ろー・ふぁーむ・かるぴお by pridegreen

今日は旧正月，といっても別に旧暦を祝う習慣はないのでどうだっていいのだが，一方で来週の今日はスプリングキャンプ初日，いわば「球界の正月」と言ってもいい日である。オフシーズンは終わりを告げ，いよいよプレシーズンに入るのである。

その変わり目に近づいたということもあってか，ぽつぽつと主力選手の自主トレ便りが舞い込んできているところである。もちろんこんな時期に悪いことなど出て来るわけはないから，話は半分に聞いておかねばならないし，特にここでネタにするほどのこともない。全てはスプリングキャンプで，いや他流試合で見せていただきましょうというところなのである。それに，順調のように見えてその実故障を隠されていたような例があるから，余計にそうだ。

しかし，一方で些かの違和感を感じてしまったこともある。これについては何度も書いたところなのだが，敢えて重複を厭わずに書かせていただく。いずれも今日のWEBニュース，と言うことはスポーツ新聞の記事となったところなのだろうが，を見ての感想である。

安部友裕がサードのポジション奪取に向けてこのオフは梵英心のアドヴァイスを受けて自主トレをしているようなのであって，もちろんそれはいいことなのだが，それを報じたある社の記事に喝を入れたくなった。サード争いのライバルがピレラになることを想定したものであるのだが，要は安部が結果を残せばピレラには負けるはずがない，という書きぶりだった。

これはもう，ちゃんちゃらおかしい。安部とピレラの実績を比べたら断然ピレラの方が格上だ。安部がフルシーズン結果を残したのは1年のみ。本来なら比較することすら躊躇われるのだ。もちろん負けてたまるかという思いを持ってもらわなきゃ困るのだが，だからといっていかにも安部がそんな大選手であるかのような書きぶりはミスリーディングに過ぎる。きっとこれは，球団上層部に安部を推す向きがあってそのイニシアティヴで書かれたに違いないと考えるのが相当だ。

こんなタニマチごっこをやっていたら，間違いなく伸びるものも伸びなくなる。野間がいい例じゃないか。

その野間についてだが，在広プレスの持ち上げ方は呆れるくらい気味が悪い。一種の褒め殺しじゃないかと思うくらいであるが，きっと褒め殺しじゃないんだろう。これについては過去に書いたところだから繰り返さない。

何かの記事で，誠也が今のカープの若手について，全般的に甘さが見られるというような話をしていたのを読んだが，そりゃそうなるだろう。球団上層部の依怙贔屓を受けているような準主力選手を見たら，目指すところは必ずそこで止まってしまう。どことは言わないが関西に本拠地がある電鉄会社球団が一向に若手のBreakthroughがないのはきっとそのせいだと睨んでいるが，それと同じ轍を踏んでどうするんだと言うことである。

幸か不幸か，戦力ダウンがほとんどなかったという非常に相対的な理由で，今シーズンのカープの前評判は高い。しかし，こんなことが起こっているようでは，やがて邯鄲一炊の夢にもなりかねない。その先に待っているものは，「失われた二十余年」だ。

燃え落ちるのは一瞬だよ。


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