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作家の井上ひさしさんが興味深いことを言っていました。武道を極めた者、一流の武道家は必ずある境地に達するのだそうです。それは、「本当の強さは戦わないことにある」ということを悟るということ。100%どんなときも勝つことなんてありえない、だったら戦いをできるだけ避けるほうがいい、という意味だったと思う。なんでこんなことをいきなり言うかというと、最近合気道始めたから(笑)。合気道を始めた理由はいろいろ。例えば、ひとつには護身術を身に付けたかったこと、運動したいこと、、、でもなんで合気道かと言うと、力が要らなさそうだったから。動機は単純だったので、あんまり知らないで始めてみたけど、その哲学や奥の深さに早くもはまりそうです。先生も「一番いいのは戦いを避けることだ」とおっしゃっていました。合気道は攻撃してきた相手の力を無力化するだけで、ダメージを与えることが目的ではない(…と思う)。相手を攻撃するための武道じゃない。その理念にすごく共感。
話はちょっと変わるけれど、新撰組が流行ったせいか、「武士道の魂」とか「日本人の誇り」みたいな言葉をたまに聞きます。「みんなが武士道の倫理観、道徳観を持てばもっと日本は良くなる」、とかね。でも、私ははっきり言ってこれにとても懐疑的です。だって日本に住んでいたうちの一体何%が武士だったのだろう(…って友人が言ってたんです。よい着眼点だ)?ほとんどは農民とか、商人とかえた・ひにんだったわけだもんね。とするとほとんどの人が武士道の精神なんて(遺伝的には)受け継いでないことになります。とかいうと、ロマンも何もないのでそういうのがすごく好きな人からはしかられそうですが……(そういう人がいたらすみません)。まあそれは置いておくとして、もし武士道の精神や魂みたいなものを強調するのなら、ぜひともその「戦わないことが本当の強さ」ということを強調してほしいな、と思う今日この頃。先祖が武士じゃなくても、いいものやいい精神をそこから受け継ぐことは別に悪いことじゃないし。よくテロ対策しなきゃ、とか国防がどうのこうの、というけど、まず戦わないための対策を練るべきだと個人的に思う。個人レベルと国家レベルを混同するな、とか国防を重視する人からは言われそうだけれど、基本的には同じだと思うんだけどな。きっと井上ひさしさんもそのことを伝えたかったんだろうと思います。 P.S最近卒論で苦しみ中。誰か助けて…論理が破綻、先が見えない(T_T) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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