2016/06/04(土)22:13
嵐をゆくバス
バスは定刻に駅を出発。
小さな町中を循環しながら、
乗客を乗せてゆく。
席数20に満たないミニバスは満席。
このバスならば、輸送効率がいいようだ。
もしこれが鉄道の客数だったら
たとえ1両編成であっても確実に赤字だろう。
代替は成功だ、が、
この先もこの客数が確保できるのかは
わからない。
バスはこれから低い山地を越えて
目的の海沿いの町へ。
昨年の自転車旅をあきらめた場所だ。
山を登るバスは、
嵐のように強くなる雨と風のなかに
突っ込んでいく。
バスの窓を打ち付ける雨粒。
ボクの事前の計画では、
峠まできたら、降りて自転車で自走しようと
思っていた。
無理無理。
遠慮します。
こんな雨のなか。
とんでもない。
ボクはバス輪行を続けるしかなかった。
暗い顔で自分の運命を呪いながら。