ろー・ふぁーむ・かるぴお by pridegreen

2009/02/25(水)22:15

極私的音楽論3:70年代ポップスの底力

私の音楽館(29)

最近,家にいても活字が頭に入らないので,暇さえあれば音楽を聴いて知らないうちにまどろむという非生産的な生活を,しかもお日様の高いうちから送っている。私のiPodはクラシックから演歌まで,デューク・エリントンから三波春夫まで,しかも植木節付きというとんでもない代物であるので,うっかりシャッフルで聞いたら大変なことになる。最近は16ギガバイトに買い換えたのをいいことにどんどんいろんなものが増殖しているから,クレンペラーやケーゲルの指揮するクラシックの後に植木節が流れ,その後オバマの演説で盛り上がってたかじんのディープな世界に落とし込められ,最後は大至の相撲甚句でとどめを刺されるという仕掛けになっている。 そのなかで,最近勢力を伸ばしつつあるのが,70年代から80年代前半にかけての歌謡曲である。もともと松田聖子とか小泉今日子その他同時代のベストアルバムはひとしきり持っていたのだが,最近キャンディーズのベスト盤CDを手に入れ,加えてピンク・レディーの曲をiTune music storeからダウンロードして,ついでの岩崎宏美あたりもアルバムに加えた。その中で1曲,ぼーっと聞いていて脳天にガツンと一発食らったような衝撃を受けた曲がある。それは, これ→→である。 かつてこの稿では私は真剣に,ビッグバンドやフルオケとエレキサウンドとの融合がこの時期のポップスの音楽を豊かにした理由であるとさんざん述べてきたが,この曲のサウンドは,完全にエレキベースが勝っていて,ところどころオケのサウンドが聞こえる,というくらいである。しかし,よくよく聞くと,編成が極めてチープなのである。多分あまりスペックの高くないシンセサイザーとエレキギター,エレキベースとパーカッション,それに編成を極端に少なくしたオケ(ストリングスだけかも)と言っていいかもしれない。その点は,ピンク・レディーのサウンドの最大傑作とも言える「UFO」と大違いである。 しかも,歌詞の合いの手に入るメロディーの音をよく聞いてみたら,なんとシロフォンである(あるいはマリンバかもしれぬ)。この曲のメロディーは,シンセサイザーとエレキストリングスと木琴によって全て完結していると言っても過言ではないのである。 しかし,あの当時を知る人からすれば,この「サウスポー」がピンク・レディーの曲の中でグレードが低いなどと思う人は誰もいるまい。結局,エレキもシンセも使いようなのであって,さらにその出来の良し悪しを決めるのは, 音楽に対する心がすべて なんだろうと思う。 どうも最近前衛性を失って退化著しいJ・POPの底流には,案外そんなところがあるのかもしれぬ。いや,私に言わせれば,昭和10年代や20年代の曲に現代的な想像を絶する前衛性の塊のような曲がごろごろしているのだが。この点については,また追い追い書いてみたい。 ただし,「サウスポー」もたいがい凄い着想の曲である。若い女性のプロ野球投手が「背番号1の凄い奴」である前田智徳,ではなくて王貞治を相手に真剣勝負をすると言う舞台設定を考えた阿久悠もさすがは当代一流の作詞家だったと言うしかない。 と,いうわけで。 RCC藤村伊勢HTV森拓磨HOME松藤好典TSS深井瞬の4人の歌唱による「それ行けカープ」。 ちゃんと曲に対するリスペクトがあるかなあ。 この曲に真剣に向き合って歌ってくれてるかなあ。(←結局それかい) ところで,本編とは関連はないが,キャンペーン中なので呼びかけたい。心あるカープファンの,いや全国の皆様に呼びかけたい。 私が渾身の力を込めた大署名プロジェクト  現行広島市民球場を「登録有形文化財」として保存しよう! (URLは「http://www.shomei.tv/project-773.html」)である。 御賛同いただける方は,ぜひご署名をいただきたい。そして,友人知人の方にご紹介をいただきたい。ブログ,WEB-SITEをお持ちの方は,この署名ページへのリンクを,そしてブログパーツを貼っていただきたい。どうもいまのところ数が伸びない。今は雌伏の時と思って辛抱して宣伝する次第である。 なお,このサイト,私からも軽々に個人情報を見ることが出来なくなっている。もちろん,頂いた個人情報は今回のプロジェクト以外の目的には一切使用しないことをここに宣言する。 そういえば「UFO」は山内泰幸。 BlogPeople ↑ポチッと,クリックしていただけると励みになります。よろしくお願いします。

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