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2023/12/15(金)22:03

児童文学

教授の読書日記(1122)

文芸誌の『すばる』が児童文学の特集をやっておりまして。  で、ああ、なるほど、12月だからなと。  私も子供の頃、もうすぐ冬休みというこの時期が大好きで。寒いので外遊びができない分、ぬくぬくと家にこもって本を読むのが好きだった。  小学5年生の頃、文庫本の魅力にはまって、文庫の外国文学ものをよく読んだものでした。1冊読み終わると、文庫本の後ろにある既刊本のリストを眺め、自分にも読めそうなものに目星をつけては、本屋に買いに行くのが楽しみだった。  たとえばローリングスの『小鹿物語』ね。それから延原謙訳の『シャーロック・ホームズ』ものとか、堀口大學訳の『ルパン』ものとか。『ジキルとハイド』なんてのも、この頃読んだものでした。そうそう、『十五少年漂流記』などヴェルヌのものもよく読みました。でも同じ漂流ものなら『ロビンソン・クルーソー』の方が奥深いと思ったなあ。  で、新潮文庫に飽きると、他の文庫に行く。文春文庫の『野生のエルザ』とか。角川文庫も、新潮文庫ほどではないけれども、そこでしか読めない外国文学は随分読みました。  あの頃は、ホントに本の世界に没頭できた。ああいう熱中というのは、もう今では経験できないかも。  で、そんなことを懐かしく思い出しながら『すばる』の児童文学特集をチラ読みしたら、もう、そこには私の読んだことのない本のことしか書いてない。『トムは真夜中の庭で』とかね。『飛ぶ教室』とか。  同じ「児童が文学を読む」ということにしても、私にとってのそれと、世間のそれはまったく違うんだなと。そういう意味では、私は児童文学を読んだことがない。『ドリトル先生』とか、『ツバメ号とアマゾン号』とか、読みたいと思ったことすらない。ロアルド・ダールの作品も一つも読んでない。  じゃあ、もうだめじゃん。『すばる』の特集、私には無縁じゃん。  あーあ。今月の文芸時評、何を書いたらいいんだろう?

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