ろー・ふぁーむ・かるぴお by pridegreen

なんやかんやで，CSファーストステージ第1戦を結局最後まで見てしまった。感想は，特にない。これでスワローズが追い詰められたとも，ジャイアンツが決定的に有利になったと思えない。

敢えて言うならば，スワローズは青木宣親ひとりいなくなったらこうも脆くなるものかと思った次第である。一方のジャイアンツ，何もかもが上手く嵌まった。これだけの差である。したがって，明日も明後日も同じように試合が運ぶかどうかは分かりませんよと言いいたいところだが，明日同じような試合が展開されたらシリーズは終わってしまう。それを踏まえて両チームがどんな策に出るかというところが明日の見どころというだけである。

カープファン界隈においては，やれベイスターズが出てこなくてよかっただのジャイアンツが来てくれたほうがやりやすいだのいう言説が罷り通っているようだが，そんなものは一顧だにされるべきではない。もっといけないのは「普段着野球で臨むべき」などといった根拠薄弱な言説を流すことである。そんなものでPSGが勝ち抜けるほど，甘くはない。

短期決戦は先手必勝である，そして1試合9イニングの中でも先手必勝であるということは先日述べたとおりである。これはもう短期決戦のお約束ごとと言ってもいいことであって，それ以上でも以下でもない。その観点から見るに，一番危惧しているのは試合序盤である。ホームゲームで行うというアドバンテージは大きいのだが，それを活かすためには，序盤からガツガツと攻めて点を取っていかねばならない。しかし，シーズン終盤のカープの野球を見たら，それが全く覚束ない。その間に先に点を取られて，重苦しい空気の中で野球をやることが，一番怖いのである。

そのためには，おそらく緒方が固定起用するであろうタナキクマルの責任は重大なのである。いや，この3人の中にひとりでも機能不全の選手が出てきた場合にどうするかというところが指揮官の腕の見せ所といってもいいのだ。幸いに今のカープにはMr.October候補はたくさんいる。しかし，使えなければ雑兵に如かずである。このあたりを緒方が理解出来ているかは，まことに心許ない。

一番いけないのは，緒方孝市が呪文のように唱え続ける「投手を中心とした守りの野球」というスローガンに選手起用が束縛されることである。PSGはどんな手を使ってでも先に４勝すればよい仕組みなのであるから，そのチームのストロングポイントを前面に押し出していく方が覇権への近道である。カープの場合，それはやはり攻撃力だ。だから，なおのこと打ち勝つ野球を指向しなければならないのであって，それ以外の答案は0点と理解する。稲尾杉浦というようなスーパーマンを擁していたら話は別だが。

どうも一部カープファンの中には，8-7で勝つより1-0で勝つ方が優れていると思う向きがいるようだが，誤りである。それは私から言わせれば一種の敗北主義である。野球の勝ち方に良し悪しはない。まして野球は公認野球規則で9回終了までにたくさん点を取った方が勝者とすると定められているのである。勝利が全てであり，内容は二の次なのである。況んや，短期決戦をや。

それにしてもだるい。


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（後記）
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