有松散歩
今日はお昼を食べた後、ちょっと息抜きをしに、家からクルマで30分ほどのところにある有松というところに行ってきました。 有松というのは、東海道53次の宿場の一つなのですが、江戸時代、農業が難しい土地柄だったもので、その代わりに「有松絞」と呼ばれる染色業が振興されたんですな。で、今もなお、複雑な絞りの技術を使った染色が行なわれ、完成した布を使って浴衣やスカーフ、ハンカチなどが生産されている。で、旧東海道沿いに昔ながらの古い町並みが残っているところがありましてね。そこに有松絞製品を売る店が点在していると。 で、まずは有松絞会館みたいなところに行ってみたのですが、ここでは300円ほどの拝観料を支払うと、有松絞の何たるかの解説ビデオを観た後、実際に、職人の方が有松絞の括り作業を行なっているところを見学できるんです。 で、我々も見学させていただいたのですが、一つビックリしたのは、有松絞を生み出すあの括りの作業、あれをやるには色々と方法があって、職人は自分に合う方法でやると。だから、今日、括り作業を行なっていらした職人の女性お二人は、それぞれ別なやり方で作業を行なっておられたと。使っている器具も全然違っていましたし。 うーん、ビックリよ。私は当然、括りのやり方というのは決まっていて、それを伝承していくのかと思っていたのですが、そうではないんですな。 で、この作業は、内職として行われるので、職人は愛知県各地に散っている。だから、今、正確に、何人くらいの職人がいるか、分からないんですって。いやあ、私は、有松絞の職人は、有松の近辺に住んでいて、有松にある工場とかで働いているのかと思っていたのですが、全然違うんですね。横浜に住んでいる職人もいると言いますから、愛知県外で仕事を請け負う有松絞職人もいらっしゃるわけだ。 しかし、見学させていただいていると、その括りの作業というのが、気が遠くなるような細かく果てしない作業でね。こんなに手間暇のかかる工程を経て、あの有松絞が生まれるのかと思うと、職人さんたちに頭が下がります。 で、我々もすっかり有松絞の虜となり、私も家内も、一枚ずつ有松絞のハンカチ買っちゃった。 さて、有松絞会館で基礎知識を得た我々は、そのまま街散歩を続けたのですが、最近では伝統的なお店に加えて、モダンなお店も結構ある。 なかでも「糸和」さんという工房兼ショップでは、布製品の有松絞に加え、皮革を使った有松絞の製品も製作・販売をされている。下に挙げたのはお店の一角の写真ですが、なかなか魅力的な皮革製品が揃っておりました。 男物の財布とか、ちょっと欲しかったです。 で、その後、「カフェT-Ryujyu」で、珍しい青い「藍ラテ」をいただき、身体を暖めてから帰路についたのでした。 ということで、短い時間でしたが、気晴らしにはちょうどいいお散歩となったのでした。