日本酒類文化振興会

2009/03/06(金)11:06

亀泉・純米吟醸生原酒(高知県土佐市・亀泉酒造)

日本酒(410)

どんな干ばつでも涸れることのない湧き水を使用したことから、万年の泉「亀泉」と名付けられました。明治30年の創業です。 雑誌「dancyu」に「日本酒にマイナスイメージのある人にお薦めの酒」と紹介され、高知県の昔ながらの有名酒の間に割って入ってきました。 亀泉と言えば、高知県工業技術センターが開発した酵母、CEL-24の酒が特徴的ですが、わたし的には香りが強すぎてちょっと苦手です。 今回の純米吟醸生は、そのCEL-24の兄貴分であるCEL-19酵母を使用していて、香りは半分くらい控えめです。 スペックの詳細は、山田錦を50%まで精米し、高知県酵母CEL-19の使用によって、日本酒度+5、酸度1.7、アミノ酸度1.2に仕上げています。杜氏は社長さんです。 裏ラベルを見れば「純米吟醸原酒」と書かれていますが、アルコール度は16~17度と原酒の割には抑え目です。 余談にはなりますが、国税庁の通達で、「加水調整(アルコール分1%未満の範囲内の加水調整を除く)をしない清酒である場合に表示できるものとする」を原酒として定義しています。 逆に言えば、搾ったあとの原酒に水を加えてもアルコール1度未満の範囲であれば「原酒」と認められるということです。(今回の亀泉がどうかは知りません。) 例えば18度の原酒を17度に下げるということは、原酒の量に対して5%強ほどの水を加えるということですから、些細な量というわけではないでしょう。 ですから、世の中には「本当の原酒」と「加水した原酒」の二つが存在してるわけですが、消費者はその区別を知るすべはありません。 アル添酒を「本醸造」と言ったり、この国の酒造行政の見識はまったく理解できません。 話しは逸れましたが、この亀泉、香り高くキレの良い酒として、個性際立つ土佐の銘酒です。

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