|
カテゴリ:教授の読書日記
長倉顕太さんが書かれた『なぜ自己啓発本を読んでも成功しないのか?』を読了しましたので、ちょいと心覚えを。
長倉顕太さんというのは、元ビジネス書の編集者、今はフリーで本のプロデュースをされている方なのかな? それで、自身、売れ筋のビジネス書(要は自己啓発書)を編集していて、実績もあったのだけど、自分が編集した本を読まれている読者はというと、全然成功していないと。 つまり、自己啓発本は売れてはいるけれど、それを読んで成功したという話は聞いたことがない。それはなぜか? という疑問からこの本はスタートします。 で、結局、ビジネス書というのはビジネスで成功したすごい人がそのノウハウを披歴しているのだけど、読者は、「すごい人って、すごいな」と思うだけで、そういう偉い人を讃える気持ちにはなるけど、自分はすごい人ではないから、どうせ何やってもダメだろうってんで、何も行動を起こさない。結果、ビジネス書なんて読んだって何の意味もない、ということになってしまう。 それじゃ、ダメなんだよと。 で、本書で長倉さんは、一般人、すなわち二流の人は二流でいいんだと。だけど、どうせなら超一流の二流になれと。そういうハッパをかけるために、本書を書いたと。 で、まず長倉さんは、どうして二流の人は二流のメンタリティを持っているのか、ということを考え始めるんですけど、その結果、それは親の教育や学校の教育のシステムが突出した個性人を育てないようになっているからだという結論に至る。 だから、まずはそういうチマチマした親&学校仕込みの価値観を捨てるところから始めろと。親元から離れ、金は使い切り、借金もして、ゼロからスタートしろと。 そして自分の得意分野を知り、その得意分野で戦う戦略を練り、自分の言葉を使って情報発信し・・・ってなことを実践し、たとえば「一つの業界の常識を他業界に当てはめる」などの手法を用いて、二流でも稼げる方法論を確立しろと。 まあ、そういう本。 この本は、紙媒体の本としては長倉さんのデビュー作なんだそうで、その分、すごく熱意と勢いは感じるけれど、自己啓発本の研究者の視点からすると、あまり手応えを感じないかな。 つまりね、自己啓発本と言っても、長倉さんが考えている自己啓発本ってのは、主として日本のビジネス書なんですよね。本場アメリカの自己啓発本ではないし、本場の自己啓発本の何たるかを詳しく知っているわけではない。だから、単に限られた見地から得たイメージでわーーっとしゃべっているっていう感じ。 たとえばレジ―さんが書いた『ファスト教養』は、自己啓発本批判として、ちゃんと批判になっていたけど、この本にはそういう理論的な堅実さはないな。 ところで、長倉さんは、今では『移動する人はうまくいく』とか『本を読む人はうまくいく』などのベストセラーを書いていて、自分自身が自己啓発本ライターになっちゃった。それは正直、羨ましい。 私も、そろそろ、そっち方面に行こうかな、などと言ってみたりして。 とにかく、自己啓発本研究者として、批判本は一応チェックするんですけど、ことこの本に関しては、私が云々するような相手ではないなと。それが分かったことが、唯一の収穫かな。 これこれ! ↓ なぜ、自己啓発本を読んでも成功しないのか? 99%の凡人のための生存戦略 (光文社知恵の森文庫) [ 長倉顕太 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 9, 2026 02:00:05 PM
コメント(0) | コメントを書く
[教授の読書日記] カテゴリの最新記事
|
|