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2008.10.22
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カテゴリ:野球戦術
前捌きとはミートポイントを身体からより前で打つバッティングである。
それと反対なのが、身体のより近くで打つバッティングである。
以前では、前捌きのバッティングは長距離打者、
身体の近くで打つ打者は、アベレージヒッターか、出塁重視と言われていた。
だが、今はそんな区分けの通用する時代ではない。
前捌きでは、そこそこホームランは打てるだろうが、打率を上げることは望めない、
それどころか、不安定な成績に繋がる打ち方になりつつある。
もちろん、前捌きで毎年安定した成績を残す打者もいる。
だが、そういう打者は年々少なくなって来ているし、
これからはさらに減っていくことになるだろう。

それはなぜか。
変化球の質が変わってきたからである。
野球解説者の言葉からも、その事ははっきりとわかる。
最近になって野球解説者が変化球の球種を言い当てられなくなってきている。
真っ直ぐ系、2シーム系、スライダー系、など、この【 系 】が多用されている。
今やはっきりと区別できるのはカーブだけと言っていい時代なのだ。
これはMLBの影響によるものだろう。
隔年で行われる日米野球、MLBでプレーする日本人選手、
それが相まって今のような変化球があいまいな時代になったのである。
しかし、この事は悪い事ではない。
むしろ野球が高度化する方向へ向かっている、と言えるだろう。

近年、流行の変化球はスライダー、カットボール、チェンジアップだが
スライダーは曲がりが大きく、カットボールは小さく曲がる。
チェンジアップは緩いスピードから、ほぼ投手の利き腕の方に滑りながら落ちる。
フォークは真っ直ぐと同じような体感速度から急激に落ちる。
スプリットはフォークの握りを浅くしたもので、その落差が小さい。
シュートと2シームはほぼ同じ球種と言っていい。
気持ち指の力加減を変えるのがシュートであり、
真っ直ぐと同じように投げるのが2シームである。
また、投げる投手自身の意識で呼び方が違うことになる。
その代表的な球種が2シームと、左腕投手やサイドスロー投手のチェンジアップだ。
見ている方が2シームだと思っても、
投げる当の投手がシュートだと言えばその球はシュートと言うしかない。
左腕投手、サイドスロー投手のチェンジアップは、シンカーと見分けがつかない。
投げる当の投手がチェンジアップだと言えば、チェンジアップだし、
シンカーだと言えばシンカーと呼ぶ他ないのだ。
要は小さく曲がる、わずかに曲がる、落ちると言った変化球を投げる投手が
以前に比べて多くなってきているのだ。

この小さく曲がる、落ちるといったところが打者の打ち方に影響を与えている。
小さく曲がる、落ちると言う変化球は、
それだけ打者の手元で曲がることになる。
その微妙な変化に打者がついていけずに、
バットの芯を外したり、打ち損じたりするのである。
以前よりもバットの折れるシーンをよく見るのはこれが原因なのだ。
これに対応するにはより長く球を見るしかない。
ミートポイントを身体寄りにしないと球を長く見る事は出来ない。
前捌きでは対応が難しいのだ。
対応が難しいと言う事は打率、安定度に大きく響く。
私が指摘したいのはこれである。

分かりやすい例をあげると、
今年ホームラン数を伸ばした埼玉西武の中村選手、ベイスターズの吉村選手だ。
彼らふたりに共通する事はホームラン数は多いものの、打率が低いことである。
彼らは前捌きのバッティングである。
前で捌くことで飛距離は出るが、もろさも抱えている。
私個人の見方では、中村選手のホームラン数であの打率なら仕方がない、と思える。
三振とホームランは背中合わせだし、中村選手に足はない。
だが、吉村選手はもともとから飛距離は持っているし、足が速い。
ホームラン30本中盤で、打率2割5分台はいかにももったいない。
持てる能力を最大限に生かせていないと思えるからだ。
そして、今後も前捌きのバッティングであるならば、
成績も大きく上昇することはない、と私は思っている。

対照的なのが、今年大きく飛躍したベイスターズの内川選手だ。
今年内川選手を大きく飛躍させたのはミートポイントを近くしたからだ。
今までとは打ち方がまるで違うし、
その事は本人も、周りも、野球解説者も否定する人はいない。
球を長く見ること、近くで捌くことで確実性が格段に増した。
もともとミート力には定評があった部分もあるが、
この打ち方が打率を急上昇させたのは間違いない。
では身体の近くで捌くことはホームランを減らすのか。
それは違う。
身体の近くで捌いていてもホームランは打てる。
Gのラミレス選手やベイスターズの村田選手がその例である。
彼らはホームラン数も多く、打率も高く安定している。
前捌きでなくとも、ホームランは打てるのである。

これからも小さく曲がり、落ちる変化球は駆使されるだろう。
そういった投手が増えれば増えるほど、前捌きの打者は対応に苦しむ。
時代の流れは前捌きの打者を不利にする方向へと流れている。
この趨勢はもはや変わる事はないだろう。
前捌きのバッティングでは高いレベルでの成績安定は望めないのである。





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最終更新日  2008.10.22 14:32:32
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Re:前捌き受難の時代。   多摩人 さん
こんにちは、吉村が成績を伸ばすには、村田不在時に四番に座ったときのバッティングが良いイメージだと思うんですが、おっしゃるようにあの率を残せる3・4番の後を打つわけですから、2割5分では大した脅威になりません、抑えられる組み立てが比較的容易のため、宝の持ち腐れですよ
(2008.10.22 19:15:53)

率を意識する。   porto_2 さん
多摩人さん。こんにちは。
高めの見極めと外に逃げる球に難のあるままでは率を残すのは容易ではありません。
前捌きを変えるか、意識を常にセンターからライトに置くか、どちらかですね。
吉村が3番、内川5番で行ければ村田を挟んだ3人はより持ち味が生きると思います。
(2008.10.22 19:27:28)

吉村の場合   川崎のベイファン さん
吉村は確かに前捌きの脆さを感じさせますが、
それ以前に左肩が入り過ぎる癖と左腰の開きの早さを
修正しない限り厳しいんじゃないでしょうか?

左肩が入り過ぎてインコースを打てない。
それでもインコースを打とうとして開きが早くなる。
アウトコースの球が遠くなる。という悪循環です。

もしくはインコースなど詰まって結構と開き直るか。
詰まってもヒットになるパワーを持っているのだから
真ん中から外をセンターから右に打つ意識を持つ。
どうも詰まる事にビビリ過ぎに見えます。

詰まってもいいんだ。と思うだけでも違うんじゃないかなぁ?
そういう意味で前の日記から引き続きますが
「どんなヒットでも1本」という駒田理論に期待したいです。 (2008.10.22 20:23:42)

Re:吉村の場合(10/22)   porto_2 さん
川崎のベイファンさん。こんにちは。
仰るとうり、左肩の入りすぎは矯正しなければいけませんね。
左腰の開きはポイントを近くにするか、センターを意識するか、どちらでも収まると私は思います。
詰まるのをイヤがるのはどんな打者でも持つ意識なので、なかなか難しいかもしれませんが、ファウルでOKくらいの気持ちでいればずいぶんと違うと思います。
それだけ吉村にはまだ伸びしろがあると言う事。
潜在能力は村田以上かもしれません。
(2008.10.22 22:22:03)

Re:前捌き受難の時代。   横浜なおき さん
吉村選手は、『前捌きの打者』に多い、『ヤマはりの達人』的なところが時としてマイナスに作用してるのかなって思ってます。本来は 速球を『右にも引っ張れる』のでその意識でインサイドに自然に体が対応して、彼本来の打球が飛んだ時、彼は、日本一の打者になれるのかなって思ってます。 そのためには打席での精神面(考え方)。 相手投手と戦う前に自分と戦い過ぎです。 彼の場合はそこがクリアできれば、技術的な部分は、問題なくクリアできる選手と見ています。 来期は、3番を打てるように頑張って欲しいです。 (2008.10.22 23:46:05)

配球を読む   porto_2 さん
横浜なおきさん。こんにちは。
配球を読む事は大事ですね。
吉村本人も今年打率が低かったのを気にしているようですから、何かしらの対策はするでしょう。
自分を意識するのはやはり不安(フォームの)があるからでしょうから、やはりフォームの微調整が必要になると思います。
ホームラン数を伸ばすよりも、今くらいの本数で率を上げて欲しいですね。
目指せ。トリプル3。
(2008.10.23 09:04:57)


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