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テーマ:今日の出来事(298960)
カテゴリ:教授の旅日記
四国四日目。
今日は中学時代の恩師Y先生に会うことになっております。 午前10時にホテルを出てそのまま松山市役所の地下駐車場にクルマを止め、待つことしばし。恩師が買ったばかりというスズキ・ハスラーに乗って登場! 15年ぶりの再会です。 で、先生のハスラーに乗せてもらって、先生ご推奨の大黒屋という、鯛・蛸釜めしのお店に連れて行ってもらうことに。 Y先生は私の中学1年の副担だったのですが、当時大学出たての新人で、23歳の若者。我々とは10歳しか年齢差がないので、先生というより兄貴分として親しく接しておりました。特に私の場合は、副担であると同時に生物部の顧問でもあり、バスケットボール部の顧問でもあって、二重・三重にお世話になっていた。 ところが先生はわずか2年で故郷宇和島の中学校に移られてしまった。まあ、私の出身中学でもせっかく新任で入ったのに、2年で辞められてはたまらないということで、当時の中学部長・カニさんと、校務主任・ノミさんに随分怒鳴られたとのこと。まあ、仕方ないこととはいえ、私にとっても非常に残念なことでした。 でも、その時からずっと、Y先生とは年賀状の交換だけはしていたのよ。そうやって細々と連絡をつないでいたこともあり、今から15年前に家内を連れて、宇和島までクルマを飛ばして、先生に会いに行ったんですわ。その時ですら30年ぶりの邂逅だったんですけどね。そこからまた親しいお付き合いが再開して、今日に至ると。 で、今回、松山大学で学会があるので、もう一度先生にお会いすることにしたわけ。というか、先生に宇和島から松山まで出てきていただいてしまったのですが。 15年ぶりにお会いする先生は、しかし、以前と変わらずお元気そのもの。なにしろ先生はスキーの指導員1級の持ち主ですから、今でも毎冬、北海道をはじめ各地にスキー転戦していらっしゃるほど。10年前に癌を患われたものの、それは快癒されておりますしね。 で、15年ぶりに会う懐かしい恩師としゃべるしゃべる。昔の話も、今の話も。楽しい、楽しい! 先生のスキー談義も面白かった。40代でスキーに目覚め、かなり上達したものの、指導員の方から「上手いけれど我流」と言われ、そこから指導員の資格を取ることを目指したと。で、指導員1級を取られたんですけど、指導員としての技量というのは、基本に徹するというものだとおっしゃるわけ。 では、その基本とは何かと言えば、斜面に対して常に垂直の姿勢を保つことだと。それは本当に難しいことなんですって。だから、先生はその基本を徹底して訓練してきたし、今もそうだと。 我流では、結局、どこかで行き詰る。だけど、基本に徹する滑りをしていれば、常に課題が見つかり、それを克服した先に次ぎの課題が見つかる。そうやって永遠に上達への道が見つかるのだと、先生はおっしゃるわけ。うーん、これはもう、私がやっている武道の上達の道と全く同じです。すごいな。先生はサムライ・スキーヤーですわ。勉強になるなあ! でも色々な話をした中で、やっぱり一番感動したのは、癌の話。先生曰く、全然自覚症状がない、体重も変わらない、食欲もある、そういう時が一難危ない、とのこと。 先生は生物が専門の科学者ですので、医者も遠慮なく癌の告知をしたそうですが、先生は別に不安にも思わなかったとのこと。ただ、全身のMRIで骨に転移がないと分かった時はほっとしたとのこと。 で、いよいよ手術となったら、ロボットを使った最新の手術法で患部(キャンサーという言葉通り、カニがべったり貼り付いたような感じだったとのこと)をがっつり摘出したそうで。先生としては、癌の手術となれば、ストレッチャーに乗せられて手術室に入るのかと思っていたら、歩いて来いと言われ、トボトボ手術室まで歩き、「手術って、こんな感じかなあ?」と思われたのだとか。 でも、やっぱり術後は体力が落ち、退院した時はまともに歩けなかったとのこと。 私が感動したのは、この先の話。 先生は、ちょうど定年を迎えた歳で、これからスキーをバンバンやるぞ!と思っていた矢先の手術だったのですが、何としてもスキーのゲレンデに立つという決意で、必死にリハビリをやったんですと。で、もしスキーという趣味が無かったら、そこまでの生きる欲望は生じなかっただろうと。 だから、そういう生きがいを持つことが重要なんだよと、Y先生は私に教えてくれたの! 嬉しいなあ! やっぱりいつまで経っても、先生は私の先生なのよ。教え導いてくれる。そうか!と思いましたもん。これから私もガン年齢になるけれども、万が一、癌だと言われても、今日、先生にならったことを思い出して、サバイバルしてやりますとも! とまあ、そんなことも学びつつ、先生との楽しい時間はあっという間に過ぎ、また別れの時間に。 先生は、「また会えるとは思わなかった」と、私が四国を再訪したことを本当に喜んでくださいましたが、いやあ、当たり前ですよ! これが最後じゃないですよ! また来ます。5年後に来ます。先生の喜寿のお祝いに! かくして先生にお暇を告げてから、我々は松山を出てしまなみ海道へ向かいます。そして瀬戸内海の島々を橋で数珠繋ぎにするこの海道を堪能し、今日の宿となる倉敷へ。 6時頃、倉敷のホテルに入り、美観地区を散策。ちょうど今、古い蔵にプロジェクトマッピングを施すイベントをやっていて、そんなものを見つつ、あたりをプラプラと。ま、そんな感じで倉敷の夜は更けたのであります。 とにかく、今日はY先生と15年ぶりに再会できたのが圧巻。四国まで来た甲斐があったというもの。最高の一日となったのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 30, 2025 06:05:45 PM
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