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釈迦楽

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January 12, 2025
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カテゴリ:教授の読書日記
お正月に実家近くのブッコフで100円で買った斎藤孝さんの『60代からの幸福をつかむ極意』という本を読了しましたので、心覚えを。

 まあ、今、私自身が中高年向けの本を書こうとしているので、その市場調査の意味も込めて、世に数多ある「還暦本」を読み漁っている、その一環として読んだのよ。仕事がらみ。

 で、この本は、要するに還暦を迎えて定年まであと少し、といった年代の人たちに、今後、どういう心掛けをしておいたら、スムーズに人生の最終コーナーを曲がれるか、ってなことを指南する本ですな。なにしろサブタイトルが「バラ色老後のための考え癖と行動癖」だからね。要するに老後のための幸福論。

 で、冒頭、「幸福」の話が出てきて、そもそも幸福とは、アリストテレスが「最高善」と定めたものであり、以来2400年、人間は幸福を追求してきたと。で、その一つの結実として「世界三大幸福論」の話が出てくる。三大幸福論というのは、ヒルティの『幸福論』、アランの『幸福論』、そしてバートランド・ラッセルの『幸福論』ね。

 で、齋藤さん曰く、まずヒルティの『幸福論』はキリスト教の精神に則ったもので、どんな境遇であれ、自分さえしっかり保っていればいつか報われる時が来る、と諭している。一方アランの『幸福論』は精神論で、人間はともすると悲観主義に陥り勝ちだから、そこは注意して常に楽観主義を保ち、上機嫌でいこうと説く。

 で、三つ目のラッセルの『幸福論』はというと、人間の不満や不安の元は自我にある。だから自分の内面を掘り下げていくと不満と不安に引っ張られる。だから、目を外に向けよと。そうすれば、幸福になれるはずだと。

 で、齋藤さん曰く、三つの幸福論を比べると、ラッセルのが断トツでプラグマティックだと。だから、誰でも真似できる。だから、この本はラッセルの幸福論という古典を元にして、ラッセル式の幸福の掴み方を伝授しましょうと。

 で、振り返ってわが日本を見ると、他の世界の国々と比べても、日本は戦争もしてないし、犯罪も少ないし、多くの人が飢えているということもないし、いい国だと。だからこの国に住んでいれば本来幸せなはずなのに、実際には多くの日本人が幸福感を持ってない。なぜか、みんな不機嫌だと。

 なんでそうなるかっつーと、退屈だからだと。必死こいて生きなくても生きられるので、誰もが退屈しちゃっている。で、退屈すると、過剰な刺激を求めるようになり、ゲームのような非生産的な娯楽なんかに熱中しちゃったりして、時間を浪費してしまう。これでは人生、虚しくなるのも当然。

 じゃ、どうやって退屈をしのぐか? 本を読めばいいじゃないか。映画を見ればいいじゃないか。映画なんて、サブスクでいくらでも見られる。こんな素晴らしい環境を利用しない手はない。

 あと、中高年になると、やたらに疲れるけど、それは体力的な問題ではなく、精神的なストレスによることが多い。自分のことを回りが評価してくれないとか、そういう不満が疲れを引き起こす。しかし、そういう時は、目を外へ向けて宇宙的な観点から下界を見てみろと。そうすれば毀誉褒貶なんて、ちっぽけなことに過ぎないと分かるはず。最初から「他人は自分のことなんかに興味があるはずない」と思っておけばいいんだと。

 あと、日本では65歳くらいでみんな仕事辞めちゃうけど、今時の60代なんて元気なんだから、定年後も仕事につけと。なんとなれば、仕事こそ、退屈をまぎらす最善の方法なんだから。給料が安くなったって、若い者の指示を受けるようになったって、別にいいじゃないかと。

 あと、定年になって世間から引きこもるのはよくない。目が世間に開かれていないと。そのためには何か趣味を持てばいい。今までやったことのないスポーツに目を向けてもいい。俳句なんか始めるのは一番いい。そうやって新しい趣味の没頭したら、老後なんて恐れるに足らず!

 ・・・みたいなことが書いてあります。

 三大幸福論の辺りは一瞬面白かったけど、後はまあ、普通ですな。普通のことなんだけど、その普通のことを、小学生にも分かる易しい筆致で書いてある。そこがこの人の最大の武器なんでしょうな。

 しかし、どーなんだろうね、この人。ちょっとラッセルの『幸福論』一冊読んだだけで、それを添え木にして一冊新書本を書いちゃうという。一冊読んで、一冊書く。江頭2:50さんの「取って入れて出す!」みたいな(ちなみに、私はエガちゃんは高く評価しています)。

 ワシはさあ、一冊の本を書くのに千冊読むのよ。それが学者の矜持ってものだろうと。それに比べて、齋藤孝氏は一冊の本を書くのに一冊読むだけで済ませる。この志の低さとタイパの高さはどうなんだと?

 見習いたい!! 是非!!!

 ということで、私には実に参考になる本だったのでした。

これこれ!
 ↓

60代からの幸福をつかむ極意 「20世紀最高の知性」ラッセルに学べ (中公新書ラクレ 760) [ 齋藤 孝 ]





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Last updated  January 12, 2025 01:10:09 PM
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まめたん20@ Re:再校作業に取り組む(01/23) こんばんは すでに閉鎖されている青巒な…
ゆりんいたりあ@ Re[2]:齋藤孝著『60代からの幸福をつかむ極意』を読む(01/12) 釈迦楽さんへ そんな、昔の話、良く覚えて…
釈迦楽@ Re[1]:齋藤孝著『60代からの幸福をつかむ極意』を読む(01/12) ゆりんいたりあさんへ  明けましておめ…

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