プレリュード

2010/10/10(日)00:11

剣客商売

「剣客商売」     池波正太郎著 今年読んだ小説70作目、池波正太郎著 「剣客商売」。 昨年から池波正太郎の小説は図書館に所蔵されている講談社出版の「完本 池波正太郎大成」(全31巻)を随意借り出して読んでいます。 今までに 「真田太平記」(全3巻) 「鬼平犯科帳 大成 巻4 及び 巻5」(2巻)、 「人斬半次郎・幕末新撰組・夜の戦士 大成 巻1」、 「剣客商売 黒と白」(これは文庫版) などを読んでいました。  今年は「鬼平」の残る2冊(大成 巻6と7)を読破しようと頑張って6月に読み終わりました。 そして先月末に借りた「大成 巻11 剣客商売」を読み終えたところです。 この講談社刊 「大成」と名のつく池波正太郎全集は31巻から成り立っており、各巻が平均800ページにも及びしかも1ページが上下2段印刷。 A5判だから百科事典のような体裁と厚みになる本。 この「剣客商売」は720ページで9月30日から読み始めてちょうど1週間で読み終えたことになります。この「剣客商売」が「大成」本の中にあと3巻残っています。 「黒と白」は長編で読み終わっていますが、これだけの長い小説ばかりを読むわけにもいかないので、まだ来月に借りて読もうと思っています。 「鬼平」が135作といいますから、この「剣客商売」もそのくらいはあるでしょう。 この「鬼平」と「剣客」は登場人物が大体決まっています。 それでもどちらもTVドラマ化されており親しみの湧く小説です。 しかもそのTVドラマで演じた役者が作品を読んでいてもそのイメージがそのまま出てきます。 例えば鬼平の中村吉衛門(長谷川平蔵)多岐川裕美(妻久栄)、江戸家猫八(相模の彦十)、尾藤よしのり(木村忠吾)、梶 芽衣子(おまさ)、蟹江敬三(小房の粂八)が縦横に小説の中で徘徊しています。 「剣客商売」でも同じです。 藤田まこと、山口馬木也、寺島しのぶ、平 幹ニ郎、三浦浩一などが走り回っています。 池波正太郎がこんなことを言ってます。 「(鬼平でも剣客商売でも)とにかく筆をとって書き進むうちに、なんとかまとまっていくものです」と。 ここにこの人の凄さがあり、これだけの長い年月読者に支持されているのでしょう。 登場人物はほぼ決まっておれば、その主人公は自在にストーリーを生みだしてくれるのでしょう。  こういう形で書かれる小説は、読みやすく、読むにつれて読者の心の中に花が散るように、落ちた花びらが重なるように、埋もれて残っていくのでしょう。 ほんとにいい気分で人物や出来事が心に溶け込んでいくようです。 それが「鬼平」や「剣客商売」を読む楽しさなんだと思います。   

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