カテゴリ:日記
「ACジャパン」。公共の利益や社会的課題に関する広告(テレビCM、ポスターなど)を制作し、無償で配信している公益社団法人です。前身は1971年(S46)に「関西公共広告機構」、1974年に「社団法人公共広告機構」に、2009年に現名称に改称、2011年に公益社団法人化しました。このたびは、フジTV管理者の不始末でキャンセルしたCM枠を埋める素材に使われているようです。 とぼやきながら【電脳倉庫】を開きました。 ![]() 「広告の日」感想文 佳作 キミは給食を残した 「ホントに一日に一万二千人も飢え死にしているの」 「そうや。ここに書いているだろう。なんにも食うものがなくて死ぬ人の数、一万二千人、飢え死に寸前の人たち四億人って」 「ホラ、このあいだ、大阪で飢え死にしたお母さんの話がテレビに、出ていただろう。四人だったかな、こどもを残して死んでいったあの人もこの数字に含まれているかも知れないね」 小学三年の弟に、朝刊記事を解説しているのは中二の長男。 「ホンマに、あと二十年ぐらいしたら日本に食べものがなくなるの」 いつもは、食卓に出されるものを片っ端からかたずける弟が不安そうに聞いています。はてな、今朝の紙面にはこどもたちが喋っているような内容の記事はなかったはずだが、と思いながら新聞を見てアッと驚きました。こどもたちの会話の材料は「広告」だったのです。 それは、やせ細った集い肌の少年の写真と『キミは給食を残した』という大きな見出しが目立つ広告でした。見出しのあとに次のような説明文が続いています。 要点を記すと、長期的な食料不足に悩む地球には何億人という飢餓人口があること、私たち日本人も、現在の食料自給率を考えると、飢えと無関係ではない。食べ残しも、元は貴重な資源であり、無駄のない食生活を考えよう、という内容です。 その広告で、なによりも目立つのは、広告スペースのほとんどを占めた黒人少年の姿です。かぼそい手足、おなかだけが異様にふくれたその子どもは、もはや立ち上がる気力もないのでしょうか、うずくまっています。大きくみひらいたひとみはこう語っているように見えます。 「キミたちは給食を残すことができる。しかし、ポクには給食はおろか、ひとかけらのパンもない」 「同じ人間なのに、なぜ、ボクたちだけが飢えを知っているのだろう」 その写真と見出しは、あらためて、私たちに食料が生命に直結していることの意味を思い起こさせてくれました。 考えてみると、「広告」を材料にこどもたちと話し合うようなことは今まで経験したこともなく、また、そのような社会的テーマについて人々の関心を高めるという性格の広告があるということは、こどもたちが発見するまで私の知らないことでした。 私は、その記事を切り抜き、食堂にはりつけました。広告ぎらいの妻も、これなら納得してくれるにちがいありません。 あの黒人少年は、元気で生き続けているのでしょうか。
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最終更新日
2025.01.24 17:28:50
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