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カテゴリ:科学
Wikipedia情報
韓国の高麗大学校の付属研究機関「Quantum Energy Research Centre (Q-Centre)」に所属する研究チームが「室温かつ常圧での超伝導」を起こす物質LK-99を開発したとする論文を2023年7月22日にarXiv上で発表した。arXivはプレプリントを投稿するサイトであるため、LK-99についての論文は2023年7月29日現在、査読を受けていない。 ・・・・ LK-99という名称は、発見者の李石培(朝鮮語: 이석배、英語: Sukbae Lee)と金智勳(朝鮮語: 김지훈、英語: Ji-Hoon Kim)の頭文字と発見年度(1999年)を合わせたもの。 室温で超伝導を実現したとされる論文は2020年にも別の研究者から提出されているが、不備が指摘され論文も撤回されている。 引用サイト:こちら 「超伝導」って何? 超伝導体には興味深いいくつかの性質があります。 - 完全導電性(電気抵抗ゼロ) ある物質を冷やしていくと、ある温度(臨界温度, Tc)を境に 電気抵抗率が"ゼロ"になる現象です。 - 完全反磁性(マイスナー効果) 超伝導体は外部磁場を内部から完全に排除する完全反磁性(マイスナー効果) という性質を持っています。 - 磁束の量子化、磁束量子ピン止め 超伝導体内部に磁束量子の運動を止める "ピン止め点"が存在していれば、 電流が流れても磁束量子は運動せず、理想的にはHc2 まで超伝導状態を維持することが可能になります。 この量子化磁束ピン止めによって、超伝導体中に侵入した磁束量子はしっかりと 固定されるため、下の写真のように、超伝導体が永久磁石上に浮上したり、 永久磁石と一定の間隔を保って、横にしても離れないフィッシング効果が起こります。 - ジョセフソン効果 超伝導体の中では、電子が一つの大きな波を形成することで電気抵抗がゼロになります。 では、二つの超伝導体が薄い絶縁体を挟んでいる場合にはどうなるでしょうか? それぞれの波が絶縁体を乗り越えて 他方の超伝導体にしみ出します(破線の波)。別々の超伝導体中の波は下図のように 当然ずれています。この時、このずれを無くして同じ波にしようとして、 一方の超伝導体から他方の超伝導体に電流が流れます (直流ジョセフソン効果)。 この電流は電圧がかかっていない状態でも流れるため、通常の物質で生じる トンネル効果とは異なっており、超伝導体に特有の現象です。 完全反磁性(マイスナー効果) 図 マイスナー効果の概要。常伝導状態にある超伝導体(黄色い球体)に(a)磁場を印加した状態で超伝導状態に転移させると(矢印 A)、(c)内部の磁場がすべて排除される。(b)磁場がかかっていない状態で超伝導転移させ、その後磁場を印加しても(矢印 B)、磁場は内部に侵入できない。 マイスナー効果が発生する原因は次の通りです。 超伝導体に磁場がかかると、超伝導体の表面近傍で小さな"電流の渦 (ボルテックス)"が生じます。 このボルテックスは外部磁場を打ち消す方向に流れるため、超伝導体内部では磁場が打ち消された 状態になります。これがマイスナー効果です。 マイスナー状態にある超伝導体に永久磁石を近づけると、内部に磁場を侵入させまいと、 超伝導体が永久磁石から逃げようとする力が働きます。 引用サイト:名古屋大学 こちら LK-99は2023年7月に韓国の研究者が開発に成功したと主張する、常温常圧下において超伝導を起こすとされる物質である 。 常温・常圧下で超伝導に転移したのを確認したと発表しました。この結果が本当であればさまざまなエネルギー問題を解決する希望となりますが、何かの間違いだったりデータのねつ造だったりする可能性も十分あり得るため、世界各国の専門家が検証を行っています。 超伝導とは簡単に言ってしまえば、物質を低温まで冷やすと電気抵抗がゼロになる状態のことで、この状態を起こすような物質を超伝導体と呼びます。なお、技術の世界では「超電導」と書かれることもあり、日本産業規格(JIS)では「超電導」表記が採用されていますが、学術の世界では「超伝導」と書かれるため本稿ではこの表記を用います。 超伝導は、オランダの物理学者であるカマリン・オンネスの実験によって1911年に発見されました。1908年にオンネスはヘリウムの液化に世界で初めて成功しました。ここから、人類は絶対零度における物性研究が可能になりました。 一般的に、金属の電気抵抗は熱すると大きくなり、冷やすと小さくなります。このことから、オンネスは「金属を極限まで冷やせば電気抵抗はゼロになる」と考え、液化ヘリウムを用いて水銀の温度を極限まで下げていったところ、4.2K(マイナス約268.8℃)で電気抵抗が突然ゼロになることが判明。これが世界で初めて超伝導を確認した瞬間です。 なぜ超伝導が起こるのか? 発見から100年以上経ってもなお、超伝導の原理についてはあまりよくわかっていません。ただし、なぜ超伝導が起こるのかを説明する理論は、1957年にジョン・バーディーン、レオン・クーパー、ジョン・シュリーファーの3人によって提唱されており、この理論は3人の名前の頭文字を取って「BCS理論」と呼ばれています。 金属は電気を通す導電性の物質で、金属原子の持つ電子が「自由電子」となって動き回ることで導電性を持ちます。しかし、負の電荷を持つ自由電子が、金属原子の並ぶ結晶格子の間を動き回る時、正の電荷を持つ結晶格子に引かれてしまいます。金属原子の結晶格子が自由電子の振る舞いを制限してしまうため、金属には少なからず電気抵抗が生じます。 BCS理論は、電子が「クーパー対」と呼ばれるペアを組むことで、電子同士の相互作用で電気抵抗がゼロになるという考え方を示しました。片方の電子が結晶格子に引かれてエネルギーを奪われても、もう片方の電子が逆に結晶格子からエネルギーを奪う、というモデルです。クーパー対で見ると、電子が結晶格子に奪われるエネルギーはプラスマイナスでゼロになるため、電気抵抗がゼロになるという理屈です。つまり、超伝導とは「金属内の電子がクーパー対を構成した状態」ということもできます。 超伝導の特徴とは? 「電気抵抗がゼロになる」以外に超伝導体がもつ大きな特徴が、超伝導体内に磁場が侵入しなくなる「マイスナー効果」です。超伝導体はマイスナー効果によって磁場を排除してしまうので、磁石を近づけると反発して離れようとします。そして、一定以上の強さの磁場をかけると、超伝導状態ではなくなり、磁場が侵入してしまいます。 限界を超えた磁場をかけた時、突然磁場が侵入して完全に超伝導でなくなってしまうものを第1種超伝導体、徐々に磁場が侵入していくものを第2種超伝導体と呼びます。この第2種超伝導体を強い磁石の上に置くと、基本的に磁場を排除するのですが、部分的に磁場が侵入します。いわば超伝導体に磁力線の串が数本刺さったような状態になり、磁場の中で固定されて動けなくなってしまうため、この現象を「ピン止め効果」と呼びます。 ピン止め効果によって、超伝導体と磁石の位置関係は固定され、常に同じ高さで浮上するため、磁石の上から外れることはありません。これを応用したものが、超伝導体によるリニアモーターカーだ。 超伝導が可能になると何ができるのか? 超伝導自体はすでに実用化されており、病院の診察に使われるMRIがその1つです。超伝導体は電気抵抗がゼロなので、一度流れた電流は損失されずに永久に流れ続けます。MRIではニオブチタンと呼ばれる合金で作られたコイルが液化ヘリウムによって冷やされ、電源を切ってもなお強力な電磁石であり続けるというわけです。 また、電気抵抗がゼロになるので、送電用のケーブルを超伝導体で作ればロスを大幅に軽減できます。また、量子コンピューターにも超伝導を応用することができ、実際に日本では超伝導を利用した量子コンピューターの開発が盛んに行われています。 ただし、いずれのシステムでも超伝導を維持するために極低温環境を保つ必要があり、そのためには液化ヘリウムや液化水素を使用しなければならないため、コストがとんでもなくかかってしまうというのが難点です。 「LK-99」とは? LK-99は1999年に初めて合成された物質で、発見者であり最初のプレプリントの発表者でもあるSukbae LeeとJihoon Kimの名前を取って名付けられています。 超伝導は低温にすることで物質の相転移が起こり、電気抵抗が0になることです。 LK-99が大きく話題になっているのは、従来よりもはるかに高い温度かつ常圧下で超伝導に相転移したと報告されているからです。基本的に常圧下での超伝導転移温度は極低温となっており、常圧下では銅酸化物の1種で133K(マイナス約140℃)が最高値。それ以上の温度だと、高圧下の実験でのみ超伝導転移が確認されています。 引用サイト:こちら クォンタムエネルギー研究所があるソウル南東部の雑居ビル Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg 「検証は調理」 ソウルの成均館大学の材料合成専門家、イ・チャング氏はLK-99のレシピが良く書けていても、書き落とされている細部があるという点で、検証プロセスは調理に似ていると指摘。「調理」自体は約4日しか要さないだろうが、クォンタムエネルギー研究所の研究者が実験を行った時の条件と細部まで合致させるにはさらなる試験が必要だと述べた。 引用サイト:こちら 常温超電導体「LK-99」のサンプル、2週間後にも入手-韓国専門家委 超電導体技術を飛躍的に前進させる常温超電導体を発見したと主張するクォンタムエネルギー研究所に対し、検証のためサンプルの提出を求めていた韓国超電導低温学会(KSSC)の専門家委員会は同研究所が早ければ2週間後に要請に応じるとの見通しを示した。 引用サイト:こちら 関連サイト:「LK-99」に科学誌Natureが懐疑的な見解を示す こちら 「常温常圧の超伝導体」として科学界に旋風を巻き起こしたLK-99が超伝導体ではないことはどのように明らかになったのか?2023.08.17 不純物を取り除いた純粋なLK-99はわずかな強磁性と反磁性を示すものの、部分的な浮遊を再現するには不十分だそうです。 これらを踏まえると、やはりLK-99で見られた超伝導体としての2つの特性「電気抵抗率の急激な低下」と「磁石上での部分的な浮遊」は、生成物に含まれる不純物・Cu2Sに起因するものであると考えられるわけです。 引用サイト:こちら 「LK-99は超電導体ではない」 Nature誌が掲載 LK-99が超電導体である証拠として韓国チームは、コイン状のサンプル物質が磁石の上で揺れている動画を公開。「サンプルは『マイスナー効果』(磁場を物体内部から押し出す現象で超電導体の特徴の一つ)によって浮いている」と主張していた。また、超電導を示す証拠として、104度付近でLK-99の電気抵抗率が急激に低下することも挙げていたことから、「常温超電導が実現するのでは?」と期待が寄せられていた。 しかし、さまざまな研究者たちが検証した結果から「LK-99の不純物である硫化銅が磁石上での浮遊と、電気抵抗率の急激な低下を引き起こした原因」「超電導体が示す性質に類似している」などを示す証拠が見つかったという。 浮遊現象については、世界中の科学者が追試をしても同じ現象を観測できなかった。米ハーバード大の元物性物理学者のデリック・ヴァン・ゲネップさんは、韓国チームが投稿した浮遊動画を見て「この現象は、強磁性が原因の可能性が高い」と指摘。実際に、グラファイトと鉄粉から非超電導性の強磁性物質を作り、韓国チームの投稿動画で確認できた浮遊現象を再現している。他にも北京大学の研究チームなどが同じ指摘をしている。 一定温度下での電気抵抗率の急激な低下の原因も不純物の硫化銅にある。硫化銅には104度で相転移(物質の状態が変化する現象)する特性があり、この温度以下で空気に触れた硫化銅は、電気抵抗率が大幅に低下するという。これを指摘した米イリノイ大学の化学者であるプラシャント・ジェインさんは「韓国チームはこの特性を見逃していたことに不信感を覚えた」とコメントしている。 他にも純粋なLK-99を合成したドイツの研究チームは「不純物を取り除いたLK-99は超電導体ではなく、数百万Ωの抵抗を持つ絶縁体である」と説明。「わずかな強磁性と反磁性を示すが、超電導性の存在は否定される」と結論付けている。 引用サイト:こちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.08.18 05:21:40
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