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釈迦楽

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February 6, 2025
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カテゴリ:今日もいい日だ
今日は私より4歳くらい年長の先輩同僚であるD先生の最終講義があったので、聴きに行ってきました。

 D先生のご専門はジェイムズ・ジョイス。で、今日の最終講義もそれにふさわしくジョイスの代表作たる『ユリシーズ』についてのものでした。

 で、こんな長大で難解な作品を一回の講義でうまく説明できるのかしら?と思っておったのですが、これがね、素晴らしい最終講義だったのよ。

 D先生の最終講義は、ジョイスの『ユリシーズ』がギリシャの叙事詩『オデッセイ』を踏まえたモダン小説であるという説明から始まり、『オデッセイ』が軍の英雄を主人公にした20年の物語を綴った一大叙事詩であるのに対し、20世紀の小説たる『ユリシーズ』の方は、ごく平凡なセールスマンの一日の物語に過ぎない、という話になり、だけれども、その大した出来事の起らない平凡な男(や女)の一日の出来事をよくよく読んでみると、そこに決して小さくはないテーマというのが随所に仕掛けられていて、それはそういう仕掛けに気づいた人だけに扉が開くように深淵な人間と歴史についての深く、悲しく、かつ滑稽な考察が開陳されると。で、そういう『ユリシーズ』特有の面白さを一つ一つ例を挙げて語りながら、この面白さに魅せられたからこそ、自分は40年近くジョイスという作家と付き合ってきたんだ、という形で自らの研究者としての来し方を語られたわけ。

 で、『ユリシーズ』の最後の章が主人公ブルームの妻・モリーの独白になっていて、しかもその章の最後の言葉が、若き日のブルームからプロポーズされた時に彼女が発した大文字の「Yes」であったことを引きながら、愛というのは(しばしば誤解に基づくロマンスとは異なり)長い長い人生の中で段々と培われていくものだけれども、モリーが「Yes」と言ったように、自分もこの大学で過ごした研究者人生に対して「Yes」と言いたいと述べて最終講義を終えられたのは、お見事の一語でした。

 しかも90分の時間を余すことなく、超えることもなく、きっちり締められたところも賞賛に値する。内容も、真面目一方ではなく、時に冗談が入ったり、聴衆への問いかけがあったりで、まったく飽きさせなかった。いや~。素晴らしい! ここまで素晴らしい最終講義って、なかなかないのではないだろうか。

 ということで、今日は最終講義を堪能した、という感じでした。最終講義のお手本を見せつけられたという感じかな。まったく、参りましたね。





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Last updated  February 6, 2025 06:12:58 PM
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