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経営品質に関する大久保寛司さんの講演

1 日時:平成15年8月18日(月)
2 場所:三重県勤労者福祉会館
3 タイトル:経営品質向上活動研修会
4 講演者  人と経営研究所 大久保 寛司氏
5 講演内容
・品質というと、モノを連想するので「経営の質」や「組織運営の質」、「学校運営の質」と考えれば良い。
・やったことは、相手の言葉で評価する。相手の評価が優先する。
・経営品質は要するに、仕事の進め方(プロセス)をよくし、人の質を高めるということである。
・「気づき」が大事であるが、教えることは不可能で、教えられても変わらない。
・納得し、行動に展開し、それが成果になる。己の中にないものは、気づくことができない。
・気づきについては、松下幸之助さんが、「学ぶ力は、能力よりも心の姿勢が大事」だと言っている。謙虚さと素直さがないと学べない。
・他人の評価、相手の評価から仕事の進め方と人の意識を改善することになる。
・人材には、人在、人財、人罪があるが、「自分がいなくては」という意識の人ほど、人罪であり、「自分は大したことない」という方ほど人財である確率が高い。
・人がやる気が出るのは、誉められたとき、認められたとき、理解されたときである。
・人は己が見えない。自分は正しいことをしていると思っているが、基本は相手への価値創造である。
・意味のないことをやめる方法は、深く考えないで、瞬間的に判断することである。
・日本の会議は「会して議する」をしておらず、情報伝達会議になっている。それであれば、メールと紙の方が正確である。会議をやるのは「熱」である。
・「リーダーシップ」という言葉は、日本語にはなく、農耕民族ではなく、狩猟民族の言葉である。与えられた組織を目的通りにそちらへ運ぶことであり、組織運営の目的に近づけることである。
・正しい指示を出すのは手段であり、その通りに動くのが目的でる。
・肩書きはアドバルーンであり、軽いから上がってしまう。「優秀」とは、優しさに秀でた人であって、偏差値ではない。
・平等を突き詰めすぎると、低いところへ収斂するので区別は必要である。


1 日時:平成15年4月28日(月)
2 場所:名古屋商工会議所
3 タイトル:「21世紀残るモノづくり、消えるモノづくり」
4 講演者  人と経営研究所 大久保 寛司氏
5 講演内容
 ・変化の速度と幅は、大きくなる一方だが、それに組織や意識は対応していける のか。
 ・企業は「お客様」によってしか成り立たない。お客様に支持され続けるには、 他と比較してより高い価値を提供できるかにかかっている。
 ・今日、満足されていてもそれが続くという保証はない。
 ・従来の企業経営は大型客船型でよかったが、今は小回りのきくヨット型にする 必要がある。
 ・大きいことは何の保証にもならない。大銀行より地域の信用金庫の方がしっか りしている。
 ・判断の基準を企業から顧客へ、病院から患者へ、行政から県民へシフトする必 要がある。
 ・従来は主導権は供給者側が持っていたが、売り手が多くて、買い手が少なくな り需要者側に移った。
 ・インターネットの普及により、他社製品との比較情報なども一般の人の方が多 く持っている。
 ・いかにして相手の軸でモノをつくるか。使う側に立って考えることである。 ・病院でアンケートを取ると医師が望むのは技術や設備であるが、患者はわかり やすい説明を求めているというギャップがある。
 ・患者が求めているのは単に治すことではなく、満足すること。例えば医師が患 者の顔を見て話すようにするだけでも違う。
 ・お客様のことをどれだけ理解しているかが、企業の力になる。
 ・多くの企業の方は、お客様の要望をつかんでいない。
 ・ゴーン社長は執務室にいるのではなく、ディーラーのそれもトップではなく、 担当者の声を聞いて回っている。
 ・多くの経営者の方と話してわかるのは「わたしなんかいなくても良い」と言っ てみえる方はすごいことをやっており、「わたしがいないとダメだ」という方は 大したことをやっていない。
 ・どうでもいい会議と資料をなくすには深く考えないことである。検証するとや められなくなる。
 ・経営資源の内、お客様からの信頼、安心、満足と従業員のやる気は経営環境が 厳しくなったときほど重要になる。
 ・協力するには、共通の目標がいる。それにはコミュニケーションであり、お客 様の立場に立つことである。リッツカールトンが良い例で、人事、給与のセクシ ョンの人でもチェックアウトした外国人が病院からかけてきた電話に対応しに行 く。
 ・群馬県太田市の清水市長は、土日を役所をフルオープンにし、助役を置かず、 住民をお客様と呼び、公民館の運営をボランティアに任せたりしており、この時 代に880戸の住宅団地を完売した。
 ・企業も個人もやっていることが見えていない。人間の目は他人しか見えず、己 は見えない。
 ・やる気を出すには、共通の目標を持ち、価値判断の軸をお客様に置き、相手の 側から見るという方針を徹底し、検証しないとダメである。
 ・これまで「命令・管理」という受け身だったのが、「対話・共感・納得」とい う自主・支援に変わっていっている。その意味では「マネジメント」という言葉 も良くない。「コーチ」の方がいいかもしれない。
 ・自社の経営理念を振り返ることが大事である。
 ・トップのメッセージは最後は人事である。お客様を大事にしている人を登用す ることが一番わかりやすい。
4 質疑応答 
 Q)上司は何をしたら良いのか?
 A)中間管理職は意義、目的、背景を説明する。仕事のやりやすい環境をつく   り、阻害要因を取り除く。管理から手助けに変える。伝達だけならメールで十  分だが、対話は思いを伝える。
 Q)お客様の要望を製造部門としてどう聞けばいいか? 
 A)それは営業を通してではなく、直接聞くしかない。
 Q)「あの人がいると燃えない」という上司がいる場合はどうしたらいいか?  A)無記名で下からの評価を入れる。
 Q)若者の指示待ち族に話をさせるにはどうしたらいいか?
 A)彼らは思いがないわけではないが、言っても無駄だと思ってしまう。上司と  してはつまらない意見でも否定しないことである。部下からの意見に対して良  く聞かれるのは「君は僕の上司ではない」、「3年早いよ」、「いつから意見  が言えるようになったのだ」の類である。
   ほとんどの会社は否定の文化である。仕事を見ないで人を見ている。役職は  役割であって上下ではない。
 Q)トップを変えるにはどうしたらいいか。
 A)当たってくだけるのではなく、第三者の力を借りること
 Q)自分を変えるにはどうすればいいか。 
 A)自分でセットした目標を持つことである。 
 Q)経営理念を徹底するのはどうしたら良いか? 
 A)唱えるだけではダメで考えさせること。顧客は価値の提供者である。
5 参考資料
 ・「21世紀 残る経営 消える経営」中央公論新社
 ・「経営の質を高める8つの基準」かんき出版(北川正恭前三重県知事推薦文)
 ・ http://www.bpds.co.jpに各種講演録があります。
                                  以上




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