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今日も何かあたらしいこと

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2010年04月11日
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カテゴリ:映画とDVDの部屋
映画「愛を読むひと」をDVDで見て、なんともやり切れない思いが残りました。

秘密ある女性、ケイト・ウィンスレットと少年が知り合い、彼女の望みは、

彼にいろいろな本を朗読してもらう事、という妙な付き合いが始まる。

彼女は突然彼の前から姿を消し、数年後に偶然再会した彼女はナチ裁判の被告。

裁判を傍聴する中で、彼女が字を読む事も書くこともできない、と悟った彼。

それを証言しなかったため彼女は終身刑を受け、彼も沈黙したまま見過ごす。

大人になった彼は刑務所の彼女に朗読テープを届け、彼女は独学で文字を学ぶ。

しかし、彼女がやっと書いた手紙には返事を書いてやらない、中途半端な彼。

彼女が出所することになり、仕方なく身元引受人となる彼に絶望したのか、

出所を待たずに自ら命を絶ち、収容所の被害者にわずかな遺産をのこして逝った。


原作は「朗読者」というのに映画は「愛を読むひと」となっているのだけれど、

彼が本を読んだのは「愛」のゆえだったと単純に思えないほど、屈折した物語。

法律家として成功した彼にとって、ナチの戦犯との関わりなど知られたくない事。

まして若気の至りみたいな短い恋愛に、彼女の人生を引き受ける程の責任もない。

文字が読めない事を恥じて隠し、厳罰を受ける方を選んだ彼女の意志に便乗し、

裁判で真実を明らかにせず逃げて、ねじれた罪悪感に苦しみ続けた彼の弱さ。

完全に見捨てる事も出来ず、かといって救いもしない、中途半端な彼の人生。


途中まで、彼女は識字障害か何かで、ある程度は字がわかると思っていました。

でないと、収容所の看守や電車の車掌の仕事など、できないと思ったから。

ところが the っていうのも解らないほど文字を知らないとは、不自然じゃないの?

と、変な所につっこみを入れたくなったのは、あまりに救いようのない物語だから。

彼女は罪なくして断罪されたけど、彼のような傍観者(ほとんど全員?)の罪は、

つぐなわれる事なく、どうしようもないままに放置されたままなのでしょう。



愛を読むひと<完全無修正版>(Blu-ray Disc) / ケイト・ウィンスレット





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Last updated  2010年04月11日 21時53分36秒
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