梵 GOLD無ろ過純米大吟醸
昭和天皇・御大典の儀に際して、はじめて地方酒として選ばれた福井・鯖江の「梵」。近年では日韓ワールドカップの懇親パーティで起用され、何かにつけて国際レセプションと縁の深い「梵」。その加藤吉平商店から「GOLD無ろ過純米大吟醸」が昨年新発売された。ボトルは日本酒としては掟破りの透明もので、斬新な金色のラベル。ギンギンに冷やされた酒屋の冷蔵庫にそれを発見し、衝動的に購入した。開けてひと口めの印象は、香りと舌の上のころがりから、「これはいい酒で旨い!」ただし、2杯目を飲み終えたあたりから、残り香が鼻につき、「ちょっと疲れるなあ。」そう、新酒鑑評会出品酒のようなパチパチとした元気さを感じる。強すぎて料理の味を減殺してしまう。そこでしばらく冷蔵庫にお休みいただくこととした。その後数日おきにちびちび飲みながら、やがて10日過ぎてようやくじゃじゃ馬が僕の手におえるようになってきた。そして来客に提供。客人いわく、「酒蔵に行かないと飲めないような酒ですねえ。」その前に提供したのが八海山だっただけに、よけい正反対の印象だったかもしれない。