に、ほどよく歪んだ音色のオルガンがコミカルに暴れだす
キースの流麗な指さばき、アッパーで人懐っこい響きには、いやおうなしに心がはずむ。
豪快な弾きっぷりなのにリズム感も正確じゃな~い♪

3ピースによるストレートなビート。曲が短いぶん、密度は濃い
カール・パーマーのドラムはいつもに比べておとなしめだが、それでも躍動感は充分。
グレッグ・レイクのベースも、ユニゾンをしつつハードに唸っている。
終盤にはどこかで聴いたフレーズも出てきて思わずニッコリスマイル
楽しい。そしてカッコいい。その印象はジェットコースターと言うべきか。
プログレ的ダイナミズムとパンク的なスピード感を持ちあわせたこの曲は、彼らの魅力を4分足らずに凝縮した傑作だと思う。
プログレ・ファンならずとも楽しめる痛快な一曲と断言したい。


EL&Pは、英国プログレ・バンドの中では、ある意味、特殊な位置にあると思う。
彼らの特徴を一言であらわすなら、それは"分かりやすさ"だろう。
プログレというと、小難しさとか知性だとか哲学っぽさなどがイメージとしてあるが、この三人組にはそうしたものがほとんどない
単純でゴリ押し気味な演奏はアメリカン・ハード・ロックにも通じるものであり、クリムゾンやフロイド、ジェネシスなどのバンドとは対極といえる。
それはスポーツ感覚で楽しめる音楽であり、よい意味で「お子様向け」だ。
オルガンに日本刀を突き立てるという見世物っぽさ全開のパフォーマンスも、エマーソンの芸人根性からくるものだろう。

プログレッシヴでエンターテイメントなロック
トリッキーでいて、とてもポップなEL&Pの音楽は、僕の感性にダイレクトに訴えかけてくる。
何気に幅広い曲調、無駄にテンションが高いところなんかも大好きさ♪(´ー`)

プログレが好きじゃない人でも聴けるプログレ、それがEL&Pです。
つーコトで「Hoedown」を聴くにはここをクリック。
映像はラピュタだぜ!


※ 来日した際にメンバーは、長嶋茂雄宅を訪問して、このアルバムをプレゼントしたという。






Last updated  2008.08.09 05:05:51
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2008.08.08
イ・プー(I Pooh)は、イタリアを代表するポップ・ロック・バンドである。
日本ではプログレの範疇で語られることが多い(自分もそっち経由で知った)が、ドラマティックでメロディアスな作風は"ラヴ・ロック"と呼ばれることも多い。
バンド名が「くまのプーさんくま」からとられている、というのもカワイイ(笑
本国ではいまだ絶大な人気があるらしく、その地位はまさしく"国民的歌手"といったポジションだとか。

結成は'66年と古く、その分だけアルバムの数も多い。
彼らの基本は幅広い音楽性を持つポップ・バンドであり、名盤も多く残しているが、プログレ・ファンにとって注目すべきは'72年~'75年の作品あたりか。

特に'73年の『Parsifal』(上ジャケット)はイ・プーの入門編として知られるアルバムであり、前作の『Alessandra』('72年)と並んで歴史的名盤と言える一枚だ。
全9曲すべてが素晴らしいが、あえて個人的なベストを挙げるなら、アルバムのラストにおかれたタイトル曲か。
ワーグナーの同名歌劇をモチーフとした、10分にもおよぶ大作であり、Part1、Part2からなる組曲風作品となっている。
メロディアス、センチメンタル、そしてドラマティックの三拍子がそろった、"ラヴ・ロック一大抒情詩"というべき仕上がりだ。

曲はピアノの弾き語りではじまる。緊張感あるピアノにのせて、ヴォーカルが情感をこめて歌いあげる。
そして演奏が進むにしたがい、エレクトリック・ギターやオーケストレーションを介して、曲はシンフォニックにのぼりつめていく。
その盛り上がりは圧倒的で、まるで映画のクライマックス・シーンを見せられているような気分にもなる。
特に、哀しげな旋律がどこまでも広がる後半オーケストラ・パートはカタルシス爆発の展開。何度聴いても肌に粟が立つ思いだ。
このへんは甘すぎるキライもあり、正直好みも分かれるだろうが、キング・クリムゾンの『Epitaph』あたりが好きな人の琴線には触れるんじゃないかと。
まあ浪花節的というか、日本人好みというコトですな猫

アルバム『Parsifal』には、ほかにも「Infiniti Noi」、「L'anno il posto l'ora」、「Lei e lei」などの名曲がてんこ盛り。
にも関わらず、現在のところは廃盤状態なのが残念無念。
中古屋で見つけたら、要即購入である。


プログレといっても小難しい印象はほとんどなく、欧州らしい美しさと整合感を持ったイ・プーの音楽は、ジャンル無用の魅力があると思う。
『Parsifal』以降、現在まで不動のメンバーで活動する彼らは今年(2008年)に入って『Beat ReGeneration』なるカバー・アルバムを発表。
イタリアン・ロックの至宝と呼ぶにふさわしい彼らには、いつまでも頑張ってほしいものだ。
などと言う僕もまだまだイ・プー初心者ですスマイル

つーコトで「Parsifal」を聴くにはここをクリック。
雄大かつロマンティックな、イ・プー・ワールドに泣け!






Last updated  2008.10.01 05:34:10
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2008.08.07
ジェントル・ジャイントは、'69年のイギリスで結成されたプログレ・バンドである。
それまでR&Bバンドをやっていたというフィル、デレク、レイのシャルマン三兄弟を中心に"新しい音楽"を求めて結成されたのだとか。
彼らは'70年に、名門レーベルであるVertigoからデビュー。
商業的成功には縁がなかったものの、技巧派ながら複雑な楽曲を分かりやすいタッチで聴かせる音楽性と演奏力は高い評価を受けた。
英国プログレ・バンドの中でも技巧派の筆頭として挙げる人も多く、現在でもマニアの間では根強い人気を誇る。
また、アルバム・ジャケットがいちいち強烈なのも特徴で、特にグリム童話に出てきそうなオッサンでおなじみの1st(下写真)などは、ファンならずとも見たことはあるかもしれない。
Gentle Giant2

そして、グロテスクなタコがこれまた強いインパクトを持つ4thアルバム、その名もずばり『Octopus』は、彼らの代表作として知られる一枚。
個人的にも3rdの『Three Freinds』、7thの『Free Hand』と並んで大好きなアルバムだ。
ちなみにジャケット・デザインは、YESなどで知られるロジャー・ディーンである。

おさめられているのは全部で8曲。時間にして35分だ。
プログレとはいっても、ひとつひとつの曲がポップにコンパクトにまとめられているので非常に聴きやすい。
それでいてエキセントリックさや技巧派としての側面もしっかり表れている所がミソである。

めくるめく展開が面白いハード・ジャズ・ロック「The Advent Of Panurge」、超絶テクと変拍子炸裂のインスト・ナンバー「The Boys In The Band」、思わず「XTCじゃねえかよ!」と言いたくなるねじれポップ・チューン「Raconteur, Troubadour」、四声アカペラ・コーラスが楽しい「Knots」など、どの曲も魅力的。

その中でも、個人的ないちばんのお気に入りは、7曲目にあたる「Think Of Me With Kindness」だ。
演奏時間にしてわずか3分30秒というこの曲は、彼らの叙情的な一面があらわれた佳作である。
作、ヴォーカルはキーボード担当のケリー・ミネアだ。

クラシカルで穏やかなピアノ、ケリーのジェントルな歌声に心惹かれる。
リズム隊が加わる所などは、ポップでジャジーな気持ちよさがある。
リリカルな響きをたたえたオルガン、牧歌的なトランペットの音色も素晴らしい。このへんは中期ビートルズなんかにも通じるなぁ。
曲調がころころ変わる構成ながら、それを自然にさらりと聴かせてしまう所にもグループの力量が示されている。
「あれ? ここで終わり?ほえー」と思わされるエンディングも、後ろ髪が引かれる思いがしてヒジョーによろしい(笑
この密度の濃さとあっさり感のバランスが、曲の生命力にもなっている。
プログレ・ファンはもちろん、ポップス・ファンにもオススメできる素敵な一曲ですスマイル


この後も彼らは『The Power And The Glory』、『Free Hand』などの傑作を発表。
さらにその後は、(多くのプログレ・バンドがそうだったように)時代を生き抜くためのポップな音作りを指向していくが、迫り来る若手勢力には対抗できず、バンドは'80年に解散してしまった。
現役当時、本国イギリスではほとんど人気がなかったというジェントル・ジャイアント。
だが、残された作品はどれも質が高いし、今も風化していないと思う。
一時期出回った、再発CDも中古なら手に入りやすいと思われるので、興味をもたれた方は御一聴あれ。


つーコトで「Think Of Me With Kindness」を聴くにはここをクリック!
ポップで心あたたまる一曲やねぇ(´ー`)






Last updated  2008.08.08 04:41:40
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2008.08.06
ルネッサンスとは、元ヤードバーズのキース・レルフ(Vo)とジム・マッカーティー(Dr)が'69年に結成したバンドである。
ジャンル的にはプログレに分類されることが多く、クリムゾンやフロイド、イエスなどにくらべると知名度は落ちるものの、その手はファンからは評価が高い。
もっとも、キースとジムが関わっていたのは最初の二枚のアルバムだけ。
その後は、女性ヴォーカリストであるアニー・ハズラムをはじめとした全く新しいメンバーによってバンドは引き継がれていく。名前だけを継承した再出発だ。
いわゆるルネッサンスとは、アニー・ハズラムとジョン・タウト(Key,Vo)を中心としたこの時期をさすことが多い。
本来の創立者であるキースが自分の弾くギターで感電死してしまう('76年)のとは裏腹に、彼らはシンフォニック・ロックの傑作を次々と発表していった。


新生ルネッサンスによる'73年の作品『Ashes Are Burning(燃ゆる灰)』(上写真)は、彼らの最高傑作にして、歴史的名盤といわれることの多い一枚。
中でも11分を超えるタイトル・ナンバーは姿勢を正して聴きたくなる一曲だ。

荒涼とした風景を思わせるSEの中、澄んだ音色のピアノと、アニーの清楚なハイトーン・ヴォイスが聴こえてくる。この出だしだけでも名曲の貫禄を充分にただよわせている。
ポップに広がっていくサビ部分はトラッド的な美しさに満ちたもの。美メロ愛好家の自分としてはツボを突かれまくりで、聴くほどにため息がもれる思いだ。
グループの影の立役者といえるマイケル・ダンフォード(←なぜかゲスト扱い)が弾くアコ-スティック・ギターも見逃せない。その音色は静かに、力強く楽曲をささえている。

中盤以降、曲はアニーのスキャットに導かれて、ハードにドラマティックに盛り上がる。ピアノとチェンバロのせめぎ合い。リズム・セクションもヘヴィだ。
が、あくまで気品と叙情性は失わない。そこが"シンフォニック"と言われるこのグループの個性か。
そして終盤で聴けるギター・ソロは、ウィッシュボーン・アッシュのアンディ・パウエルによるもの。
緊張感と透明感をあわせ持った素晴らしい演奏である。

文句なし。
プログレ、フォーク、クラシックなどの要素を彼ら流に格調高く昇華した仕上がりは見事。
グループ名通りの中世的雰囲気も漂わせたこの曲は、英国プログレの遺産と言っていいかもしれない。

アルバムはどれをとっても聴きもの揃い(※)だが、このタイトル曲のためだけでも購入の価値あり。
つーコトでまずは「Ashes Are Burning」を聴くのだ。
曲が長いため二つのパートに分かれています。
Part1はこちら
Part2はこちら


粒子の粗いジャケット写真も神秘的なものを感じるなぁ(´ー`)


※ ポム・スフレのメインHPでは、名盤『Ashes Are Burning』について取り上げています。






Last updated  2008.08.06 05:32:13
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2007.12.05
プログレ・ネタが続くなあ。

先日はVan Der Graafの『Vital』を久しぶりに聴いた。
ピーター・ハミル率いるVan Der Graaf Generator(以下VDGG)が、バンド名を縮めて発表した2枚組ライヴ・アルバムである。

しょええ。やっぱりスゴい。

重厚でゴリゴリしたバンド・サウンド。
ヴァイオリンが不穏にゆらめく。
そして、襲いかかってくるようなピーター・ハミルのヴォーカル。
なんという爆発力!
いつ聴いても、平手打ちをされるようなインパクトじゃ。

あひー、しんぼうタマらん。
思わず他のアルバムにも手が伸びる。
↓というコトで本題。

『H To He Who Am The Only One』(上写真)は、'70年に発表されたVDGG三枚目のオリジナル・アルバムである。
「Killer」はその冒頭を飾るナンバーで、ヘヴィ&アグレッシヴな演奏が圧倒的な傑作。VDGGの代表作に数えられる一曲だ。

ドロドロした、それでいて耳に残るリフ。
鼓膜を逆撫でするようなハミルの歌声。
そしてスリリングな曲展開。オルガンの音色が不安を煽る。デヴィッド・ジャクソンのサックスが悲鳴をあげる。
怒涛のようなリズム隊、何気に力強いピアノやアコースティック・ギターも見逃せない。

ハミル節全開。荒々しさと繊細さが同居した、まさしくVDGGの世界である。

こえーショック でもカッコいいーあっかんべー
同年にデビューしたブラック・サバスにも迫るインパクト。
プログレ・ファンはもちろん、ハード・ロックファンにもオススメな傑作です。

つーコトで「Killer」を聴くにはここをクリック!

なお、VDGGは'05年にまさかの再結成
同年には27年振りのオリジナル・アルバム、その名も『Present』を発表。
さらに今年にはライヴ・アルバム『Real Time』を発表。
往年と変わる事のない、あのままのサウンドを聴かせ、我々を驚かせてくれた。

もっと驚くべきは、ピーター・ハミル(←来年還暦)のヴァイタリティが全くもって衰えてない事。
恐るべしハミル御大。一体、何食ったらそんな元気が出るんだ?びっくり


※ポム・スフレのメインHPでは、Van Der Graafのライヴ・アルバム『Vital』について(←ページの下の方)取り上げています。






Last updated  2008.04.26 17:47:32
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2007.12.04
象の次はラクダでいくか。

キャメルというと、白鳥のジャケットとロマンティックな演奏が美しい『The Snow Goose』が有名だが、ラクダさんが天を仰いでいる(上写真)アルバム『Breathless』('78年)も見逃せない名盤だったりする。

この前年には、カンタベリーの重要人物、リチャード・シンクレアが。
そしてこのアルバムからは、メル・コリンズが正式加入(前作でもゲスト参加はしていた)。

役者が揃った状況で制作された本作は、フュージョン色をさらに強めた、ダイナミックで美しい演奏が素晴らしい一枚となった。
全体的に聴きやすく、どれをとってもプログレ云々を越えた名演なのだが、やはり白眉なのはドラマティックで幻想的な演奏が圧巻な「Echoes」や、アンディ・ラティマーの美しいギターが存分に堪能できる「Summer Lightning」といった所か。

その一方で、普通にポップスとして楽しめる曲が収められているのも本作の魅力。
そこで今回取り上げたいのが「Down On The Farm」だ。
作詞作曲は、リチャード・シンクレアである。

4分15秒という、コンパクトにまとめられたこの曲。
「農園にて」なんてタイトルを持つ割りには、パワーポップよろしくなギター・リフのイントロで、おおっびっくりと引き込まれる。

かと思うと、続いて始まるのは、歯切れのいいリズム・ギターとふくよかなフルートの響きが印象的な、スリリングでいて、のどかな演奏ひよこ
その上に紳士然としたシンクレアの低音ヴォーカルが乗っかる(何気に早口なのが楽しい)。
優雅でメロディアスに流れていく、この感触がステキ。
バックではニワトリも鳴いてるし。ん~、確かに農園だぶた

曲は中盤に入ると、もういちどソリッドなギター・リフが唐突に飛び出し、そしてまた何事もなかったかのように元の演奏に戻る。
ユーモラスでいいねえ、この構成。そのくせ楽曲も演奏もしっかりしてるし。
英国の片田舎でのんびり陽の光晴れでも浴びながら聴きたい、チャーミングなポップ・ナンバーさウィンク 普段プログレを聴かない人にもオススメよ。

つーコトでここをクリック!
のどかな田園風景を眺めながらお楽しみください。

<結論>
アルバム「Breathless」は、この曲や前述の「Echoes」をはじめとして、駄曲なしの名盤じゃ!






Last updated  2007.12.04 15:11:38
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2007.12.03
直感でクリムゾンを聴く事にした。
どんな直感だ、と聞かれるかもしれないが、それは内緒だ

アルバムは「Discipline」('81年、上写真)。CDをデッキに入れプレイ・ボタンを押す。

Talk , It's Only Talk♪
エイドリアン・ブリューが、ギターで象のトークをやっている。
エフェクターを駆使した、パオーンな響きがあまりにも有名な曲だ。

1981年、2枚のソロ・アルバムといくつかのセッション活動を経たロバート・フリップは、「Drive To 1981」なるテーゼを掲げて、新しいバンドを結成する。
メンバーはフリップの他に、クリムゾンの『太陽と戦慄』にも参加していたビル・ブラッドフォード(Dr)、フリップのソロ・アルバムに参加していたセッション・ベーシスト、トニー・レビン。
そして、フランク・ザッパ・バンド出身の個性派ギタリスト、エイドリアン・ブリューである。クリムゾン参加以前にもデヴィッド・ボウイやトーキング・ヘッズのサポート・メンバーとして来日経験もある人物だ。
新しい個性を得たフリップは、この四人でリハーサルを開始。バンド名は"Discipline(訓練)"と決まり、ツアーも始まった。
だが、ツアーの途中で突然、フリップが「これはクリムゾンだ」とか言い出したため、バンド名は急遽キング・クリムゾンに変更。かくして新生クリムゾンが誕生する事となった。
元のバンド名は、1stアルバムのタイトルとして残った。

で、「Elephant Talk」だ。
複雑かつ有機的に絡み合う四つの個性。
だが、フロントに出ているのは、ヴォーカルも担当するエイドリアン・ブリューだ。
クリムゾン史上、初のアメリカ人であり、ギタリストがヴォーカルを兼任するのも初の試みだった。

エキセントリックなブリューと、学者的なフリップ。
対照的な二人のギタリストが微妙なバランスで渡り合い、そこに職人肌のリズム隊が交わる事で、スリルとキッチュさを持った空間が生まれる。
それは"いわゆるクリムゾン"とは全く違うものであり、スケール的には若干こじんまりとしているが、これはコレでなかなか面白い。

ただし、曲調やリズム・アレンジは、ブリューも参加していた同時期のトーキング・ヘッズからの影響丸出し。
ブリューのヴォーカルなんて、まんまデヴィッド・バーンやんけー犬
けど、楽しめるから許す猫
アルバム3曲目には「Matte Kudasai(待ってください)」なんて曲も入ってるし。

それにしても、これを「クリムゾンの作品」として世に出したフリップは凄い。
輝かしい過去にこだわらず、前進しようとするその姿勢。
うーむ、このオッサン、文字通りプログレッシヴだ。
あるいは単に支離滅裂なだけなのかもしれないがスマイル

タイトル曲の演奏がブツリと切れる。
アルバムが終わった。
もういちどクリムゾンだ。プレイ・ボタンを再度押す。

象の咆哮が聞こえてきた。
ロバート・フリップがつべこべとギターを弾き、トニー&ビルのリズム隊がわちゃわちゃと動く。
イッツ・オンリー・トーク。
すべてはムダ話だ、と歌うエイドリアン・ブリューの声を聴きながら、俺は今日も、くだらないブログを書く。


「Elephant Talk」を聴くにはここをクリック!






Last updated  2008.10.20 09:43:59
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2007.10.22
テーマ:洋楽(2568)
時は1983年。
当時EL&Pはもちろん、まだプログレなんて言葉も知らなかった(というか洋楽もロクに聴いていなかった)僕の耳にこびりついていたのがこの曲である。
曲のタイトルは「地球を護る者/Challenge Of THE Psionics Fighters」。
アニメ映画「幻魔大戦」のメインテーマ曲である。

「幻魔大戦」は平井和正と石ノ森章太郎との共作として少年マガジン(1967)で開始されたSF大作。
迫り来る大宇宙の破壊者“幻魔”に対して、地球の超能力者達が戦いを挑むという内容で、ハルマゲドン(最終戦争)をキーワードとした、強大なスケールを誇る作品となっている。

これを映像化したのが当時隆盛を極めていた角川映画で、監督にりんたろう、キャラクターデザインに大友克洋、脚本に真崎守、アニメーターに金田伊功(特殊効果)という錚々たるメンバーで製作された。

役者陣も超豪華。アニメ畑からは、古谷"アムロ"徹、小山"アラレちゃん"茉美(古谷と小山は当時夫婦だった)、池田"メーテル"昌子、永井"波平"一郎。
他にも江守徹、美輪明宏、穂積隆信、といった実力派が参加。
その中にまぎれて、当時"時をかける少女"だった原田知世棒読み初々しい演技を披露していたりする。

そして、音楽監督として招かれたのが、当時EL&Pを解散させて映画音楽などでお茶を濁していたキース・エマーソンである。
サウンドトラック(写真)は、エマーソンと青木望との共同名義で製作される事になった。

この「地球を護る者/Challenge Of THE Psionics Fighters」はキース・エマーソンの手による壮大なインスト・ナンバーで、サントラではラストに置かれている。
当時、映画のCMや本編のクライマックス・シーンなどでこの曲が使われており、「警告、ハルマゲドン接近」というキャッチフレーズのもと、このメロディがやたらと流れていたものだ。
EL&Pでのトレードマークでもあったトリッキーかつアグレッシヴなプレイはここでは影を潜め、聴かせる事に徹したかのようなオーソドックスな演奏が聴ける。
時間にして4分10秒というコンパクトさ。エマーソン節ともいえる、いつものハッタリ臭さはそのままに、普段洋楽やプログレを聴かない人にも受け入れられる、聴きやすい仕上がりとなった。
エマーソン的でありながらどこかチープなそのサウンドは、「お小遣いかせぎにちょっとやってみましたぁ」みたいな手抜き感も漂う。
とはいえ、フレーズの印象深さはなかなかのもの。当時も今も「幻魔大戦」と聞くと、ワシの頭の中にはこの曲のリフレインが高らかに鳴り響くのである。う~んパブロフの犬犬効果。
今聴くと、音色、旋律ともに「朝まで生テレビ」を連想させるのが爆笑。エマーソンの音楽にはピッタリなオチだスマイル(本人が聞いたら怒るだろうなあ…)。

なお、映画の主題歌である「Children Of The Light(光の天使)」もエマーソンの作曲、演奏によるもの。
ローズマリー・バトラーをヴォーカルに迎えた湿っぽいバラードで、EL&Pからは想像もつかない曲調だが、プログレ経由の産業ロックだと思えば納得もいく(笑)し、これはこれでなかなかの名曲だ。
なお、ローズマリー・バトラーは同じ角川映画である「汚れた英雄」の主題歌も歌っていた。ワシはそっちの曲も結構好きだったので、ローズさんも個人的には妙な思い入れのあるシンガーだったりする。閑話休題。

で、「角川映画第一回アニメ作品」として大々的に宣伝されていたこの映画。
僕も「何だかよく分からないけどスゴそうだ」などと胸を躍らせながら見に行ったものだが、いざフタを開けてみると、映像の綺麗さやスケール感ばかりが先走りして、肝心の脚本や演出が伴っていないという、なんとも中途半端な印象を受けた記憶がある。
まあ、あまりにもスケールの大きい原作(未だに未完)のダイジェスト版(をさらに圧縮したもの)だから、しょうがないのかな。。。
この作品は、後に石ノ森キャラによるアニメ版も製作された。

エマーソンはこの後、グレック・レイクやコージー・パウエルと組んでEL&P(パウエル)を結成。'90年代以降は、安室奈美恵のバックバンドとして来日したり、「ゴジラ・Final Wars」(2004年)の映画音楽を担当するなど、なかなか日本びいきな所も見せている。
この「幻魔大戦」の仕事にしても、本人にしてみれば本業の合間を縫ったアルバイトなのかもしれない。だが、それはそれとして、EL&Pとはまた違った意味で、ワシはこの曲が今もなんとなく好きだったりするのであるぺんぎん


つーコトで「地球を護る者/Challenge Of THE Psionics Fighters」を聴くにはここをクリック!
ちゃーんちゃーんちゃちゃ~♪
「Children Of The Light」はこちら

警告、ハルマゲドン接近。
↑ノストラダムスをまだ信じていた頃の思い出さ。。。






Last updated  2008.08.04 14:54:11
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2007.06.05
ムーディー・ブルースといったら音楽史的にはいわゆるプログレ・バンドの位置づけであり、例の名曲「サテンの夜」を収録した「Days Of Future Past」('67年)、「Every Good Boy Deserves Favour(童夢)」('71年)、「Long Distance Voyager」('81年)といった数々の名作を残しているのだが、その割にはプログレ・ファンからの評価は低いような気がする。

プログレと呼ぶにはポップで口当たりの良い音楽性や、クリムゾン、イエス、フロイド、ジェネシスなどのバンドに比べると強烈な個性に欠ける所がその原因なのかなあ。
ワシみたいなポップ人間なんかはむしろそんな所が好きだったりするのだが猫
さらに、かつてはジミー・ペイジ先生から褒められたりもした(※)という事実なんかを知ると余計にヒイキしたくなるんだがなあ熱帯魚

ポール・マッカートニーと長きに渡って活動(10年くらいか)したデニー・レインもかつて在籍したという事実は……ま、いいか。

'72年発表の「Seventh Sojourn」(写真)は読んで字の如くの七枚目の作品であり、前述の「Every Good Boy Deserves Favour(童夢)」と肩を並べる名作である。

それまでに比べて、各曲がさらにコンパクトな作りとなっているが、繊細なポップセンスを感じさせるメロディと聴きやすいサウンドで練り込まれた佳作揃いの内容。
個人的には最もよく聴いた一枚かも。

スケール感と哀愁を感じさせるオープニング・ナンバー「Lost In A Lost World」、心地良い小粒さとキャッチーさを持ったポップ・ソング「You And Me」、叙情的な「The Land Of Make Believe」、マイナー調のメロディを持つロック・ナンバー「I'm Just A Singer(In A Rock And Roll Band)」などどれもいいが、個人的なベスト・トラックは2曲目にあたるナンバー「New Horizons」である。

柔らかくゆったりとしたサウンド、美しさと優しさに満ちたメロディ、ジャスティン・ヘイワードのジェントルな歌声と見事なコーラス・ワークが胸に迫る名曲となっており、特にふくよかでどこか哀しいストリングスの音色にはいつ聴いても心打たれる。
自分の中でのオール・タイム・ベストな一曲であり、プログレという音楽に馴染みのない人にも訴えるものを持った名曲だと思う。

ムーディー・ブルースの日本での知名度や評価はことさら低いとの事だが、いわゆるプログレッシヴ・ロックの草分け的な存在であり、幾多のメンバー・チェンジを経ながら現在も活動する彼らにはこれからも頑張ってほしいものだ。

「New Horizons」を聴くにはここをクリック!。


※ジミー・ペイジは「本当にプログレッシブなバンドは、ピンク・フロイドとムーディー・ブルースだけだ」と語っていた。






Last updated  2008.05.24 12:38:13
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