「飲み屋の至宝」とも言われる神楽坂の「伊勢藤」を訪れました。
6時過ぎに入店しましたが、ちょうど一人分のカウンター席が空いているだけという繁盛振り。タイミングが良かったです。
お店に入った瞬間、独特の臭いを感じますが、恐らくこのお店の看板メニューの一つであるクサヤが染み付いたものだと思います。

一汁三菜のお通しが黙っていても順を追って提供されてきます。
飲み物は白鷹のみ。燗で飲むか、冷やで飲むかの選択だけです。
その潔さがこの店の真骨頂。
白鷹はご存知の通り、伊勢神宮の御料酒で、毎日献上されていますが、私自身はこの酒はそこそこ気に入っていて、居酒屋の壁に「白鷹」袖看板を見つけると入ることもあります。
大勢で騒ぐ店でないことはご承知の方も多いと思いますが、この日も座敷に向かって「お静かにお願いします!」と店主が二度ほど注意していました。
たたずまいは鶯谷の「鍵屋」と通ずるところもありますが、あちらは下町らしいおおらかな気楽さがあるのに比べ、「伊勢藤」は凛とした雰囲気で、会話もせいぜい二人単位で小さな声でしています。
こうした文化財的居酒屋へ、日本酒好きな外国人を案内したら面白いでしょう。
伊勢藤は食べログで4.01ポイントでしたが、食事をしに3.97ポイントの「あげづき」へ。
トンカツ屋さんですが、日本酒もそろえています。
本当はここでは日本酒を飲むつもりはなかったのですが、特ロースカツを頼んだら、美味そうな飲み心を誘うポテサラが出てきたので結局飲みました。
店主が日本酒好きのようです。

特ロースカツですが、自分でトンカツを注文して食べること本当に自体久しぶり。
実物はわらじのような大きさで、見た瞬間「これは腹一杯になる!」と直感しました。

柔らかくて美味しく、文句は無いのですが、これからバーに行くことを考えると少々やりすぎました。
しかもご飯と味噌汁等のセットで頼んでしまったので。
スコッチ文化研究所のテイスティングスクール講師・谷嶋さんがオーナーバーテンダーをしている「フィンガル」へ。

バックバーはレアウィスキーばかり。ボトラーズ品等平均すると30年物くらいだろうか。
12年前後のスタンダードボトルはカウンターにポンと置かれている。
スコッチに関してはまだまだ初心者の私ですが、カウンター並びに座った若い人は一杯5千円のレア物を頼んでいた。

私が入店したときは先客が一人居ただけだったので、師匠といろいろ会話できましたが、途中からどんどん来店者が増えてほぼ満席の状態に。
頃合いを見計らって、神楽坂でのぶらり飲み食いを終えました。