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カテゴリ:教授の読書日記
常盤新平さんの書いた『熱愛者』という小説を読了しましたので、心覚えをつけておきましょう。
と言っても、まったく書くことがないんだ! 主人公は、またまた例によって常盤さん自身がモデルと思しき三十三歳の翻訳家の唐沢悠治という男。で、こいつはこの時点で既に妻・恵子と離婚しているのだけど、ある時、知り合いのパーティーで出会ったフリーライターの谷口典子という女と出会い、すぐに懇ろの仲になる。 ところが、フリーライターの典子が仕事でインドとかに数週間出掛けている間に、普段はニューヨークにいるとかいう山倉悦子とかいう女と出会い、こちらとも懇ろになると。 で、唐沢悠治は、典子が旅先から帰ってくると典子と、また典子が別な外国に出かけるとその隙に悦子と、寝て寝て寝まくると。 ほんっと、ただそれだけなの。二人の女をとっかえ、ひっかえ。 まあ、常盤さん自身、妻と愛人の間を数年間、行ったり来たりした人だから、いつものようにご自身が体験したことを美化して小説にしているんでしょうけれども、まあ、えげつない。 で、最後までその調子で、二人の女が出会って修羅場になることすらない(現実にはあったのに)。 で、小説の終わりで、とりあえず悦子は身を引くらしいことがほのめかされるのですが、何でそうなったのかは謎。でも、とにかく自分からきれいに身を引いてくれたのだから、悠治としてはこの上なく都合がいい。 だから、この小説とやらの中身は、とにかく男と女がやってやってやりまくる。その描写しかない。 なんだコレ? 祥伝社から出すより、むしろフランス書院から出した方がいいんじゃないか? まあ、ほんとに何にもない、まったく意味のないエロ小説。 アマゾンのレビューに「ただ、やって食べて旅してやるだけ。内容のなさに驚いた。せっかく女性が二人出てくるのに、大して葛藤はないし。」とあったけど、まさにこのレビューアーの言う通り。 なんなの? 常盤さんは宇能鴻一郎にでもなりたかったの? でも宇能さんはそれでも独自のエロ小説の文体を編み出したのだから偉いけど、『熱愛者』にはそういうのもないしなあ。 まあ、呆れ果てるとはこのこと。常盤さんには最初の奥さんとの間に一人、再婚した奥さんとの間に二人、娘さんがいたはずだけど、彼女たちはお父さんのこういう所業を、どう思っていたんだろうね。 これこれ! ↓ ![]() 【中古】 熱愛者 長編小説 / 常盤 新平 / 祥伝社 [単行本]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 17, 2025 04:33:05 PM
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