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テーマ:純米酒が大好き!(87)
カテゴリ:日本酒・奈良県
「笊籬(いかき)採り」というモロミから清酒を取り出す珍しい手法で造った酒です。
現在最も一般的なのは「ヤブタ式」という、長さ数メートルある大型のアコーデオン状の搾り器で圧力をかけて搾り出すのが、一番粕歩合が少なく効率的な清酒がたくさん採れる手法です。 大手蔵でも一部の大吟醸クラスの酒などの搾りで使っているのが「槽(ふね)搾り」。 ボートというより棺おけのような船形の長方形の桶にモロミを袋に入れて重ね、上から圧力をかけて搾るもので、製造者の名前をとって「佐瀬式」と呼んだりもします。 こちらは粕歩合が40%以上になるので、より贅沢な搾り方ですが、蔵によっては「ヤブタ」を持たず、これで普通酒の原酒まで搾っている所もあります。 さらに贅沢なのは「袋吊り」で、これはモロミを入れた袋を酒取り用タンクに渡した棒に文字通り吊るして、圧力をかけずに地球の引力のみで搾るものです。 これはフネよりもさらに高級な搾り方ですね。 そして今回の「笊籬(いかき)採り」は、モロミの中に笊籬状(ザルのようなもの)のスクリーンを沈め、その浸透で酒を集める技法で、「袋吊り」でも避けられない空気に触れての酸化や、香気成分の揮散も防ぐことができるものです。 奈良県の「油長酒造」が研究を重ねて、独自に創り出した試みです。 具体的なイカキの形はラベルの端っこに描かれています。 ![]() 右下の逆三角形がそれです。 ![]() 「頭で酒を飲む」ではないですが、そういう理屈を知ると確かに優しい柔らかい口当たりのような気がする。 ![]() 裏のラベルは、「もろみ日数」を一番強調しているところが面白い。 ![]() 酒名「風の森」のように爽やかなこの笊籬採りの無濾過無加水生酒は、酒のセミプロTさんに紹介してもらった大森のT's Barではじめて飲みましたが、その後錦糸町の日本酒処でも置いてありました。 秋限定のお酒のようですが、話題性から今人気なのでしょうか。
Last updated
2012/12/12 04:25:06 PM
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