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カテゴリ:SF小説
春は別れの季節とかいいますけど、うちの職場でも定年の方がいて先日お別れ会をやりましてん。
まだまだ、現役でやれるのになあ、という印象の方なんですが、ひょっとしたら今年で終わることができるからがんばったんかもしれんし、それはまあ、ほんとのとこはわかりませんわな。 で、庭のチューリップも早咲きの色の濃い小さな連中が芽を出し始めてまして、既に5cmくらいのハッパ出てます。ブナの芽も地下からの水分が、端っこの芽にグイグイ押し上げられてるって感じで、日に日に伸びて来ています。 自然が大胆に変化し、ヒトの関係も変化する。4月は地球の公転と人類がぴったりと呼吸を合わせている感じですな。ま、赤道直下とか極地方の方々はちょっとそうもいかんと思いますが。 先日読み終えた本は、2度目の完読でした。一回目があまりにもボワッと読んだため、ラストを忘れていました。何度でも同じ本で感動できる非常にお得な機能です。アルツハイマーは深刻な病気ですが、私の場合は単に覚えられない「蓋の開いた揮発性フラッシュメモリ:容量2Mみたいな(なんじゃそりゃ)ものです。 恒星から、はじき出されてしまった惑星を「放浪惑星」と呼び、ひたすらに何億年も冷えて光も浴びずに捨て置かれたその星に、若い二人が着陸するというお話他、数本が読める「マッカンドルー航宙記」です。ああ、なるほどそういう発想はおもしろいなあ、と思ってぐいぐい読まされちゃいましたが、原作が78年とか80年の作成というクレジットを後で見て、この人すげー、と心底思いました。 日本のハードSFの作家の作風には、どうしても「おれ、科学の勉強したぜ、こんだけ詳しいぜ、え、こんな表記もわかんねえの?じゃ教えてやるよ」みたいな、文中説明に作家の苦労が見え隠れするときがあり、少し読むのに邪魔なときがあります。特に、文系の大学出た方とか。 この作者は、もともとエンジニアなので、「あ、この辺は端からかみ砕いて表記せんと、作品として対象を絞り込んじゃうな」みたいな線がやたら低くて、上から目線とか教えてやるよ表記でない書き方で、くどいくらい丁寧に説明してくれます。 ちょうど、気のいい革職人のじいちゃんが小学生に壱からランドセル造らせるみたいな、そんな感じ。(どんな感じだ、ちゅーねん) 作品の中に、頭が空っぽながら影響力の大きい局長が登場します。この局長が主人公のいる研究ステーションを来訪し、その成果を見たいといいます。劇中の科学者たちは研究の予算獲得のために、さまざま準備をしますが、局長自身がその研究の成果の意味が理解できず、何人かの研究予算は8割も削られちゃいます。 主人公はその直後、予算が付かなかったにもかかわらず、訳あって、100Gの加速を続けても人体に影響のない宇宙船で、一番近い恒星系へ人命救助のため出発しようとします。 帰ってくれば、局長より厳罰が必須なのですが、何故か大丈夫になります。いや、別に局長の娘を助けたとかそういうレベルではないので、読んでからのお楽しみ。 今の職場へ来て5年経ちました。うちの職場にはそんな空っぽの上司がいるわけではありませんが、異動が常であと何年いるかわかりません。一年一年の与えられた仕事を確実にこなし、アイするヒトのために金を稼ぎ続けたいと思います。 春は、どうしても、こういう話題が一回ははいるわな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.03.20 18:42:39
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