プレリュード

2010/11/01(月)08:59

月光ソナタ

「名曲100選」  ベートーベン作曲 ピアノ・ソナタ第14番 「月光」 ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーベン(1770-1827)は生涯を独身で過ごした作曲家でした。 一度も結婚をしたことがありません。 だからと言って女性嫌いではありません。それどころか彼の周りに現れる女性といつも恋に落ちていたようです。結果は悲惨に終わっても。 名前を挙げるとヨゼフィーヌ・ダイム、テレーゼ・フォン・ブルンズウイック、テレーゼ・フォン・マルファッティ、アマーリエ・ゼーバルト、ドロテーア・エルトマン、アントニエ・フォン・ブレンターノ、それにジュリエッタ・グルチャルディなど、ベートーベンの死後発見された「不滅の恋人」への手紙三通の候補者たちです。 恋に落ちていなければ暮らしていけないほどのロマンスがそのたびにあったのでしょう。 これらの女性たちとのエピソードで有名なのは、ジュリエッタ・グルチャルディとのロマンスです。 彼女はベートーベンのピアノの弟子の一人でした。 彼はジュリエッタに熱烈な恋心を抱き、彼女のほうも満更ではなかったようです。 とうとう結婚する気になったベートーベンは彼女に告白しますが、貴族の令嬢と街の一介の作曲家・音楽家の結婚など当時の常識ではとても認められない話で、彼女の父の猛反対にあってこの話は壊れてしまいました。 この恋愛中に(ベートーベン 30歳のとき)生まれたのがピアノソナタ第14番 嬰ハ短調でした。 後になって「月光」と名付けられた作品です。 ベートーベンはこの幻想的なソナタをジュリエッタに捧げています。 夢幻的で幻想的な佇まいの第1楽章、愛らしく典雅な表情の第2楽章、情熱的で激しい恋の炎がメラメラと燃えているような激しい感情の吐露を表すような第3楽章。 ここにはジュリエッタへのベートーベンの愛の吐露が充分に表現されているようです。 この第14番のソナタが何故に「月光の曲」と呼ばれるようになったのでしょうか? 後世の詩人レルシュタープという人がこの曲について、「あたかもルツェルン湖の月光を浴びながらたゆとう小舟のようだ」と表現したことから生まれたと言われています。 ベートーベンの32曲のピアノ・ソナタ中でも屈指の名曲です。 愛聴盤 マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ) (グラモフォン・レーベル 453 457-2 2001年5月録音 海外盤) バックハウス、ルプー、ギレリスなどの盤を聴いていたのですが、2001年のこの新しい(再録音)の透明感に溢れるピリスのピアノに魅かれています。

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