昨日に引き続き、日本国を三十年間凋落させた「財務官僚の査定」の話。現在、日本は国民の実質賃金が下がり続ける中、政府の税収が史上最高を更新し続けています。
つまりは、政府が増収になっているわけですが、これで誰か、財務官僚の査定が上がるのかと言えば、上がりません。財務官僚が出世するためには、あくまで増収ではなく、増税でなければならないのです。
なぜか。
それはもちろん、三橋TV第965回で解説している通り、政府の税収が増えたとして、それに対して、
「一財務官僚がどれだけ貢献したのか?」
など、説明のしようがないためです。
『国の税収、過去最高78.4兆円 法人税はバブル期超え―25年度予算
2025年度一般会計税収は、24年度当初予算比12.7%増の78兆4400億円を見込んだ。補正予算後と比べても5兆円増え、6年連続で過去最高を更新する。円安などで好調な企業業績に支えられ、法人税収はバブル絶頂期の1989年度を超え、36年ぶりに最高になると想定している。(後略)』
実際に、25年度の一般会計税収は6年連続で過去最高を更新することが予想されていますが、これで財務官僚の誰かが出世するのかといえば、誰もしません。何しろ、過去最高の税収に財務官僚「一個人」がどれだけ貢献したのか、計りようがないためです。
これが、企業の場合は違いますよ。例えば、一営業が新規顧客を獲得すれば、会社全体の売上も伸びる。凄く分かりやすい。(※企業の経理さんも、財務官僚同様に評価が難しい)
ところが、政府の税収は「法律」や「経済状況」によって勝手に増えたり減ったりするわけですよ。たまたま景気が良くなり、GDPが増えれば、税収増となる。
「そこに、お前がどれだけ貢献したのか?」
分かるわけがない! つまりは、税収増になったところで、財務官僚「一個人」の査定に、どうやって関連させるんだよ、という話なのです。まあ、できないのですが。
ついでに、「財務省の出世の問題」ということを理解すると、いきなり、
「じゃあ、経済成長率を査定のポイントにすればいいじゃん」
と、「ピコーン!閃いた!」を言い出す人がいますが、日本経済が成長したとして、そこに財務官僚「一個人」がどれだけ貢献したのか、どうやって数値化するの? どうやって証明するの?
できるわけがない。日本経済はあまりにも巨大すぎ、一個人がその成長にどれだけ役立ったのかなど、神様でも分からない。
――――――――――――――――――続く――――――――――――――――――
記事タイトル: 財務官僚「一個人」の評価が難しい
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