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May 16, 2006
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カテゴリ:料理
イタリアの料理史上に残るおバカな人、見つけました。

その名は、フィリッポ・トンマーゾ・マリネッティさん。
職業、詩人。
写真

この人、ヨーロッパ中に広まった、「未来派」(フトゥリズモ)、という芸術運動の発端となった人です。

時代は20世紀初め。

イタリアは、工業化がずんずん進む一方で、南部はどんどん貧しくなって、大勢の人が移民となってイタリアを出て行った時代。
労働運動とか、ナショナリズム運動とか、色んな文化運動が、次から次に湧き起こる変化の時代。
イタリアにも植民地があって、やがて第一次世界大戦が起こって、ファシズムが台頭する時代。

そんな時に、マリネッティさんは、古い価値観にとらわれることを徹底的にバカにして、力やテクノロジーを過激に礼賛して、

「常に最前線にいて未来をつかみ取るのだあっ!」

と、叫んだんですねー。

古いものに囲まれたイタリア人にとって、彼の主張は、今まで言いたくても言えなかったことだったみたいで、あっと言う間に、賛同者続出。
建築とか、音楽とか、色んな分野で、続々と「未来派宣言」が発表されました。

マリネッティさん、これですっかり調子に乗っちゃって、なんと、「未来派料理」、ちゅーもんまで考え出したんですねー。
で、なんて言ったかと言うと、

「パスタのような宗教じみた食べ物は、根絶してしまえー!」

普通なら、こんなこと言ったら石でも投げつけられそうだけど、そこは時代の勢いというもの。
共感して、未来派レストランを開く人まで現れたっていうんだから、人間って、わからない。

ところがマリネッティさん、つめが甘かった。
過激に「パスタ根絶やし論」をぶった後で、ついうっかり、湯気の立ったパスタをおいしそうに食べているところを、目撃されてしまったんですねー。
おかげて、料理の世界では、21世紀になった今でも笑われて、語り継がれてます。

マリネッティさんを初めとして、未来派に関わった芸術家は、その後、ファシスト党と深い関係になっていきました。
でも、そういう面とは切り離して、未来派の思想自体は、評価されているんですね~。

マリネッティの“作品”
  ↓
www.geocities.com/comprepoetica/Blog/OldBlogs/Blog00594.html

その解説
  ↓
www.art.tokushima-ec.ed.jp/text/hon/hon_text2.htm

イタリアの20ユーロセント硬貨の裏は、未来派の彫刻家、ボッチョーニの作品、『空間における連続性の唯一の形態』
  ↓
http://it.wikipedia.org/wiki/Immagine:It_20cents.jpg

元になった彫刻は、ミラノの近代美術館に。
  ↓
http://www.btinternet.com/~connectionsinspace/boccioni.jpg

素晴らしい~。
芸術としてはちゃんとしたものなのに、未来派料理宣言は、やっぱり笑っちゃうよなー。







Last updated  May 17, 2006 09:09:56 AM
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