カテゴリ:愛鋏 植木鋏
愛知県津島では、3軒の津島鋏を製造している。兼由、カネヨシマル、藤原兼光の探索が終わりました。
昨日、クリスマスイブだというのに改めて津島に赴きました。いつも目的地をリサーチして行くのですが・・・やられましたね。津島市古川町まで、目的地24分と在りました。しかも藤波からです。数人しか昇降客が居りませんが、藤波駅をおり古川町を尋ねてみました。 またまた、親切なおとーさん。「古川町?、歩くの?」 はい。「ほんとに?・・・けっこうあるよ!!」はあ。 途中で3人に尋ねましたが、やはり歩くには、遠い場所のようです。 ![]() 案の定、30分歩行です。2、3キロは、歩いたと思います。いい運動でした。そんなこんなで「兼光」です。 ![]() やっと着いてオトーサンのお話、私のほうから今までの経緯や画像を見てもらうと「枡屋」さんで頂いた画像は、特別に誂えた鋏だということが解った。 それからここは、様々な注文を聞いて製作する鍛冶屋である事。つまり、ここでは、花鋏、盆栽鋏、庭匠師鋏、植木鋏、津島鋏各種とあるようにどんな鋏でも造ります。そこが、兼由丸と違うところだ。今思うと、「枡屋」さんのところの鋏や「まるひろ」さんの鋏は、「兼光」の鋏に間違いない。 ![]() 左、庭匠師鋏 右、盆栽鋏 ![]() おとーさんに言わせると。今の人たちには、「風情も余裕もなんもネエと」 云ってた。その年、一丁3年が年季。年の暮れには、次の年の分を誂える。それが今は、無い。しかも、「俺の頃より、刃が長ぇ」 何かというと、注文で造る鋏の刃の部分、穂先というが穂の部分が昔に比べ長くなっているそうだ。現在は、2寸5分約7cm昔は、2寸2分か2寸約6cmだという。それは、研ぎ減りを考慮しているからだという。 もう一つの理由は、葉刈りのため長穂になっているのだという。 もともと、この津島鋏は、手刈り込みに向いている構造になっていないはず、それは、わらび手(持ち手)が全体に比べ低い位置になっている。これは、持ち手部分が浅いため大きく全開しにくい。つまり、手刈り込みに向いていないことが解る。手刈り込みの鋏が必要ならば、佐助や大久保のほうが全開に開く間は、津島に比べると開きやすいはずだ。 時代の流れで鋏の使い方が津島鋏の構造を必要としなくなったのか、植木屋さんの質レベルが下がっているのか、いずれかだと思う。 「修理が必要ならいつでも送ってくれ」そんな未来のあるお話を大正11年1921年生まれの88歳のオトーサンと最後は、熱い握手で分かれた。 帰りは、津島駅まで15分ひたすら歩く。 ようやく、津島駅に着いたけど時計を見ると2時になっていた。何処か昼飯を食べるところが無いか探してみたが、駅周辺は、閉めている店が多い。紡績や服飾関係で成り立っていたこの地域は、文化と共に沈みきっている。先週もこの地を踏んだが皆、まじめで親切ですばらしい人達だ。本当にこんなことでいいのだろうか?。 何度でも書きます。新潟で造られている鋏は、津島鋏では、ありません。 「津島型」鋏です。 ショックかもしれませんが、 利○や秀○・花○雪・五○石は、「津島型」鋏です。
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神奈川で庭屋をやらせて頂いております。
そろそろ良い鋏が欲しいと思っていた時に、こちらのブログに辿り着きました。私の行動範囲には中々よい刃物屋がありません…。今使っている鋏が津島型でして、どうせなら直接鍛冶屋さんの所で購入をしたいのですが、兼光さんはどのような職人にも鋏を譲って貰えるのでしょか? 突然この様なコメントですみません。 (2014年06月02日 17時25分02秒)
石渡と申します。さん
はじめまして ご返事遅くなりました。 2013年昨年、奈良の友達が数丁注文しています。 伺って購入となると交通費がかかりますが電話注文できるようです。既に手に入れている様でしたらご堪能ください。連絡先はネットで検索可能です。 (2014年08月24日 17時26分40秒)
こちらこそ、お返事遅くなりまして…。
9月の初旬に兼光さんの所へお伺いしようと思っていたのですが、今年はバタバタしてしまって気がつけば年末に向けての剪定作業にそろそろ入る時期になってしまいました…。 電話でも注文出来るようですが、大きさ等、やっぱり握ってみてからにしたい気もします…。 お忙しところ時間を使っていただき、お心遣いありがとうございます。 これからも、参考にさせて頂きます。 (2014年10月02日 22時05分23秒) |
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