ドン･アルフォンソ1890の“カッパ”

May 8, 2006

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カテゴリ：食材

このところ、イタリアの有名シェフたちのレシピをあれこれ訳してました。
でも、聞いてくださいよー、これがもう、大変なんです！

グランシェフのみなさんは、聞いたこともない食材を使うのが大好きなんですねー。
ところがこちらは、毎日、サバの塩焼きとか食べて暮らしてるんだから、スーパーで売ってるもの以外、知ってるわけないのだー。

たとえば、今日はまず、ドン･アルフォンソ1890という、南イタリアを代表する高級店（店のHPはこちら）のレシピで、もうぐったり。
その料理は、タコのインサラータに、白いんげんのピューレ、アサリのゼラチンがけ、ビーツのソースを添えるという構成。

問題は、アサリのゼラチンがけ。
材料は、アサリ20粒、EVオリーブオイル、にんにく１片、イタリアンパセリ、そして、･･･ん？
「kappa　3g」
？？？
カッパ？

なんじゃこりゃあ。聞いたことないなあ。

さっそくイタリアのサイトを検索してみたんですが、出てくるのは、あーやっぱり、「河童」ばっかり。
ちゃうちゃう、河童じゃないんだよー。
あと、スポーツウエアのカッパでもないよー。
カクテルのカッパ･Ｇでもないってば。

カッパ (Kappa) トレーニングジャケット KFET7024 [分類:サッカージャージ上]

あ～、どこをどう探しても、答えが見つからない～。

仕方ない、こうなったら、「カッパ３g」って訳すか。

いやいや、いくらなんでも、それは私のプライドが許さない。
ここであきらめてはだめだ。
よ～し、もう一度、検索のやり直しだあ！

これの繰り返し。
いよいよ、ほんとに「カッパ３g」ってことにしてしまおうと思った時、奇跡のように、手がかりが見つかりました。

料理の作り方を読むと、どうやら、カッパはゼラチン状にするもとの材料のよう。
そこで、イタリア語で「カッパ入りゼラチン」で検索してみたら、そういうものが、実際にあったんです！
そのサイトをチェックしたら、どうやら、カッパとは、海草の一種のよう。
しかも、アイルランドに関係があるらしい。
それをきっかけに、次から次に、謎が解けて行きました。

結局、kappaとは、アイリッシュモスのことだったんです。
え、アイリッシュモスって？
ふう～、今度はアイリッシュモスの調査だよ～。

そしてようやく、すべて解決。
アイリッシュモスは、ビールの濁りを取るために使われる海草の一種。
寒天のようにものを固める作用もあるみたいですね。

ここまでで相当の時間がかかってるんですが、訳した文字は、「アイリッシュモス３g」と、わずか数文字。
この文字に隠された、血と汗がにじむ苦労なんて、誰にも知られずに終わってしまうのだー。
きっと、さらっと読み飛ばされてしまうんだろうなあ。

まっ、いいや、次、いってみよう。

お～っとやばい、次はラ･ペルゴラのハインツ･ベックシェフのレシピだ！
このドイツ出身のシェフは、ローマの超高級ホテル（カヴァリエーリ･ヒルトンのHPはこちら）の超高級レストランのシェフで、一筋縄じゃいかない料理を作る常習犯。

今回の料理は、スカンピのカルパッチョに、ライムのジェラティーナとテキーラのグラニータを添える、という内容。
スカンピのカルパッチョって、初めて見たなあ。
ようは、叩いて平らにしただけなんですけどね。
すごくきれい。

料理自体はごく普通。
ほっ。

飾りに、紫いものチップスと、ハワイアン･レッドクレイソルトがあるっていうのがちょっと凝ってるけど、カッパに比べれば、全然普通だあ。
でも実は、ハワイの赤い塩のこと、初めて知ったんだけどね＾＾；

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Last updated May 9, 2006 08:41:48 AM
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