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2024/06/18(火)23:30

吉増剛造著『我が詩的自伝』を読む

教授の読書日記(1103)

この間、大学の研究室で何気なく書棚を見ていたら、詩人の吉増剛造が書いた『我が詩的自伝』という本のタイトルが目につきまして。これ、何かの拍子に興味を惹かれて買って、買ったはいいけど読まずに放っておいたもの。それをふと手に取ったら面白そうだったので、読むことにしました。  これだよね、本を買うということの意味は。積読の価値は。 これこれ!  ↓ ​ 我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ! (講談社現代新書) [ 吉増 剛造 ]​  ちなみに、こんな、仕事と関係のない本を読んでいるヒマなんかないんだよ、ワシには! やるべき仕事、書くべき原稿が山ほどある。なのに、こういう横道に逸れるという暴挙。これだよ、本を読むことの意味とは。  で、読み始めたんだけど、もうね、何が書いてあるかあんまり分からないの。詩人の書くものだからさ。論理的ではないから。  この人、何言ってんの? っていう感じで、頭の中に「?」マークが沢山つく。  だから、時々この本をほっぽり出して、論理的な本を読むわけよ。  そうすると、どうなるか?  論理的な本がつまらなく思えてくるんだわ、これが! 「こんな、筋の通った話、つまらん!」ってなるの。それでまた吉増の本に戻るという。  まあ、吉増って人は、多摩の人なんだよね。で、私も多摩の人だから。そういう親近感もある。大学も先輩だしね。  で、この本の中で、吉増さんはしばしば「非常時」っていう言葉を使う。ギリギリの、とか、にっちもさっちも行かないとか、そういう意味合いで。非常時じゃないと、本当の詩なんか書けないと、どうやら吉増さんは感じているらしいんだな。あるいは「底をさわる」というようなことも言う。底を触らないと、本当のことは分からない、みたいな。  その辺の感覚が、ちょっと分かるなあと。っていうか、今まさに、私は非常時であって、他の仕事しなきゃいけないのに、吉増さんの本なんか読んでいるんだから、非常時の読書だ。  そういうこともあって、なんか、よく分からないながらも、分かるという気がする。  また、時代も良くて、吉増さんは色々な重要な人、その時代その時代に活躍している人たちに出会って、一緒に仕事したりしている。そういう交流がまた面白い。  まだ最後のところまで読み切っていないのだけれども、面白い本です。教授のおすすめ! ​ 【中古】我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ! /講談社/吉増剛造(新書)

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