946252 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

トヨタビスタ高知の大原光秦さんの講演

○日 時:平成15年11月7日(金)13:30~16:30
○場 所:三重県勤労者福祉会館
○講 師:トヨタビスタ高知㈱人材情報開発室
      リーダー 大原 光秦氏
○テーマ:「お客様より社員が大事!社員満足を徹底的
      に追求する人間性尊重の組織づくり」    
○内 容:以下のとおり(文責 山路)

・高知でも企業の担当者が学生の資質を嘆くが、大学に人材が
いないのではなく、企業が求める人材が変わってきたのに大学
は相変わらずアカデミックに偏重した教育をしているということ。
・その意味では、学校にも経営品質が必要である。
・トヨタビスタ高知は社員90人で、グループ企業としては4,000人
・日産をV字回復させたゴーン社長は、「日本には経営がない」と
日経ビジネスで語っている。また、別のところでは、「誤った戦略を
選び、正しい経営になっていない」「すべての問題には必ず解決策
がある」と言っている。
・経営ー管理ー運営のレベルがある。管理や運営は、現状維持で
あり、問題対処的で、know howといえる。これに対して経営は、変
化させることであり、人間性尊重であり、know whatである。
・当社に視察にみえる方には「know howを持ち帰ってもうまくいか
ない」と言っている。
・目的と目標は違う。3人の石工の話は知っている方もあると思う
が少しアレンジして目的と目標を説明する。
・1 石を積んでいることは、食べるための人ー目的は収入であり、
 目標は石を積むことである。<生存型>
 2 仲間と汗を流すことが自分の性分に合っている人ー目的は、
 仲間との調和であり、目標は仕事をすることである。
  <集団帰属型>
 3 ダムをつくり、町を水害から守る人ー目的は、町を水害から
 守ることであり、目標は安全な町をつくることである。
<承認・自己実現型>
・企業の目的は、お客様満足、従業員満足、社会貢献であり、目標
は、利益、売上げ、規模拡大・株式上場である。
・仕事の目的は、自分を成長させること、周りから評価、信頼を得る
こと、社会の役に立つことであり、目標としては、営業成績、高収入、
昇進になる。
・目的は、思い、質、見えにくい、長期のもので、価値ーNeedsであり、
目標は、もの、量、見える、短期のもので、事実ーWantsである。
・日本では、見えにくいものの評価が低い。
・「一番大切なことは、一番大切なことを、一番大切にすることである」
                           スティーブン・コビー
・当社の経営理念は他社と変わらないし、それを壁に掲げているわけ
でも全員で唱和しているわけでもないが、一番の違いは実践している
ことである。
・お客様の期待とサービスは取引の成熟度と人間関係の成熟度で決
まる。
・<バリュー・プロポジション>ー世の中の存在していい会社には3種
類ある。
 1 製品の優位性 ex. ソニー
 2 業務の卓越性
 3 顧客との親密性ートヨタビスタ高知
・one-to-oneではだめで、everyone-to-oneでなくてはならない。
・RJP(Realistic Job Preview)という採用方法をとっている。
・入社前に実際の現実の会社を理解させ、会社の悪いところや良い
ところ、すべてを見せる。
・決まった時期に試験をするのではなく、学生が受けたい時にじっくり
2日間の試験をする。
・1<人材の採用>
 ・実態の十分な理解
 ・価値観の適合性
 ・面接スタッフ自身が初心を振り返る機会とする。
 ・学生のニーズ把握
 ・入社後の導入教育への負担が少なくなる。
 ○経営理念が浸透する。
・従業員満足はない。満足は現状維持だからだ。
・2<人材の能力開発>
 ・基本的サービスーDemandsに訴求ー承認され、了解を得る。
             「技術」、「トレーニング」
 ・本質的サービスーWants、Needsに訴求ー満足され、感謝される。
             「知」-ラーンニング、コーチング、メンタリング
 ・個別・複合的サービスーWishに訴求ー感謝され、賞賛を得る。
             「気づき」-エンパワーメントの風土
             野球型ではなく、サッカー型、アメフト型
 ○エンパワーメントの風土
  ・ビジョンの浸透と共有
  ・挑戦しがいのある目標
  ・相互信頼(価値基準の共有)
  ・自由な意思決定
・3<人材の能力発揮>
 ・360度評価
 ・自己評価
 ・マネジャー評価 ヒアリング
 ・お客様からの評価
・ビジョナリー・カンパニーでは、高い理念に合うものだけがピッタリ
し、そうでない者は病原菌のように追い払われる。
・マズローの欲求の5段階説の生存ー安全秩序ー集団帰属ー承認
ー自己実現では、上に行くほどコミットメントが強まる。

○質疑応答
Q) CSとESことでESの方が大事とあったが、本来、両者は二者択一
 の関係ではなく、CSをやろうとしたらESが実現できていなくてはなら
 ないということではないか。
A) そのとおりである。社長が高知新聞(高知でのシェア9割)で「CS
 よりESが大事」と言ってもお客様からの反発はなかった。

○感想
 パワーポイントでのプレゼンのできといい、その内容といい、経営
品質受賞の企業の講演では最高水準を行くもので、内容には本当
に納得しました。
 やはり、実際に推進した方の話は違うと思いました



© Rakuten Group, Inc.