トヨタビスタ高知の大原光秦さんの講演○日 時:平成15年11月7日(金)13:30~16:30○場 所:三重県勤労者福祉会館 ○講 師:トヨタビスタ高知㈱人材情報開発室 リーダー 大原 光秦氏 ○テーマ:「お客様より社員が大事!社員満足を徹底的 に追求する人間性尊重の組織づくり」 ○内 容:以下のとおり(文責 山路) ・高知でも企業の担当者が学生の資質を嘆くが、大学に人材が いないのではなく、企業が求める人材が変わってきたのに大学 は相変わらずアカデミックに偏重した教育をしているということ。 ・その意味では、学校にも経営品質が必要である。 ・トヨタビスタ高知は社員90人で、グループ企業としては4,000人 ・日産をV字回復させたゴーン社長は、「日本には経営がない」と 日経ビジネスで語っている。また、別のところでは、「誤った戦略を 選び、正しい経営になっていない」「すべての問題には必ず解決策 がある」と言っている。 ・経営ー管理ー運営のレベルがある。管理や運営は、現状維持で あり、問題対処的で、know howといえる。これに対して経営は、変 化させることであり、人間性尊重であり、know whatである。 ・当社に視察にみえる方には「know howを持ち帰ってもうまくいか ない」と言っている。 ・目的と目標は違う。3人の石工の話は知っている方もあると思う が少しアレンジして目的と目標を説明する。 ・1 石を積んでいることは、食べるための人ー目的は収入であり、 目標は石を積むことである。<生存型> 2 仲間と汗を流すことが自分の性分に合っている人ー目的は、 仲間との調和であり、目標は仕事をすることである。 <集団帰属型> 3 ダムをつくり、町を水害から守る人ー目的は、町を水害から 守ることであり、目標は安全な町をつくることである。 <承認・自己実現型> ・企業の目的は、お客様満足、従業員満足、社会貢献であり、目標 は、利益、売上げ、規模拡大・株式上場である。 ・仕事の目的は、自分を成長させること、周りから評価、信頼を得る こと、社会の役に立つことであり、目標としては、営業成績、高収入、 昇進になる。 ・目的は、思い、質、見えにくい、長期のもので、価値ーNeedsであり、 目標は、もの、量、見える、短期のもので、事実ーWantsである。 ・日本では、見えにくいものの評価が低い。 ・「一番大切なことは、一番大切なことを、一番大切にすることである」 スティーブン・コビー ・当社の経営理念は他社と変わらないし、それを壁に掲げているわけ でも全員で唱和しているわけでもないが、一番の違いは実践している ことである。 ・お客様の期待とサービスは取引の成熟度と人間関係の成熟度で決 まる。 ・<バリュー・プロポジション>ー世の中の存在していい会社には3種 類ある。 1 製品の優位性 ex. ソニー 2 業務の卓越性 3 顧客との親密性ートヨタビスタ高知 ・one-to-oneではだめで、everyone-to-oneでなくてはならない。 ・RJP(Realistic Job Preview)という採用方法をとっている。 ・入社前に実際の現実の会社を理解させ、会社の悪いところや良い ところ、すべてを見せる。 ・決まった時期に試験をするのではなく、学生が受けたい時にじっくり 2日間の試験をする。 ・1<人材の採用> ・実態の十分な理解 ・価値観の適合性 ・面接スタッフ自身が初心を振り返る機会とする。 ・学生のニーズ把握 ・入社後の導入教育への負担が少なくなる。 ○経営理念が浸透する。 ・従業員満足はない。満足は現状維持だからだ。 ・2<人材の能力開発> ・基本的サービスーDemandsに訴求ー承認され、了解を得る。 「技術」、「トレーニング」 ・本質的サービスーWants、Needsに訴求ー満足され、感謝される。 「知」-ラーンニング、コーチング、メンタリング ・個別・複合的サービスーWishに訴求ー感謝され、賞賛を得る。 「気づき」-エンパワーメントの風土 野球型ではなく、サッカー型、アメフト型 ○エンパワーメントの風土 ・ビジョンの浸透と共有 ・挑戦しがいのある目標 ・相互信頼(価値基準の共有) ・自由な意思決定 ・3<人材の能力発揮> ・360度評価 ・自己評価 ・マネジャー評価 ヒアリング ・お客様からの評価 ・ビジョナリー・カンパニーでは、高い理念に合うものだけがピッタリ し、そうでない者は病原菌のように追い払われる。 ・マズローの欲求の5段階説の生存ー安全秩序ー集団帰属ー承認 ー自己実現では、上に行くほどコミットメントが強まる。 ○質疑応答 Q) CSとESことでESの方が大事とあったが、本来、両者は二者択一 の関係ではなく、CSをやろうとしたらESが実現できていなくてはなら ないということではないか。 A) そのとおりである。社長が高知新聞(高知でのシェア9割)で「CS よりESが大事」と言ってもお客様からの反発はなかった。 ○感想 パワーポイントでのプレゼンのできといい、その内容といい、経営 品質受賞の企業の講演では最高水準を行くもので、内容には本当 に納得しました。 やはり、実際に推進した方の話は違うと思いました ジャンル別一覧
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