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テーマ:今日の出来事(294266)
カテゴリ:今日もいい日だ
今は科を移ってしまったのですが、以前まで同じ科に所属していた後輩同僚のI先生が、先日、准教授から教授に昇任されまして。で、たまたまその昇任人事の委員会で、委員長を務めたこともあり、今日はお昼にI先生を誘って大学を抜け出し、某フランス料理店で昇任祝いをしてきました。
最近は大学内でも人間関係がどんどん希薄になっておりましてね。同僚が昇任したからって、お祝いをしよう、なんていう気運はどこを探してもない。だけど、かつて私が教授に上がった頃には、そういう気運がまだ残っていて、人事委員会の主査と委員長が私にお昼を奢ってくれた。だからワタクシも、先輩から受けた恩を後輩に返そうと思いましてね。まあ、ワタクシは893気質、義理と人情だけで動く人間ですから。 で、久々にI先生と「サシ吞み」ならぬ「サシ食べ」をしてきたわけですけれども、I先生の専門は哲学、それもジョン・ロックとデビッド・ヒュームでありまして。人事委員長としてI先生の論文も幾つか拝読させていただきましたが、ロックはともかくとしてヒュームなんてのは、まさに自己啓発思想家と言ってもいいくらい。 農業生産が始まって「所有」という概念が生まれると、他人の所有物を盗みたいという欲望も当然出て来る訳ですが、しかし、互いに盗み合うという状況ではまったく社会が成り立たない。逆に、他人の所有権を認め、それを侵害しないという風にした方が、結局、誰にとっても利益になり、社会が成立する。そうやって人間社会が生まれた、なんてヒュームの所有論の概略を読んでいると、それはつまり、より良き社会を目指す自己啓発なわけだから。 ま、そんな話をしながら、美味しいフランス料理を満喫。 I先生、50代になってから20代の若い奥さんをもらいましてね。それでつい最近、双子の娘さんが生まれた。よくまあ子供を作る気になったなと思いましたけれども、二人の年齢差を考えれば、I先生の方が奥さんより早く死ぬのは当たり前。そうなると、もし子供がいなければ奥さんは長い老後を一人で過ごさなくてはならなくなる。そう考えたら、子供がいた方がいいだろうという判断だったようですけどね。 ま、それもそうかもね。 しかし、50代で新米パパさんを勤めるというのも、なかなかに哲学的な課題だからね! 四苦八苦しつつ、楽しんでいるようで、微笑ましい限り。 とまあ、硬軟とりまぜた様々な話をしてきましたが、やっぱり今日はサシでお祝いしてあげて良かった。同じ大学に勤める縁ができたわけだから、それを大切にしなきゃね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 4, 2025 10:40:02 PM
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