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2013/08/02(金)22:44

映画『ライフ・オブ・パイ』を観た

教授の映画談義(368)

 レンタルDVDで『ライフ・オブ・パイ』を観ましたので、一言感想を。以下、ネタバレ注意です。  と言っても大したネタがあるわけでもなくて、インドからカナダへ移住した一家の話なんですけど、途中、船が嵐で遭難して、主人公の少年(今は中年だけど)パイだけが生き残りましたとさ、ってな話です。  で、遭難後、パイは救命ボートで大海原を漂うのですけど、たまたまそのボートにはパイの他にトラが乗ってまして。そんな難儀な状況の中、苦労しながら遭難活動を続ける様が延々と描かれると。  で、この映画に対する私の点数はと言いますと・・・  ・・・・。  思いつかず。  ということで、採点対象外、という判断をさせていただきました。  なんかね、どう考えていいか分からないのよ。  面白くないのか?と言われると、うーん、まあ面白くなくもないかな・・・。じゃあ、面白いのか?と言われると、うーん、別に面白くもないかな、という感じ。積極的に低い点数をつけて、「こーんな映画、クソよーー」と言いたくなるほど、憎い映画でもないし、じゃあ70点以上の合格点を差し上げるのか?と言うと、それもあげたくないような。  家内と映画を観ると、映画を観終わった時点で、面白きにつけ、つまらなきにつけ、感想を言い合うのが常なのですが、この映画に関しては、エンドロールの後、二人共二の句が継げないような感じで、両者ノーコメントのまま黙ってDVDをDVDケースにしまいましたとさ、みたいになっちゃった。  ま、パイは自分の過酷な経験を二種類の語り方で語るわけですけど、そこにそれほどの深みがあるわけでもなく、「だから?」って感じなんだよね。そこがね、こう、今一つ盛り上がれないところでございまして。  例えば、ウィリアム・スタイロンの『ソフィーの選択』という小説で、ソフィーは自分の過去を何度か違う形で語るのですが、そこには、彼女がそうせざるを得ない必然性がちゃんとある。彼女は自身の犯した罪を隠すために、作り話をするわけ。彼女には深い罪の意識があって、それが後の彼女の生き方を決定して行くことにもなる。だから、彼女の作り話の真実を知った時、読者にはズシンとした衝撃がある。  だけど、『ライフ・オブ・パイ』の場合、パイには罪がないので、作り話をする必然性がないんだよなあ・・・。だもので、イマイチ、彼の話がピンとこないわけよ。  ということで、この映画、一応観たけれども、観なかったも同然の体で記憶からフェードアウトだっ! 残念!

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