914262 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

心のままに・・「き・ろ・く」

心のままに・・「き・ろ・く」

(2008.11~12)今年のベスト3



r,book 読書感想r,book

前のブログに載せていたものもここにも「き・ろ・く・」

「読書感想」はあくまでも私自身が
感じたこと、「つぶやき」です
テーマ読み込みも的を得ていないだろうけれど
その時に感じたことを忘れないうちに
「き・ろ・く」


【2008.10~12】

「無言の旅人」仙川環

10.4
ミステリー性もあってテーマも重かったです

今回は「尊厳死」について

自分のこととして考えると答えはすぐに
でてくるものの・・
周りの人たちの気持を考えると

そして逆の立場として考えて
意識がなくとも愛する人の温かい体を目の前に
受け入れられるのか

本人の意志を尊重してあげられるのか・・
尊厳死の意志を持っていた人物が
のちにともに人生を過ごす相手を得て

「誰かのために意識がない状態ででも
力尽きるまで生き続け死ぬことも尊い死のあり方」

・・・と意志を変えたこと

二人で考えました
(もちろんすぐに答えの出るような問題ではですよね)
友人が10年以上前に意識不明のまま
亡くなっています
彼女はどんな気持で天国に逝ったのでしょう・・

海堂作品「螺鈿迷宮」でも考えさせれたことがふと頭に甦り・・

自分の最期・・・どう迎えるのか、どう迎えられるのか
病気だけでなくどんな事故、
事件にまきこまれるかわからない昨今
日々を笑顔で心豊かに過ごしたいものです


「悪性 マリグナント」米山公啓

10・14
先月の「誤診」に続いて読んだ米山作品

田口ランディ「CURE」とストーリーが似ていて
医師が患者になり両方の立場から医療をみています

「入院」というのは病院、医師にとっての
都合であって患者にとって牢獄のよう
囚人のように服従させるためにまずパジャマを着せるのでは・・・

「CURE」にも同じようなことが書かれてました

まさに以前私が感じたこと・・・
(私は医師ではないから患者としての
勝手な想いであるのはいうまでもなく・・・)

今までの病院通い、沢山の医療関係のかたに出会いましたが
「自分のこととして、自分の大事な人のこととして
考えてこんなことができるのか?いえるのか?」
・・残念ながらそんなことを感じたことは何度もありました

前の作品同様、ストーリーにすっきりしないところと
ラストの展開ではなんとも
・・・という感じではあるものの
やはりテーマのしっかりした作品です

最近、誤診、延命、尊厳死・・など重いものを読み
また身内に心配ごともあったので
いろいろと考えながら読んだ本でした


「聖母・ホスト・マザー」仙川環

10.19
仙川作品「感染」「治験」に続いて3作品目

内容は海堂作品「ジーン・ワルツ」とテーマがちょっと似てました

私は運よく授かったものの
不妊治療をしていたので
その時の気持を思い出しながら読みました

当時かなり話題になった嬰児の遺体が
たくさん自宅から発見されたとか、
コインロッカーやいろいろなところに
産み落とし、置き去り・・
・・・という悲惨なニュースにどれだけ胸を痛め
憤りでいっぱいだったことか・・

せっかく生まれてきた子を幸せにできない人の
ところにどうして授かるんだろう・・・と
自分にはなぜ?・・・と

その頃観たワイドショーで女優の
(顔も思い出したくない)

「素敵な大人の女性の定義」
(・・のニュアンス)の質問の答えとして

「子どもを産んで育てた人」って・・??
信じられれませんでした・・

二人でテニススクール、ゴルフスクール
スポーツクラブ・・
あちこちでかけて視野も広がり
2人で資格取得の勉強をしたり
こんな生活もいいな~と思ってました

そんなふうに思えるようになった時に授かりました
(それはとってもうれしかったです)

確かに今まで育てて子どもがいる環境のなかで
学べること、喜怒哀楽、経験できることは沢山です

でも人間性の成長や価値観って・・
これは子どもがいるかいないかは全然関係ないと思います

それは本人の意識の問題、生き方

子どもがいないことで見えること経験できること
学べることも沢山あることも言うまでもないことですから・・

今もなお後を絶たない幼児虐待、
自分の子供を育てられない、
殺してしまう
・・こんな親だっているのですから

親しくしている友人にも不妊治療をしたけれど
あきらめたご夫婦がいます
とても仲良しで素敵なご夫婦

先日お孫ちゃんが生まれた友達のところに
行ってきたのですが
高校の時の友人6人のグループ
そのうち二人はお孫ちゃんがいて
二人は結婚生活にピリオド打って
親の介護問題も・・・

残りの人生これからもいろいろとあるでしょう
どんなことがあってそれに対してどう思うかなんて
その時にならないとわからないですよね

ただ何があってもしっかり受け止めて
前向きでありたいな・・と思います

・・なんだか支離滅裂な文章になってしまいましたが
いろいろと考えさせてくれる本でした



「ガリレオの苦悩」東野圭吾

10.31
同時に2冊の発刊、短編、長編の「ガリレオシリーズ」
まずはこちらから



トリックあかしの一話完結ドラマ仕立て・・という感じで
どうしても映画やドラマの俳優さんの
インパクトが強すぎて

事件の背景となるものがもっと
深いものであってその上で湯川さん登場
・・ということならまだしも

短編集なので仕方がないかもしれません

長編の「聖女の救済」に期待です



 「聖女の救済」東野圭吾

11.8
やはり、こちらの長編の「聖女の救済」ほうが
読み応えがあっておもしろかったです

短編同様・・ガリレオこと湯川先生役の福山さんのお顔が
チラチラと浮かび・・
「非常に興味深い・・・」「論理的」「客観的」・・が
耳に?目に?つくけれど・・

今回楽しめたのはミステリーのトリック証しも
もちろん興味深かったですが・・

湯川さんと草薙さんの親友(悪友?)ぶりと
若手女性刑事内海さんの「女の直感、洞察力」を加えての
やりとりの楽しさと事件解決

内海さんはドラマのために登場したキャラクター?
原作ガリレオシリーズではいなかったような
ドラマもたま~に福山さんのお顔チラリしか観ていなかったけど

ストーリーのなかで
「ipodで福山雅治を聴きながら・・」とか
「福山雅治のアルバムもおわり別のアーチストの曲がかかり・・」

・・とか「流星の絆」でもあったような
東野さんのお茶目な部分が出ています

東野作品で福山さんも一段と注目され、
再来年の「大河ドラマ」の主演とのこと
また、福山さん人気で東野さんも一段と有名な
作家さんになりましたよね
(どっちがどっち?)

東野さん「福山成金」っていわれるそうです
(「ガリレオ成金」ではなくて・・・)(CREA対談より)

(私はずーっとまえからファンでしたよ~)

今回はメインとなるところは(私だけかも・・)
草薙さんの「恋」

これを見守る「冷静で温かい」湯川さん
単なるミステリーではなくこれがよかった原因かと



「あわせ鏡に飛び込んで」井上夢人

11.14
だいぶ前に書かれた10作品の短編集です

全作品にその作品がどういう状況で書かれたのか
コメントがあるのがおもしろかったです

こんな作品が・・・
ある出版社の企画で「作者当て3人競作」と銘打って
誰が書いた小説かと読者に当てさせるというもの

それに参加した作家さんがなんと
「逢坂剛さん」「大沢在昌さん」
それを読んだら私はあてられたでしょうかね~

ちなみにこの時に大沢さんが書かれた
小説の主人公が後のシリーズ物に抜擢されたそうですよ

それって、あれですか?
(大沢さん、数冊しか読んでないのでよくわかりませんが)

さて、この短編集
井上さん、独特の・・・・
ふしぎ~な感じ、ブラックユーモア
ホラー、翻訳っぽいもの
忘れてはいけないコンピューター関係
ミステリー・・・と
なかなか楽しめましたね

最後に大沢さんとの特別対談ものっていて
これもまたよかったです


「ほっとミステリーワールド」東野圭吾集

11.25
短編集で4編の収録

そのうち1編はどこかの短編集で読んだことがあるものでした
でも「大活字版」で「短編集」・・
あっという間に読めました

図書館にはけっこう「大活字版」があります
でも利用する人があまりいないよう・・
高価な本なので皆で利用しなくちゃね

目もイマイチ・・
これからはこちらから探すことにします
東野作品、まだ読んでいないものもありました

ちょっと恥ずかしいけれど借りちゃいます

さて、感想は・・
短編集が物足りなく感じる私も
さすが大好きな東野さん

短編集なので混み入ったミステリーと
いうわけではないけれど・・
楽しめました


「転生」仙川環


11.28
医療ジャーナリストの作家さんなので
いつもテーマは重く考えさせらることは
とても多いです

この作品ミステリーとしても
かなりおもしろかったです

仙川作品、どれも主人公がけっこう個性的
最初は主人公にあまり共感できず

でも全体のストーリーとしては
周りの登場人物に助けられ
読後感はホッとさせられるものでした

医学の進歩に伴っておきてくる色々な
倫理的なこと、心理的なこと
やっぱり今回も考えさせられました


「超・殺人事件 推理作家の苦悩」東野圭吾

12.7
読んだような、まだのような・・

そして図書館で予約、読んでませんでした
7年前の出版のもの
そのころ短編集はあまり興味なかったからかしら

読んでみると・・・
とてもおもしろかったです

まさに「推理作家の苦悩」
ミステリー?と思って読むと
確かにミステリーなところも・・

あちらこちらに東野さんならではのユーモアの
センスがあってとても楽しい、
あっという間に読めた1冊でした

こんなストーリーを考える
そして笑わせてくれる東野さん
やっぱり好きだわ~



「イノセント・ゲリラの祝祭」 海堂尊

12.30
東野さんの次に好きな?作家さんです
・・・なのに今回は読み始めると
いつものように引き込まれず・・

途中長崎行きもあったり忙しく読書の時間がなかった、
ミステリーではなかったのも理由でしょうか

今回舞台は厚労省、「田口、白鳥シリーズ」です

ストーリーは今私が図書館に読みに行っている
「週間朝日」で連載中の「極北クレーマー」と同時
こちらは白鳥さんの部下の姫宮さんが潜入調査、活躍中です

途中からは今まで読んだ本と同様の
楽しませてもらいました

田口センセ・・・在籍20年、お年もとられて
「僕」から「俺」にかわっています
でも「講師」のまま

がんがんトンネルの魔人島津先生は准教授
ジェネラル速水先生はあれから救命センターへ

そうそうあの病理医の「鳴海先生」の名前も・・
今回、医師、厚労省関係、警察関係・・・と人物が複雑
翻訳もののように最初に「登場人物の紹介」があったのには
おどろきました
(続けて読めなかった私は助かりました)

あら、どこかで・・と思ったら
こちらでの短編にもリンクされてます

読み終わって思ったこと・・

今まで楽しませてもらった数冊の
海堂さんが言いたかったことが
まとめられているのかしら・・ということ

タイトルにも驚かされましたが
医師は医療の進歩にかかわりつつ
社会問題として患者、医師の
環境をよりよくするために常に
闘っている・・・
そんな風に思いました

こちらを小説にしたような?
死亡診断が「心不全」=「死因不明」が多いとのこと
ちょっとびっくりしました

現役医師の海堂さん、
作品はフィクションですが
まさに現在社会問題になっていること
それがテーマになっていますね

「医師だからこそ・・」

ただ私としては今まで読んだような
ミステリー、ヒューマン的なストーリーの中で
それぞれテーマを感じられるほうが
好きですね


この年に読んだ私の「ベスト3」は

【1位】

「流星の絆」東野圭吾著

「ドラマ」はどうなるかとおもいきやそれなりに
楽しめましたが原作はよかったです
私の読んだ東野作品50作近くの中でかなり上位
私は東野さんのこういう作品が好きですね


【2位】(2位は2冊です)

「ファイアー・フライ」高嶋哲夫著

やっぱり好きな作家さん、どの作品にも
「静かな愛」が感じられます

「時の渚」笹本稜平著

初めて読む作家さん、楽天お仲間でも好評でしたね
「ハンカチ握り締め?」でした

【3位】

「ブラック・ベアン」海堂尊著

海堂作品数冊読みましたが・・
好きな作家さんなので選びがたいものの
この作品を・・

 その他迷った作品

初めて読んだ江戸川乱歩賞受賞作家の薬丸岳著
「天使のナイフ」「虚無」「闇の底」

どれもテーマが重くミステリーとしても
余韻を残しつつ
でも色々と考える時間を与えてくれた作品たち

「聖女の救済」東野圭吾著

これもかなりよかったかな
「容疑者・・」に続く映画化のためのもの?
という感じはしますけれど・・
  
「百舌が叫ぶ夜」逢坂剛著

ブログ友達の紹介の逢坂作品
この作品を含めて4冊続けて読みました
シリーズなのでどれを選ぼうか迷って
最初に引き込まれたこの作品

「ジェネラル・ルージュの凱旋」海堂尊著
「ナイチンゲールの沈黙」海堂尊著


今年は初めて読んだ作家さんも多かったです
楽天のお仲間さんのおススメもあり
私の読書の幅も広がりました

これからもまた新しい作家さん、
素敵な本に出逢えて
豊かな読書タイムが過ごせると良いなと思います


© Rakuten Group, Inc.