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釈迦楽

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March 24, 2017
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カテゴリ:教授の読書日記
大阪の「瑞穂の国小学院」でしたっけ? 平地にして返せとか言われておりますけど、結構お金のかかっていそうな校舎、ほとんど完成間近なのに壊すのってもったいないねえ・・・。

 雑談中にそんな話をしていたところ、同僚の一人が「うちの大学で安く買い取って、サテライト校舎にしたらどうだろう?」と。

 ほう! いいね、いいね。愛知○○大学瑞穂の国大阪サテライト校舎。

 それだったら、アレじゃね? ミソがついた豊洲市場もたっぷり値引きしてもらってうちが買い取るというのは? 愛知○○大学豊洲サテライト校舎。これで、東京・大阪でも愛知の大学を出られますよと。



 さてさて、冗談はさておき、ブルース・バートン著『誰も知らない男』という本を読了しましたので、心覚えを付けておきましょう。

 『誰も知らない男』といっても、そんな本のこと、誰も知らないと思いますが、これ、1924年にアメリカで出版されると、たちまち100万部突破というベストセラーよ。

 ちなみに、本書で言われている「誰も知らない男」というのは、イエス・キリストのこと。

 イエスのことは誰でも知っている、とみんな思っているだろうけれど、本当にそうかな? 実は、イエスの真の姿は、誰も知らないんじゃないの? というのが、著者ブルース・バートンの言い分なわけ。

 バートン曰く、イエス様と言えば、痩せ細ったなよなよっとした弱々しい男で、見た目もちょっと女性っぽいような感じで、無口で陰気な感じだけれど、それは後世の教会が作ったイメージであって、先入観なく聖書を読めば、そんなはずないと分かるだろうと。

 例えば、過ぎ越しの祭りの日にイエスがエルサレムの聖堂に行くと、そこでは取税人とかががめつい商売していたりして、聖堂が汚されていた。で、それを見たイエスが怒り狂って、商売人たちのブースを破壊、生贄用の動物の檻とかも破壊しちゃったりして大暴れ。だけど、あまりの勢いに周囲の官憲も手出しができなかったと。

 バートン曰く、そんなことができるのは、三十歳の健康な青年、それも長年の大工仕事で鍛え上げたシュワルツェネッガーみたいな大男だったからに違いないと。つまり、イエスは体育会系だったんだろうと。そんな頑健な男だったからこそ、40日40夜の試練にも耐えられたのだと。

 そして、イエスが最初に起こした奇跡はなんだったか。結婚式の席上で、主催者が提供すべきワインが足りなくなってしまった時、これはまずいというので、たる一杯の水をワインに変えるというものだった。で、その奇跡のワインの大ぶるまいで、イエスは結婚式の客たちと共に飲めや歌えの大騒ぎをした。つまりイエスは大酒飲みの陽気な男だったに違いない。

 聖書を素直に読めば、そういう新しいイエス像が、すなわち「誰も知らない男」の姿が浮かび上がってくるじゃないか。バートンの主張はそういうことですな。

 例えば、イエスはある時、何十年も寝たきりの老人に向って「起きて、自分の足で帰りなさい」と命じることで、その老人の病を治してしまったことがある。で、バートン曰く、その時、イエスはきっとクスクス、クスクス、笑ったに違いないと。なんとなれば、何十年もの間、身体の不自由なことを理由に家族に対して暴君であったその老人が、家族から「身体が治ったのなら、明日は朝から畑仕事をしてもらおう」と言い渡されてしまうのだから。
 
 で、そういう新しいイエス像、換言すれば、我々と同じような普通の人間として見直すと、彼が笑い、酒を飲み、歌を歌い、踊り、人々との交流を楽しみ、その中で自分の使命を自覚し始め、人々を救おうと希望を抱き、難局にぶつかり、悩み、絶望し、それでもなお希望を持ち・・・といった、イエスの人生の浮き沈み、人間としての苦悩がなおさら、ありありと、見えて来るじゃないかと。

 そして、そういう生身の人間としてイエスを見直した場合、バートンの目につくのは、イエスがいかに傑出した広告マンだったかということ。

 実は著者ブルース・バートン自身、著名な広告会社を起業した人でもあり、広告というものに対して並々ならぬ興味を持っている人なわけ。そういう経歴を持つバートンから見ると、イエスは、舌を巻くほどの傑出した広告マンに見える。

 たとえば、効果的な広告のキモは何かと言えば、それは「短さ」「簡潔さ」であると。短い言葉で本質を突く。それから、誰にも分かる言葉で語ること。広告を読む人の頭の回転に合わせた言葉を選ぶこと。そして誠実であること。そういう観点から言うと、イエスは超有能なコピーライターだというのですな。

 しかも、イエスの一日は常にニュースに満ちていた。もし現代の記者が「イエス番」として彼に張り付いていたら、毎日毎日、ニュースのネタに事欠かなかったはずだと。例えば、もしその当時に新聞があったのなら、新聞の見出しは「イエス、中風の人を治す」「ナザレのイエス、罪を許す権利を主張ーー有名法律家たちは異議申し立て」「マタイ氏、イエスに共鳴してナザレ組織に加入」「ナザレのイエス、昼食会への一般人の参加を歓迎」「イエス、パリサイ派の有力者たちを一喝」「イエス、宗派の違いを無視」などなど、イエスの話題で持ちきりだったに違いない。

 つまり、イエスはニュースを生み出す時の人だった。

 さらにイエスは有能なビジネスマンでもあった。

 バートン曰く、ビジネスマンとして成功する秘訣は、他人に対して徹底的なサービスを提供することであり、逆に自分の利益を追求して本当の成功を納めた人はいないと。その観点からすると、イエスは非常に優れたビジネスマンであった。何しろイエスは「人に1マイル同行することを頼まれたら、2マイル同行せよ」と命じているのだから。通常期待されるサービスの倍のサービスを提供しろと。

 つまり、聖書におけるイエスの言行録は、そのままビジネスの秘訣集としても十分通用するというのですな。

 そして、これまたバートン曰く、イエスも、自分の行動をビジネスとして捉えていたに違いないと。
 
 実際、イエスが子供の頃、エルサレムで迷子になる。で、マリアが八方探したところ、少年イエスは、聖堂で老人たちと神学談義をしていた。で、マリアが「なにしてるの! 散々探したのよ!」と怒ると、少年イエスは平然とした顔で、「何故探したの? 僕が父の仕事をするのが当たり前だと、どうして思わなかったの?」と聞いたという(ルカ2:49)。英語ですと、「Wist ye not that I must be about my Father's business?」となり、「ビジネス」という言葉がハッキリ使われている(ただし、今ではこの部分は「Did you not know that I ought to be in my Father's house?」と訳し直されている)。

 とまあ、そんな感じで、イエスを健康で体育会系な、有能なビジネスマンとして捉え直すことで、もっと深く、もっと親しく、イエスの業績を考え直してみようよ、というのがこの本の趣旨なんですな。つまり、「自己啓発本として新約聖書を読み直そう」という試みであるわけ。

 いやあ、面白いですよ、この本。さすが100万部のベストセラー。イエスをビジネスマンと考えるなんてなんと不敬な! という批判の大合唱にも拘らず、当時、最も良く読まれた本との評判をとっただけのことはあります。少なくとも、この本を読んでいると、もう一度新約聖書を読み直してみたい、バートンと同じように、若く、健康で、陽気で、我々と同じような、しかし、コピーライターとして、ビジネスマンとして、相当、やり手の男としてイエスを見直してみたいという思いに駆られます。

 ということで、この本、教授のおすすめ!と言っておきましょう。


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Last updated  March 24, 2017 02:58:24 PM
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釈迦楽@ Re[3]:クタクタの誕生日(04/09) がいとさんへ  いやいや、あの頃が僕に…
がいと@ Re[2]:クタクタの誕生日(04/09) せんせい おぉ、そんなこともありました…
釈迦楽@ Re[1]:クタクタの誕生日(04/09) がいとさんへ  昔、君が正門前のアパー…
がいと@ Re:クタクタの誕生日(04/09) せんせい その近くです! 魚沼から半分近…
釈迦楽@ Re[1]:クタクタの誕生日(04/09) よびなみさんへ  ありがとうございまー…

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