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心のままに・・「き・ろ・く」

心のままに・・「き・ろ・く」

(2007.10~12 今年のベスト3)

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前のブログに載せていたものもここにも「き・ろ・く・」

【2007・10~12 今年のベスト3】


10.8  「楽園」宮部みゆき
 

「愛情を注いで、懸命に育ててきた我が子が、
自分の手から離れ、親の目にはみえない流れにすくいとられて
みるみるうちに遠ざかっていく。手が届かない。声がとどかない。
振り返ってくれた子供のと目が合っても、
そこには理解しがたい暗い色が見えるだけだ。」
・・・自分の子が流されていくのを引き戻し、
取り返す。命を引き換えに・・

こんな文章を読んでちょっとため息・・・

私としては子を持つ親として
いろいろ考えさせられた1冊でした
子を想う親のいくつかの愛の形がテーマの
ミステリーだと思います

少し重いミステリーでしたが
ある登場人物の人柄には本当に救われた感じでした

(それにしても宮部さん、人物像を描くのが
上手です・・・・いつも感じることです)

あとがきでどんな想いでこの小説を書いたのかを
記した宮部さんの言葉もまた胸が痛むものがありました


上巻を読んで私が予測した
ストーリー展開ではなかったことが
おもしろかった点でもあり
またその展開の速さに「おやっ?」と
思うところも・・・



10.18 「サウスバウンド」奥田英朗


この作品は映画化されて私の好きな「トヨエツ」がでています
小学生の目線でみた自分を取り巻く環境と
大人たちについておもしろく書いています
ですから小学生高学年から大人まで楽しめる本ですね

夫「この本読んでみる?」
私「え?誰?知らないわ~」とぺらぺらめくる・・・
「こういうのちょっと・・・私はあまり・・・
短編集好きじゃないし・・・」なんて

夫「でも直木賞受賞作家の作品だよ」
私「え~それじゃ読んで見るわ~」と
手にしたのが「イン・ザ・プール」
(これは直木賞候補作だったかな?)

直木賞受賞作は「空中ブランコ」です

この二冊精神科医の伊良部シリーズ・・・
とにかくおもしろくてニヤニヤ?うふふ?
がはは?と笑ってしまいますので、
外で読んだら「怪しい人」に思われます

息子も何冊か読んでます

伊良部シリーズ
ドラマ化?映画化?させていたんですね
役者は・・・・「あの人しか考えられない!」
と夫と思っていたのに違いました
・・・残念

ちょっと「?」なところもあるのですが、
ま、それはさておき
笑える、リラックスして読める本です

眉間にシワを寄せてうなりながらのミステリーも
好きですが思わず笑っちゃうこんな本も良いですね


10.27 「いつまでもデブと思うなよ」岡田斗司夫

「社会は明らかに家柄主義社会、学歴主義社会、
ブランド主義社会を経て、いまや見た目主義社会が
やってきている」「人間は中身で判断すべき」
というのはいつの時代でも正しいけれど
社会が見た目印象主義であることを認識した上で、
どんなことが起きどんな行動や努力が効率的に機能するのか、
その対応を考えるほうが有益である」
というのがこの本のコンセプト

著者が自分の体験を書いています
「レコーディング・ダイエット」
つまり「記録しながら体重をおとす」というダイエット

まずは食べたものを書くことから始め
そのうちカロリー計算も加えていく
そうすると意識するようになって
だんだん食生活もかわっていろいろな意味での
自己コントロールができるようになるというもの


11.27 「白く長い廊下」川田弥一郎


江戸川乱歩賞受賞作の川田作品を読みました
この作家の作品ずいぶん前に数冊読んでいるのですが、
久しぶりに楽しめました
病院とは縁が切れないだろう私は医学ミステリーが大好き
(最近はメディカルミステリーだとか・・・)

患者としての立場のみならず
病院、医師の立場からの医療現場が垣間見れるからです
(・・・てこれどこかでも書いたような?)

この作品も病院が舞台で医療器具を使ったトリックや
病院医局内での問題など興味深く読みました

医師は患者の病気に対して
あらゆることを「想定」して治療を試みる・・

日常生活では人間関係においても
それがあてはまるとすれば・・・

主人公のように医師も「探偵」になれるのかしら~
なんて思ったりしたのでした
今度はこの作品の続編の「白い狂気の島」も
読んでみようかしら


11.28 「夜明けの街で」東野圭吾


内容も良く知らず東野さんの作品というだけで
図書館でリクエストしてやっと順番が来たこの本

読み始めて「恋愛小説?」って思いました
内容もなんだか共感がもてるとか
うなづけるようなところが少なくて・・・
(内容が不倫だからかな~)

でも・・・
読み進むうちに「おや?」これってミステリー?
その後はあっという間に読み終わりました

ラストは「こうきたのね~、さすが!」って感じで
楽しませてもらいました
(途中までのあの悶々とした感じがあったからなおさら?
・・・でしょうかね)



12.3 
「ウランバーナの森」奥田英朗


ミステリー好きの私ですがちょっと一休み
重たいテーマの後などに最近読んでいる作家の作品です

とにかくおもしろい・・
何も考えずに笑える奥田作品

病院や美容院の待ち時間は読書に最適
でもこの作家の本はちょっとダメかな~

なぜなら・・・
きっとニヤニヤしてしまうから・・

何冊か読みましたが
(フリーページに載せてます)
今回はデビュー作のこの作品
タイトルからして、ちょっといつもと違う感じも期待しつつ・・

え~ちょっとこれは最後まで読めないかも・・
でもだんだん読んでいくうちに
結構シリアスな面も?

読み終わった後にはちょっと温かいものが・・・
ちょっと不思議な本です

あとがきを読むと・・・
最後まで私は気が付かなかったのですが
なんとビートルズのジョン・レノンの
活動停止期間を著者が
フィクションで書いたというもの


12.15 
「チーム・バチスタの栄光」海堂 尊


夫と一緒に書店に行って夫の手にしていた本
私も読みたかったもの

本を読むのが早い夫はあっという間に読み、
「なかなか良かったよ」っと。
読みかけの本があったけれどこちらから先に・・・

なんだか私が唯一観ているドラマ「医龍」と
オーバーラップしてしまうところがあって・・・

おもしろかったけれど、犯人は
あの人しか考えらない・・
とすれば単なる医療サスペンスとしてでなく
作者が言いたかったことはなんだったのでしょう

クライマックスというところで、
テレビでこの作品の映画化のインタビューや
ウェブサイトを見てしまって・・・

実は配役にがっかり
私がイメージした人たちと全然違う・・

田口医師が「女性」だなんて
繊細な桐生先生が、彼だなんて・・・
白鳥役が阿部さんだなんて・・・

「トリック」や「結婚・・」のキャラクターが
強すぎて・・・

そういえば今年になって読み始めた
「奥田作品伊良部シリーズ」の伊良部医師と
この阿部さん扮する白鳥はキャラクターに
共通点があるような気がして・・・
映画化されたら伊良部先生はこの人がぴったりと思っていた
「田中浩正さん」が「チーム・バチスタの栄光」に
入っているんですよね
(伊良部医師の映画化は別の人でしたが)

彼が白鳥役でも良かったような・・

どんな映画になるのかしら
観たいような、原作だけにしておいたほうが良いような・・・
迷うところです



12.18 「白い狂気の島」 川田弥一郎


「白く長い廊下」の続編
今回も恋人の鋭い勘と推理に助けられ
現役医師が探偵のように
事件を解決していく物語


受賞作よりもおもしろく感じ
あっという間に読み終えました
とくに後半のストーリー展開には驚かされました

誰もが持っているようなほんの小さな
心の闇みたいなものがちょっとしたことで
大きくなって行く様子に怖さを感じるものがありました

川田作品、時代ものも多いのですが、
私は時代ものはちょっと苦手
後一冊読んだか読んでいないか不明な本が一冊
捜してみようかと思います



12.25 「クレージーヘブン」垣根涼介


いまはなき「サントリーミステリー大賞」を
はじめ色々な受賞作品がある垣根涼介さん

受賞作「午前3時のルースター」を
読んでからもう数年
久しぶりに垣根作品読んでみようと
ネットで図書館の検索リストから予約しました

読みはじめると・・・
(たぶん書店で手にとってパラパラとしたら
絶対に買わなかっただろうもの

なんと性的描写がすごい
なんだかドキドキしてしまう感じ
どうしよう、途中でやめようかと思いつつ・・

かえって「これで結局なにがいいたいのか?」
最後まで読まなければわからないと思い
読み続けることにしました・・・

結局なんだったのでしょう・・・

人は自分のしたこと、思うこと
一つひとつについて自分自身が
きちんとけじめをつけ
納得できることを見つけるまで前に進めない?
・・・・こんな感じのことがテーマなのでしょうか?

史上初の三冠受賞「ワイルド・ソウル」
この作品は本人が「この本は、私がその当時、
持てる力のすべてを出し尽くした作品です。」と言っています
今度これを読んでみようかしら



12.26 
「たぶん最後の御挨拶」東野圭吾


大好きな東野さんのエッセイです
エッセイはあまり読まないので気になりつつも
読む本が山になっていたので後でということにしていたけれど
「はっぱりこれは優先!」と・・・

これを読んで作品はもちろん
より一層ファンになってしまいました

年齢的にあまり変わらないこと
(ばれてしまう、少しお兄さん・・(^^;))
おちゃめな感じ

真保裕一さんをはじめ
私のお気に入りの作家との
やりとりに思わずニヤっとしてしまったり

おもわず笑ってしまうことしばしば
大阪弁で書かれているところがあるのも
またいい感じ
国語が苦手で大嫌いだったのに作家?
でも大学の工学部で学んだことは「ガリレオ」
などにも生かされているし

夫の勧めで「天空の蜂」から読み始めた東野作品、
私の一番好きな作品です
(取材3年、執筆1年のこの作品は
彼の一番想い入れのあった作品だそうです)


今日「何かおススメの本ない?」という息子に

「お父さんも、お母さんも好きな一冊よ~」って
自信を持って渡したのがこの本「天空の蜂」

どんな感想をもらえるか楽しみです

東野作品、私は少し軽い感じのものは
あまり好きではないのですが
このエッセイを読んで
まだ読んでいないちょっとコミカルなものや
「あの時僕らはアホでした」というエッセイも
読んでみたくなりました


今年私が読んだベスト3

【第1位】


「シリウスの道」(上下) 藤原伊織


日記で感想は書いていないのですが
「テロリストのパラソル」で
史上初の乱歩賞・直木賞を同時受賞
「名残り火」以外はすべて読みましたが、
私は読んだ中ではこの作品が一番になりました
「ビジネス・ハードボイルド」という
ジャンルだそうですが、
ミステリー的なところもあります
すごいインパクトのあるストーリーという
感じでもないのですが
出てくるキャラクターの
控えめながら伝わるさまざまな感情に
胸が熱くなりました

もっともっと藤原作品読みたかったのに
とても残念です


【第2位】


「使命と魂のリミット」 東野圭吾 

「たぶん最後の御挨拶」のなかで書かれていたのですが
東野さんのお母様は大動脈瘤とがんを患って
どちらも切除できずに死去されたそうです

その時に得た知識が盛り込まれていて
専門的なことはお手上げなので医学ミステリーは
書けないから医療への期待と描こうと思った作品だそうです



【第3位】


「さまよう刃」東野圭吾
 


この3冊の他に候補になったのは

 
「楽園」宮部みゆき
 


「チーム・バチスタの栄光」 海堂 尊 


でも・・・今読んでいる海堂作品

「ナイチンゲールの沈黙」

これが読み終わるとひょっとして順位が入れ替わるかも・・・


ミステリー好きな私ですが
夫のおススメで読み始めたちょっと気分を変えて
ホッとさせてくれた作家の奥田英朗「サウスバウンド」その他

読書記録に載せ忘れたもの
途中で読むのをやめた本もありますが
読書の時間は私にたくさん充実した時間を与えてくれました

また来年もおもしろい本、感動する本に
出逢えるといいな~
どうしても好きな作家ばかりを読んでしまいますが、
ブログのお友達のおかげで新しくお気に入りの作家も
増えてうれしいです





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